貴方の瞳

ゆきりん(安室 雪)

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5〜颯&リョウ〜

 俺は滅多に事務所の奴等のライブには行かない。ただ、話の流れで行くことになってしまう事もある。

「いいな、次は名古屋か。久しぶりにひつまぶし食いたいな」

 料理人をしている俺、はやては作るのも食うのも好きだ。

「じゃあ、ひつまぶし食べてライブ見て行ってよ。桜は彩音ちゃんと、お忍びランチするって行ってるし」

 桜とデートしたかったのに、とリョウはぶつぶつ言っている。

「ああ、久しぶりに見てみるかライブ。スノファクメンバーには色々、縁があるしな。ただし、俺にノリは期待するなよ」

「ぷっ、縦ノリ想像出来ないし。せめて椅子に座ってなければいいですよ、颯さんは」

 そんな話しで、俺は久しぶりに名古屋に行く事になった。



 当日、朝からリハをこなしたリョウは昼の休憩に俺と2人でひつまぶしの有名店に行く。前もって予約してあったので、行列店だがすぐに入れる。炭火で焼いてある鰻は皮がパリパリして美味い。最後に出汁をかけ食べる。

「やっぱりココのは上手いな」

「うんうん、ライブ頑張れる」

 リョウも完食し、すぐに店を出てライブ会場に戻る。俺は少し街を見て行くか。名古屋も最近は新しい店が増えているしな。繁華街のお洒落なビルに入っている飲食店を見て回る。ふ~ん、東京にある店がやっと入った感じか。ネットで調べたチョコレート専門店でお茶をし、チョコレートをを買って帰る。個人店なのに美味かったな。

 そしてライブ会場に向かう。

 相変わらず人気があるな、以前は女が多かったが男のファンも増えたな。彩音効果か。アヤトは気が気じゃないだろうがな。ギリギリで入った俺は席に着く。ブロックの端だが隣は女か。キャイキャイうるさく無ければいいが。

 ライブは問題なく進み各メンバーもたまにMCを挟む。その際、リョウが『昼にひつまぶしを食べた』と話すと、横の女は『いいな、美味しそうっ』と、今にもヨダレを垂らしそうな顔をした。コイツ、食い意地張ってそうだな。

 ライブもほぼ終わりだな、と思ったらいきなり横の女が人の手を掴んだかと思ったら、ぴょんぴょん飛び跳ねやがる。何だコイツ?と思ったら周りもそんな状態だ。ああ、まあ勝手にやってくれ。ライブだから多少はハメ外すよな。そしたらコイツ、いきなりコケやがった。反射的に腕を伸ばし支えてやる、と言うか抱きとめる。案外、抱き心地いいな、コイツ。

「あっ、すいませんっ。ありがとうございますっ」

 体勢を立て直して、立たせてやると、ペコリと頭を下げる。

「ああ」

 と、返して俺は席を離れる。

 今からリョウ達と合流して、打ち上げに参加だ。顔を出してさっさとホテルに帰るか。

 さっさと抜けようと思っていたが、リョウに絡まれる。

「颯さんっ!颯さんが女の子と手繋いでるって、ど~ゆ~事?楽しそうだったし、抱き合ってたじゃないっすか!?」

「偶然だ」

「偶然で抱き合っちゃうんですかぁ?」

 コイツ、酒癖悪い。

 面倒くさくなり途中で帰る。

 でも、確かにアイツは抱き心地良かったな。太すぎず、細すぎず、腕にちょうどいい。ま、次に会う事は無いがな。



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