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姉妹の関係を終わらせるため……。
「入れ」
ドアをノックすると、中から返事があったので、リズはゆっくりとドアを開いた。
「失礼します」
ダンテは、リズが来ることを見越していたかのように、席を立っていた。
「……大変なことになったな」
「全くです……。お父様は、お姉様になんと申しましたか?」
「二人で話し合えと申した。……しかし、お前がここに来たということは、交渉は決裂したということだな」
ダンテは大声で笑ったが、リズは冷ややかな視線を向けるだけだった。
話が違う。ミゼスは、ただ笑っていたと言っていたのだ。
やはり嘘をついていたらしい。
「私は、お姉様と生活することが耐えられなくなりました」
「どうしてだ?」
「……いつもいつも、自分に何か不都合なことがあると、私のせいにして。あろうことか、とうとう婚約者まで奪ったのです。もう全てを見逃す必要も無いと思います」
リズはダンテを睨みつけながら、低い声で言った。
それでもダンテは、口角を上げ、リズをあざ笑うかのような態度を取っている。
「何がおかしいのですか?」
「おかしいことはない。ただ……。楽しみなだけだ」
「楽しみ?」
「姉と妹、どちらが勝つのか……」
「お父様。これは遊びではないのです。……私は本気で、お姉様に反撃しようと思っています」
「構わんよ。しかし、ミゼスは馬鹿でありながら、追い込まれるとそれなりに力を出す人間だ。油断すれば……。飲まれるのはお前の方だろう」
そんなことは、リズが一番わかっていた。
だからこそ、これまでの関係性に甘んじていたのだ。
「結果、どちらか片方を失うことになっても……。私は動じることは無い」
冷たい口調で、ダンテは言い放った。
「容認してくださるということで、よろしいですね?」
「もちろん。ただし、家を頼るのは無しだ。二人ともな」
「わかっています。これは私たちの問題ですので」
「それでいい」
ダンテはまたしても、大声で笑った。
それが不気味で、リズは部屋を出てしまった。
どうやら、すでにミゼスはギャレンを連れて、どこかに行ってしまったらしい。
その場に残っていれば、直接罵ってから、次の行動に移ろうと思っていたのに。
「北に向かいます」
執事にそう告げて、準備をさせた。
自らも部屋に戻り、荷作りをする。
「……お姉様。いいえ――ミゼス・ワグナー。私を怒らせたことを、後悔しなさい」
部屋で一人、そう呟いた後、握りしめた拳で、床を強く叩いた。
ドアをノックすると、中から返事があったので、リズはゆっくりとドアを開いた。
「失礼します」
ダンテは、リズが来ることを見越していたかのように、席を立っていた。
「……大変なことになったな」
「全くです……。お父様は、お姉様になんと申しましたか?」
「二人で話し合えと申した。……しかし、お前がここに来たということは、交渉は決裂したということだな」
ダンテは大声で笑ったが、リズは冷ややかな視線を向けるだけだった。
話が違う。ミゼスは、ただ笑っていたと言っていたのだ。
やはり嘘をついていたらしい。
「私は、お姉様と生活することが耐えられなくなりました」
「どうしてだ?」
「……いつもいつも、自分に何か不都合なことがあると、私のせいにして。あろうことか、とうとう婚約者まで奪ったのです。もう全てを見逃す必要も無いと思います」
リズはダンテを睨みつけながら、低い声で言った。
それでもダンテは、口角を上げ、リズをあざ笑うかのような態度を取っている。
「何がおかしいのですか?」
「おかしいことはない。ただ……。楽しみなだけだ」
「楽しみ?」
「姉と妹、どちらが勝つのか……」
「お父様。これは遊びではないのです。……私は本気で、お姉様に反撃しようと思っています」
「構わんよ。しかし、ミゼスは馬鹿でありながら、追い込まれるとそれなりに力を出す人間だ。油断すれば……。飲まれるのはお前の方だろう」
そんなことは、リズが一番わかっていた。
だからこそ、これまでの関係性に甘んじていたのだ。
「結果、どちらか片方を失うことになっても……。私は動じることは無い」
冷たい口調で、ダンテは言い放った。
「容認してくださるということで、よろしいですね?」
「もちろん。ただし、家を頼るのは無しだ。二人ともな」
「わかっています。これは私たちの問題ですので」
「それでいい」
ダンテはまたしても、大声で笑った。
それが不気味で、リズは部屋を出てしまった。
どうやら、すでにミゼスはギャレンを連れて、どこかに行ってしまったらしい。
その場に残っていれば、直接罵ってから、次の行動に移ろうと思っていたのに。
「北に向かいます」
執事にそう告げて、準備をさせた。
自らも部屋に戻り、荷作りをする。
「……お姉様。いいえ――ミゼス・ワグナー。私を怒らせたことを、後悔しなさい」
部屋で一人、そう呟いた後、握りしめた拳で、床を強く叩いた。
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