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第三章[突然のサヨナラ]創介Side
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「創介。おにぎり…。ぜんぶ食べられなくてもいいから、少しでも口にして。」
夕食を勧めてくれた姉さんに、食べられそうにないと答えると、小さめに握られたおむすび二つと、あたたかいお味噌汁を用意してくれた。
「姉さん……。ありがと…。ごめんね……。」
「謝る必要なんてないのよ。」
頭を撫でられて泣きそうになる。
(俺って…なんてこんなにも弱いんだろう……。)
そう言えば、お昼も食べ損ねていて、今の今まで飲まず食わずだった。
おにぎりに手を伸ばし、口元に運んでからポツリと呟く。そんな俺に、当たり前のように微笑んでくれる姉さん。
ようやくの思いで、ご飯も、優しさも、よくわからない感情も…全てを飲み込んだ。
(モモも…お腹空かせてるはずだよな……。)
不覚にも、またもや泣き出しそうになってしまった。
(弱いだけじゃなくて…脆すぎる……。)
なんとか、涙だけは零すまいと堪えた。
辺りがすっかり暗くなってしまうまで、両親と義兄さんが捜索してくれたけど、結局モモは見つからなかった。
俺の動揺を察してか、しばらく実家にいたらどうだと皆が提案してくれたけど、夕食同様に断ってしまった。
もしかしたら、家にモモが帰っているかもしれない。
ほんの少しの可能性だけが希望の光になっていて。その微かな期待だけが、かろうじて今の俺の心を繋ぎ止めている。
(こんなにしてもらったのに…一刻も速く帰りたいだなんて……本当に自分勝手だな。)
実家やカフェレストランに現れてくれる可能性も捨てきれない。それぞれの場所を、引き続き注意深く見守ってほしいと皆に頼み、アパートに戻ることにした。
「創介君。せめて送らせてくれ。」
心配してくれる母さんと姉さんに、どうしても帰るという強い意志を見せると、和人さんが声をかけてくれた。
「行き帰りの道中も捜索できるから。せめて、それくらい、僕にも担わせてくれ。」
一人で帰れると強がったけれど、そんなふうに言ってもらえたら、それ以上断れない。
(この人は本当に。取りまとめて調和するのが上手な人だな……。)
母さんと姉さんも、和人さんが付いて行ってくれるならと、納得して考えを譲ってくれた。
「でも…いい?創介。無理はしすぎちゃダメよ?いつでも、何時でも大丈夫だから…。何かあったら、誰にでもいいからすぐに連絡するのよ?」
母さんが俺の手を両手で包み込むように取り、優しい約束事をさせる。
「約束よ?」と、心配の色が強い微笑みで念を押した。
そんな母さんの肩に優しく手を置いて、父さんが
「つぐみさん。創介はちゃんとわかっているよ。」と優しく制する。
それ以上、言葉を重ねることもなく、俺の目を真っ直ぐ見つめ、信頼の色が強い微笑みを向けてくれた。
「それじゃ、和人君。頼んだよ。」とアイコンタクトを交わし、送り出してくれた。
夕食を勧めてくれた姉さんに、食べられそうにないと答えると、小さめに握られたおむすび二つと、あたたかいお味噌汁を用意してくれた。
「姉さん……。ありがと…。ごめんね……。」
「謝る必要なんてないのよ。」
頭を撫でられて泣きそうになる。
(俺って…なんてこんなにも弱いんだろう……。)
そう言えば、お昼も食べ損ねていて、今の今まで飲まず食わずだった。
おにぎりに手を伸ばし、口元に運んでからポツリと呟く。そんな俺に、当たり前のように微笑んでくれる姉さん。
ようやくの思いで、ご飯も、優しさも、よくわからない感情も…全てを飲み込んだ。
(モモも…お腹空かせてるはずだよな……。)
不覚にも、またもや泣き出しそうになってしまった。
(弱いだけじゃなくて…脆すぎる……。)
なんとか、涙だけは零すまいと堪えた。
辺りがすっかり暗くなってしまうまで、両親と義兄さんが捜索してくれたけど、結局モモは見つからなかった。
俺の動揺を察してか、しばらく実家にいたらどうだと皆が提案してくれたけど、夕食同様に断ってしまった。
もしかしたら、家にモモが帰っているかもしれない。
ほんの少しの可能性だけが希望の光になっていて。その微かな期待だけが、かろうじて今の俺の心を繋ぎ止めている。
(こんなにしてもらったのに…一刻も速く帰りたいだなんて……本当に自分勝手だな。)
実家やカフェレストランに現れてくれる可能性も捨てきれない。それぞれの場所を、引き続き注意深く見守ってほしいと皆に頼み、アパートに戻ることにした。
「創介君。せめて送らせてくれ。」
心配してくれる母さんと姉さんに、どうしても帰るという強い意志を見せると、和人さんが声をかけてくれた。
「行き帰りの道中も捜索できるから。せめて、それくらい、僕にも担わせてくれ。」
一人で帰れると強がったけれど、そんなふうに言ってもらえたら、それ以上断れない。
(この人は本当に。取りまとめて調和するのが上手な人だな……。)
母さんと姉さんも、和人さんが付いて行ってくれるならと、納得して考えを譲ってくれた。
「でも…いい?創介。無理はしすぎちゃダメよ?いつでも、何時でも大丈夫だから…。何かあったら、誰にでもいいからすぐに連絡するのよ?」
母さんが俺の手を両手で包み込むように取り、優しい約束事をさせる。
「約束よ?」と、心配の色が強い微笑みで念を押した。
そんな母さんの肩に優しく手を置いて、父さんが
「つぐみさん。創介はちゃんとわかっているよ。」と優しく制する。
それ以上、言葉を重ねることもなく、俺の目を真っ直ぐ見つめ、信頼の色が強い微笑みを向けてくれた。
「それじゃ、和人君。頼んだよ。」とアイコンタクトを交わし、送り出してくれた。
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