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王子と姫。
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王宮に辿りついたのですが、門番がいません。
いたるところで騎士たちが倒れています。
急がねば――。
「助けてください!」
声が聞こえた部屋に入ると、侍女が二人ほど捕らえられていました。
一人の魔法使いと思わしき、不気味な老婆がこちらを睨みつけます。
「おやおや。可愛いお嬢さんだ。一体こんなところで――」
時間がありません。
すぐに老婆を光の魔法で気絶させ、侍女の話を伺うことにしました。
「今、王宮はどのような状況なのですか?」
「え、えっと……。王子様と姫様が、地下牢に捕らえられています!」
「地下牢……。国王様や王妃様はどこへ?」
「ちょうど隣国に出向いているところなのです」
「……わかりました。ありがとうございます」
すぐに地下牢へと向かいます。
何か、剣を弾くような音が聞こえました。
「お兄様!」
ちょうど、王子と思わしき男性が、大勢の悪者たちに囲まれているところだったのです。
風の魔法で、その悪者たちを吹き飛ばしました。
「大丈夫ですか!」
「あぁ。すまない。ユリアを頼む」
体をぶるぶると振るわせて、涙を流している女性……。
彼女がきっと、姫なのでしょう。
金色の髪が背中の辺りまで伸びている美少女です。
兄である彼もまた同じ色の髪の美少年……。
思わず見とれそうになるほどの美貌でしたが、もちろんそんな余裕はありません。
「ユリア様。こちらへ……」
「うぅ……」
「ありがとう。これで彼らを倒すことができる」
王子様は、庇うものがなくなったおかげで、あっという間に敵をなぎ倒していきました。
侯爵家の部下も……。大したことが無いようです。
「……お兄様は、魔法を使えることを隠していたんです」
「え?」
「こうして、侯爵家が攻め込んできた時のために、あえて自分の力を誰にも言わず……一人鍛錬を積んできました」
「なるほど……」
「しかし、その影響で公爵家との戦闘の時には、多くの人々が死にました。お兄様は、今でもそれを悔いております」
「あの……。私のような、どこの人間かもわからないような者に、それだけ内情を説明してもよろしいのですか?」
「あなたはとても優しい目をしています。きっと問題ないでしょう」
ユリア様の笑顔は、とっても素敵でした。
そして……。
私が加勢するまでもなく、王子様は全ての敵を倒し終えて、こちらに向かってきました。
「ありがとう。僕はウィン・バルジットです。あなたは?」
「私は○○国から参った、元伯爵令嬢のリラ・カルメーと申します」
「……元?」
私はここに至るまでの事情を話しました。
「そんなことがあったんですか……」
ウィン様は、まるで自分のことのように、傷ついた表情を浮かべています。
彼が気に病むことなど何も無いのです。
「これから侯爵家に向かいます。その間、ユリアの様子を見ていただくことは可能ですか?」
「もちろんです。……あの令嬢は本当に酷いお方でした。是非、厳しい制裁を」
「はい。心得ています」
ウィン様は表情を引き締め、走っていきました。
いたるところで騎士たちが倒れています。
急がねば――。
「助けてください!」
声が聞こえた部屋に入ると、侍女が二人ほど捕らえられていました。
一人の魔法使いと思わしき、不気味な老婆がこちらを睨みつけます。
「おやおや。可愛いお嬢さんだ。一体こんなところで――」
時間がありません。
すぐに老婆を光の魔法で気絶させ、侍女の話を伺うことにしました。
「今、王宮はどのような状況なのですか?」
「え、えっと……。王子様と姫様が、地下牢に捕らえられています!」
「地下牢……。国王様や王妃様はどこへ?」
「ちょうど隣国に出向いているところなのです」
「……わかりました。ありがとうございます」
すぐに地下牢へと向かいます。
何か、剣を弾くような音が聞こえました。
「お兄様!」
ちょうど、王子と思わしき男性が、大勢の悪者たちに囲まれているところだったのです。
風の魔法で、その悪者たちを吹き飛ばしました。
「大丈夫ですか!」
「あぁ。すまない。ユリアを頼む」
体をぶるぶると振るわせて、涙を流している女性……。
彼女がきっと、姫なのでしょう。
金色の髪が背中の辺りまで伸びている美少女です。
兄である彼もまた同じ色の髪の美少年……。
思わず見とれそうになるほどの美貌でしたが、もちろんそんな余裕はありません。
「ユリア様。こちらへ……」
「うぅ……」
「ありがとう。これで彼らを倒すことができる」
王子様は、庇うものがなくなったおかげで、あっという間に敵をなぎ倒していきました。
侯爵家の部下も……。大したことが無いようです。
「……お兄様は、魔法を使えることを隠していたんです」
「え?」
「こうして、侯爵家が攻め込んできた時のために、あえて自分の力を誰にも言わず……一人鍛錬を積んできました」
「なるほど……」
「しかし、その影響で公爵家との戦闘の時には、多くの人々が死にました。お兄様は、今でもそれを悔いております」
「あの……。私のような、どこの人間かもわからないような者に、それだけ内情を説明してもよろしいのですか?」
「あなたはとても優しい目をしています。きっと問題ないでしょう」
ユリア様の笑顔は、とっても素敵でした。
そして……。
私が加勢するまでもなく、王子様は全ての敵を倒し終えて、こちらに向かってきました。
「ありがとう。僕はウィン・バルジットです。あなたは?」
「私は○○国から参った、元伯爵令嬢のリラ・カルメーと申します」
「……元?」
私はここに至るまでの事情を話しました。
「そんなことがあったんですか……」
ウィン様は、まるで自分のことのように、傷ついた表情を浮かべています。
彼が気に病むことなど何も無いのです。
「これから侯爵家に向かいます。その間、ユリアの様子を見ていただくことは可能ですか?」
「もちろんです。……あの令嬢は本当に酷いお方でした。是非、厳しい制裁を」
「はい。心得ています」
ウィン様は表情を引き締め、走っていきました。
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