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その後、女性のコンシェルジュ風の人がハンガーラックを転がしながら現れる。その中から選ばせてもらえるらしい、しかも下着やハンカチまで紙袋に詰められて入っている。
必要なものを貰うが、総額いくらよ?それなりの洋服だよね?カバンと靴も聞かれたが、それはお断りした。服だけで充分だよっ。
颯さんはボクサーパンツのみでお風呂から出てくる。目のやり場に困る。するとニヤリと笑いながら。
「オマエだっていきなり脱いだだろ?」
いやいや、私はちゃんと下に着てたし。
「ほら、寝るぞ。朝、早いんだろ」
確かに。
ベッドを指さされ、一緒に寝る。疲れていた為か、爆睡。
で、朝起こされる。
「オマエ、こっちで仕事しないのか?」
朝食を食べながら聞いてくる。
「う~ん、出て来たかったんだけど。予算がね。東京って家賃高いし、お金かかるし。仕事、見つけれる自信が無いし」
「ふ~ん、それクリアしたら出てきてもいいんだ」
じっと見つめられる。
その瞳で見つめられると落ち着かない、すっと目を逸らす。
「まあね、無理な話だけどねっ。じゃあ、お世話になりました」
ペコリと頭を下げて部屋を出る。
今度こそ、もう会う事は無いよね。エントランスを出て振り返る。だって、住む世界違うもんね。バイバイ、颯さん。
そして、日常の生活に戻って行くのだが。
週末の金曜日、派遣会社に呼び出される。
何かしたかな?
「相川さん、ごめんなさいね。急に呼び出して。相川さん、来月末で今回の契約満了でしょ?」
担当が淡々と話し始める。
「そうですが。え、もしかして、継続なしなんですか?」
「実は、他から相川さんにって話があるんだけど」
「は?指名ですか?」
「そう、あんまり無いんだけどね。うちの東京支社の案件で、某音楽会社なんだけど」
「えっ、東京ですか?それはちょっと」
「それが、条件いいのよ?会社が家賃持ってくれるし、会社も近いから交通費かからないって。それに、今より時給も上がるわよ。相川さん、よく東京行くでしょ?ああ、仕事は受付だって。福利厚生は今と同じよ。どうかしら?」
まくし立てるように話される。いいかもだけど・・・。
「ちょっと考えてもいいですか?」
「そうね、早めの返事がいいんだけど。来週の火曜日までに連絡してね」
「わかりました。ありがとうございます」
何だろう、この話し。颯さんが絡んでるのかな?いや、でも違うよね~、いやいや、でもこんな話し普通ないよね?ないと言えば先週のライブ全部だし。やっぱり颯さんかなぁ。
むむ~ん。
するとスマホに着信がある。
うわっ、颯さんだ。かけるつもりは無かったけど、登録はしてしまったのだ。どうする?出る?出ない?悩んでいる間に留守電に切り替わる。すると、またかかってくる。
「もしもし?」
「美奈子、俺。仕事の話し、聞いたか?」
「うん、今聞いた」
「来いよ、待ってる」
返事をする間もなく切れる。
え、どゆこと?でも、へへっと顔は笑ってしまう。
すぐに派遣の担当に連絡し、東京行きを承諾する。
その後は忙しかった。来月末と言う話しだったのに、今月末までに変更になり、約2週間後にお引越し。家具類は不要だと言うで、向こうにあるものリストを元にかなりの物を処分する。バタバタだ。
そして、引越し当日。元東京支店の派遣担当者で今はこの会社で働いているという、松田さんに部屋まで案内される。
「はい、この部屋ね。荷物は中にあるから。コレ、セキュリティの鍵と部屋の鍵が一体になってるから無くさないでね。後は、まあ中で。じゃあね」
え、中でと言っときながら、消えるんですか。何で?と思いながら鍵を解除して部屋に入る。すると。
「美奈子、待ってた」
と大好きな瞳で見つめながら抱きしめてくるのだ。
「え!?颯さんの部屋?」
「美奈子、逃がさないぞ?」
にやりと瞳を細めるのだった。
必要なものを貰うが、総額いくらよ?それなりの洋服だよね?カバンと靴も聞かれたが、それはお断りした。服だけで充分だよっ。
颯さんはボクサーパンツのみでお風呂から出てくる。目のやり場に困る。するとニヤリと笑いながら。
「オマエだっていきなり脱いだだろ?」
いやいや、私はちゃんと下に着てたし。
「ほら、寝るぞ。朝、早いんだろ」
確かに。
ベッドを指さされ、一緒に寝る。疲れていた為か、爆睡。
で、朝起こされる。
「オマエ、こっちで仕事しないのか?」
朝食を食べながら聞いてくる。
「う~ん、出て来たかったんだけど。予算がね。東京って家賃高いし、お金かかるし。仕事、見つけれる自信が無いし」
「ふ~ん、それクリアしたら出てきてもいいんだ」
じっと見つめられる。
その瞳で見つめられると落ち着かない、すっと目を逸らす。
「まあね、無理な話だけどねっ。じゃあ、お世話になりました」
ペコリと頭を下げて部屋を出る。
今度こそ、もう会う事は無いよね。エントランスを出て振り返る。だって、住む世界違うもんね。バイバイ、颯さん。
そして、日常の生活に戻って行くのだが。
週末の金曜日、派遣会社に呼び出される。
何かしたかな?
「相川さん、ごめんなさいね。急に呼び出して。相川さん、来月末で今回の契約満了でしょ?」
担当が淡々と話し始める。
「そうですが。え、もしかして、継続なしなんですか?」
「実は、他から相川さんにって話があるんだけど」
「は?指名ですか?」
「そう、あんまり無いんだけどね。うちの東京支社の案件で、某音楽会社なんだけど」
「えっ、東京ですか?それはちょっと」
「それが、条件いいのよ?会社が家賃持ってくれるし、会社も近いから交通費かからないって。それに、今より時給も上がるわよ。相川さん、よく東京行くでしょ?ああ、仕事は受付だって。福利厚生は今と同じよ。どうかしら?」
まくし立てるように話される。いいかもだけど・・・。
「ちょっと考えてもいいですか?」
「そうね、早めの返事がいいんだけど。来週の火曜日までに連絡してね」
「わかりました。ありがとうございます」
何だろう、この話し。颯さんが絡んでるのかな?いや、でも違うよね~、いやいや、でもこんな話し普通ないよね?ないと言えば先週のライブ全部だし。やっぱり颯さんかなぁ。
むむ~ん。
するとスマホに着信がある。
うわっ、颯さんだ。かけるつもりは無かったけど、登録はしてしまったのだ。どうする?出る?出ない?悩んでいる間に留守電に切り替わる。すると、またかかってくる。
「もしもし?」
「美奈子、俺。仕事の話し、聞いたか?」
「うん、今聞いた」
「来いよ、待ってる」
返事をする間もなく切れる。
え、どゆこと?でも、へへっと顔は笑ってしまう。
すぐに派遣の担当に連絡し、東京行きを承諾する。
その後は忙しかった。来月末と言う話しだったのに、今月末までに変更になり、約2週間後にお引越し。家具類は不要だと言うで、向こうにあるものリストを元にかなりの物を処分する。バタバタだ。
そして、引越し当日。元東京支店の派遣担当者で今はこの会社で働いているという、松田さんに部屋まで案内される。
「はい、この部屋ね。荷物は中にあるから。コレ、セキュリティの鍵と部屋の鍵が一体になってるから無くさないでね。後は、まあ中で。じゃあね」
え、中でと言っときながら、消えるんですか。何で?と思いながら鍵を解除して部屋に入る。すると。
「美奈子、待ってた」
と大好きな瞳で見つめながら抱きしめてくるのだ。
「え!?颯さんの部屋?」
「美奈子、逃がさないぞ?」
にやりと瞳を細めるのだった。
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