指輪に導かれて

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 通常の騎馬隊であれば、城門から中に入って行くのだろうが、グリフィン騎士団は宙を舞いながら直接城の上を目指す。ラトニア王の間へと。詳しい場所はファイ様から聞いている。大きい窓がある部屋・・・、あれだ。

 先にアレク様が、ギンに体当たりさせ、壁に穴を開ける。そして中に飛び込み、他のグリフィン騎士達も同じ様に中に入って行く。優は1番最後だ。

 優が部屋に入ると既に王は拘束されていて、何かブツブツ呟いているがよく聴き取れない。アレク様が宝剣を王にかざすが、王を取り巻く黒い悪意は浄化出来ない。なので、優も同じく浄化を試してみるが、やはり変わらない。

「2人で手を取り合って浄化したらどうだ？」

 いつの間にかライ様がいる。

 あれ？ライ様って今回、ラトニア城に攻めるメンバーに入ってなかったよね？とは思ったが、まずは、アレク様の手を取り、2人タイミングを合わせて浄化を試みる。すると、

『うぎゃ～！！』

 と獣の叫び声の様な野太い声が響き渡り、黒い悪意の塊は霧散していき、また、ラトニア王の体も粉々の灰になってしまった。

 拘束されていたファイ様を、人間もどきの紅が脱出させ、王の間に辿り着いた時。ちょうどラトニア王が灰になる瞬間だった。ファイ様は、グッと唇を噛みしその様子を見ていた。