【milk*crown】甘えんぼう仔猫が伝えたかった言葉🐾恋する気持ちや想い愛情が引き起こす大きな魔法の小さな奇跡🍀童話のような恋物語

くろねこ

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第三章[突然のサヨナラ]創介Side

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街灯があるとは言え、かなり薄暗い帰り道。和人さんに付いてきてもらって良かったと、さっそく実感する。

道幅の左右に分かれ、両方を一変に見れるのは効率も良く確実だ。

それに、一人じゃないということは、やっぱり心強さを感じる。


昔から、なにかトラブルが起こったとしても、なんでも家族がカバーしてくれた。

年の功がある人達に囲まれて、甘えきっていたんだと自分で思う。

それが嫌で実家を出たはずなのに…。

(ガキの頃と何も変わってないじゃん。何のために俺は家を出たんだ……。)


「創介君。少しだけ公園に寄らせてもらってもいいかな?」

暗い気持ちに支配されかけた時、和人さんが声をかけてくれた。

「おじさん少し疲れちゃったから休憩させて~。」と、少しおどけながらベンチを指さす。

(この人は……。本当に気遣いの塊だ。たぶん俺がフラついてるから…休憩を挟もうとしてくれている。)



この公園は、実家とアパートとのちょうど中間地点。

なんてことない、どこにでもありそうな規模の小さなの公園。

唯一特徴的なのは、童話の世界に出てきそうな雰囲気のモニュメント型複合遊具があること。

ホールケーキを二段重ねたデコレーションケーキみたいな土台に、ヘンゼルとグレーテルが訪れた“お菓子の家”を彷彿とさせるデザイン。

カラフルなチョコレートのボルダリングホールド。
キャンディストライプ柄の滑り台。
大きなビスケットが座面になったブランコ。
ドーナツ型の出入り口の土管。

モモはこの遊具が気に入っているようで。
実家に帰省する際には、必ず立ち寄る場所になっていた。

(この場所で、昨日もモモと少し遊んだ……。モモ……どこに行っちゃったんだろう……。)


「あのさ……。創介は…偉いよな……。」

ベンチに二人並んで腰掛け、ぼんやりとした瞳が過去を映してしまっていると、和人さんがポツリ呟いた。

「え?」
言葉の真意が読めず、思わず隣に視線を向ける。

「いや~…。俺ね、若い頃は“人に頼る”って事ができなかったんだ。“助けて”って、手を伸ばすことができなかったんだよね……。」

俺の視線にヘラっとした笑いを浮かべる。そのすぐ後、掌を組み、少し前屈みになると、自然な運びで視線を前に向けた。

「そういう頼れる対象が居なかったってのもあるんだけど……伸ばしたその手を握ってもらえなかったら…とか、振りほどかれちゃったらどうしようとか考えちゃってさ……。」

語り出す和人さんの横顔は、いつもと変わらず穏やかだけど、少しだけ、いつもと違うようにも見える。
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