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翌朝も優の目が覚める事は無かった。
アレク様は変わらない様子の優の頭を撫で、騎士服に着替え部屋を出る。丁度部屋を出るとライ様に会う。
「アレク、しなかったんだな」
ライ様は声を潜めてきいてくる。
「出来るわけないない・・・。優の意思は無視出来ない」
そんなアレク様にライ様は無言で肩をポンポンと叩き、ダイニングに向かう。アレク様も後に続く。
ライ様は優が作ったシールドの維持と監視をしていた。維持は思ったほど魔力を使わなくて済んでいるが、監視には気を使う。実際に見て監視しているわけではなく、壁に何か異常があった時に視界にその映像が半分透けて見えるのだ。初日は酷かった。絶え間なく映像が流れていた。今は少し落ち着いている。次回もし使う事があれば、改良が必要だ。
監視に気を使いつつ、ラトニアの第2皇子に式を送ってみる。もう10年位前になるが面識がある。もし魔力を封じられていても、式の返事は出来るはず。式をはじめに作る事は出来ないが。
アレク様はその頃、騎士達と共に農地の再生に力を尽くしていた。一度は優が再生させた土地だ。優が目覚めた時にガッカリさせたくない。
ラトニアから新たな兵士が入って来なくなり、ストニアは少しづつ平穏を取り戻しつつある。そのお陰で再生は早く進んでいく。
1日の作業を終え、アレク様は優の眠るベッドに座る。すると、部屋の扉がノックされ、ライ様が入ってくる。
「アレク、てっきり昨日の夜すると思ったから言わなかったんだが、優の残りの魔力を考えると、あんまり猶予がない。明日まで保つのか明後日まで保つのか・・・。優の思いを大切にしたいのは分かる。陛下に言われたのも従わなかった位だ。でも、優は死んでしまうかも知れない。その意味わかるよな?頼むぞ、アレク」
「そう言ってライ様は部屋を出る」
アレク様はまた、優のベッドに腰掛ける。
どれほど時間が経っただろう?
「あ~、もうアンタさ、覚悟決めたら?」
いきなり声がかかり、胸ぐらを掴まれる。
!?
「紅!?」
紅が人間の姿で現れたのだ。
「アンタ、優の事が好きなんだろ?また会いたいだろ?」
「だが、優を無視して無理矢理抱けないだろ?俺の事、何とも思ってないだろ?」
「はっ!アンタ相当鈍いな」
と言いながら、紅は壁に向けて手をかざす。すると、優の姿が映しだされ、優が実際に話してる声、口が動いてない心の声らしきものが聞こえる。
『アレク様大好きっ』
『アレク様、早く帰って来ないかなぁ』
『アレク様、もっとキスしたかったよぅ』
優の心の声が、たくさんアレク様の耳に届いてくる。
「優っ!」
「最近の優は、いつでもアンタを求めてたよ。俺がキスした時もな」
そうだ、あの時ーーー。
『助けてっ、アレク様っ!』
確かに俺に助けを求めた。
「今もそうなんじゃね~の?いつまでも目覚めれなくて、アンタに助け求めてるんじゃね~のか?さっきの見て、まだ優の思いがとか、抜かすんじゃね~よ?あ、俺、今晩はこの部屋いたくね~から、カゴごと廊下に出しといて」
言うだけ言って、紅は手乗りグリフィンになりカゴに入る。そして、アレク様を急かす様に『ギーギーッ』と鳴く。
アレク様は紅を廊下に出し、扉に鍵をかける。
廊下にいたライ様は『紅、ありがとう』と声をかけ、自分の部屋に連れて行く。
アレク様は変わらない様子の優の頭を撫で、騎士服に着替え部屋を出る。丁度部屋を出るとライ様に会う。
「アレク、しなかったんだな」
ライ様は声を潜めてきいてくる。
「出来るわけないない・・・。優の意思は無視出来ない」
そんなアレク様にライ様は無言で肩をポンポンと叩き、ダイニングに向かう。アレク様も後に続く。
ライ様は優が作ったシールドの維持と監視をしていた。維持は思ったほど魔力を使わなくて済んでいるが、監視には気を使う。実際に見て監視しているわけではなく、壁に何か異常があった時に視界にその映像が半分透けて見えるのだ。初日は酷かった。絶え間なく映像が流れていた。今は少し落ち着いている。次回もし使う事があれば、改良が必要だ。
監視に気を使いつつ、ラトニアの第2皇子に式を送ってみる。もう10年位前になるが面識がある。もし魔力を封じられていても、式の返事は出来るはず。式をはじめに作る事は出来ないが。
アレク様はその頃、騎士達と共に農地の再生に力を尽くしていた。一度は優が再生させた土地だ。優が目覚めた時にガッカリさせたくない。
ラトニアから新たな兵士が入って来なくなり、ストニアは少しづつ平穏を取り戻しつつある。そのお陰で再生は早く進んでいく。
1日の作業を終え、アレク様は優の眠るベッドに座る。すると、部屋の扉がノックされ、ライ様が入ってくる。
「アレク、てっきり昨日の夜すると思ったから言わなかったんだが、優の残りの魔力を考えると、あんまり猶予がない。明日まで保つのか明後日まで保つのか・・・。優の思いを大切にしたいのは分かる。陛下に言われたのも従わなかった位だ。でも、優は死んでしまうかも知れない。その意味わかるよな?頼むぞ、アレク」
「そう言ってライ様は部屋を出る」
アレク様はまた、優のベッドに腰掛ける。
どれほど時間が経っただろう?
「あ~、もうアンタさ、覚悟決めたら?」
いきなり声がかかり、胸ぐらを掴まれる。
!?
「紅!?」
紅が人間の姿で現れたのだ。
「アンタ、優の事が好きなんだろ?また会いたいだろ?」
「だが、優を無視して無理矢理抱けないだろ?俺の事、何とも思ってないだろ?」
「はっ!アンタ相当鈍いな」
と言いながら、紅は壁に向けて手をかざす。すると、優の姿が映しだされ、優が実際に話してる声、口が動いてない心の声らしきものが聞こえる。
『アレク様大好きっ』
『アレク様、早く帰って来ないかなぁ』
『アレク様、もっとキスしたかったよぅ』
優の心の声が、たくさんアレク様の耳に届いてくる。
「優っ!」
「最近の優は、いつでもアンタを求めてたよ。俺がキスした時もな」
そうだ、あの時ーーー。
『助けてっ、アレク様っ!』
確かに俺に助けを求めた。
「今もそうなんじゃね~の?いつまでも目覚めれなくて、アンタに助け求めてるんじゃね~のか?さっきの見て、まだ優の思いがとか、抜かすんじゃね~よ?あ、俺、今晩はこの部屋いたくね~から、カゴごと廊下に出しといて」
言うだけ言って、紅は手乗りグリフィンになりカゴに入る。そして、アレク様を急かす様に『ギーギーッ』と鳴く。
アレク様は紅を廊下に出し、扉に鍵をかける。
廊下にいたライ様は『紅、ありがとう』と声をかけ、自分の部屋に連れて行く。
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