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帽子を探して
青い炎
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隣人の取引
早朝。鶏の鳴き声で目が覚める、今日もいつもどうり一日の安全を祈り1日が始まる。
彼女の1日は依頼があれば霊を祓いに行き住まいの用事を済ませる。
時に変わった者の頼みを聞くこともある。
それ以外は本を読み勉強をすることだ。
ヴーー
朝食を済ませるとタイミングよくチャイムが鳴った
「はい」
ドアを開けるとそこには誰もいなかった。柊は辺りを見渡す。
「おーいこっちだ、こっち」
声のする方に目を向けると小さな小人のような者が居た、
「すみません、なんでしょうか」
彼らは杜の精霊達だ。
世の中には「人」のように複雑な感情を持つ生き物、犬猫のような動物たち、それらの死後の姿「死霊」や「生物」より先に生まれ今もひっそりと暮らす「精霊」などが居る。
彼らは我々に危害を加えることは滅多にないが、悪戯に人々を杜へ迷い込ませる輩もいる。
彼らの頼みは結びであることが多い。
ひとつ結びを交わせばその結びを守らなければならない。破った時にはそのものに結びと同等の代償を払わなければならない。
最悪「死」が与えられる 彼らとの取引には注意が必要だったのだ。
「俺の帽子をみつけてくれねえか?大切にしていた帽子なんだ」
小さな精霊はそう言う。
「え、」
柊は迷った、彼らは人と違う"話し方"をする。
「あなたの帽子はどんなもの?」
「俺の帽子はおっきくてな、杜の生きもん達の住処なんだぜ」
(大きく、生き物たちの住処となる)
(住処......住処....んー)
「なあ、探してくれよ」
(特に最近は暇なのでやることも無いし引き受けてもいいが、捜し物となると大変になりそうだ。この広いサンランドで帽子を探すなんて、)
「見つけてくれたらよぉ、なんでもしてやるから頼むぜぇ」
柊は少し考えたあと答える。
「わかった、あなたの探す帽子を見つけてあげる」
「いいんだな?取引成立だ」
小人のような精霊はにやりと不敵な笑みを浮かべると、青炎を上げ先程とは違う姿に形を変える。
青い炎を帯びた馬のような姿になった。
「俺の名はファイフォスだ」
彼は柊に小さな石を差し出し、それを柊は受け取る。小さな石からボワッと青い炎が立つ。
「この灯が消えるまでだぁ、消えるまでに見つけられなければ代わりにお前の瞳の灯をいただく」
ただの依頼と思っていたが、まさか結びだったとは考えもしなかった。
その結びの代償の大きさに息を飲む。だがここで断ることはできないだろう。
「....わかった」
ファイフォスはその答えを聞いたと共に砂が舞うように消えていった。
小さな灯火を放つ小石の炎をよく見ると綺麗に脈打つように揺れている。
「探そう、」
見つけたら何でもするとファイフォスは言った。柊は今回の仕事の準備を始める。
早朝。鶏の鳴き声で目が覚める、今日もいつもどうり一日の安全を祈り1日が始まる。
彼女の1日は依頼があれば霊を祓いに行き住まいの用事を済ませる。
時に変わった者の頼みを聞くこともある。
それ以外は本を読み勉強をすることだ。
ヴーー
朝食を済ませるとタイミングよくチャイムが鳴った
「はい」
ドアを開けるとそこには誰もいなかった。柊は辺りを見渡す。
「おーいこっちだ、こっち」
声のする方に目を向けると小さな小人のような者が居た、
「すみません、なんでしょうか」
彼らは杜の精霊達だ。
世の中には「人」のように複雑な感情を持つ生き物、犬猫のような動物たち、それらの死後の姿「死霊」や「生物」より先に生まれ今もひっそりと暮らす「精霊」などが居る。
彼らは我々に危害を加えることは滅多にないが、悪戯に人々を杜へ迷い込ませる輩もいる。
彼らの頼みは結びであることが多い。
ひとつ結びを交わせばその結びを守らなければならない。破った時にはそのものに結びと同等の代償を払わなければならない。
最悪「死」が与えられる 彼らとの取引には注意が必要だったのだ。
「俺の帽子をみつけてくれねえか?大切にしていた帽子なんだ」
小さな精霊はそう言う。
「え、」
柊は迷った、彼らは人と違う"話し方"をする。
「あなたの帽子はどんなもの?」
「俺の帽子はおっきくてな、杜の生きもん達の住処なんだぜ」
(大きく、生き物たちの住処となる)
(住処......住処....んー)
「なあ、探してくれよ」
(特に最近は暇なのでやることも無いし引き受けてもいいが、捜し物となると大変になりそうだ。この広いサンランドで帽子を探すなんて、)
「見つけてくれたらよぉ、なんでもしてやるから頼むぜぇ」
柊は少し考えたあと答える。
「わかった、あなたの探す帽子を見つけてあげる」
「いいんだな?取引成立だ」
小人のような精霊はにやりと不敵な笑みを浮かべると、青炎を上げ先程とは違う姿に形を変える。
青い炎を帯びた馬のような姿になった。
「俺の名はファイフォスだ」
彼は柊に小さな石を差し出し、それを柊は受け取る。小さな石からボワッと青い炎が立つ。
「この灯が消えるまでだぁ、消えるまでに見つけられなければ代わりにお前の瞳の灯をいただく」
ただの依頼と思っていたが、まさか結びだったとは考えもしなかった。
その結びの代償の大きさに息を飲む。だがここで断ることはできないだろう。
「....わかった」
ファイフォスはその答えを聞いたと共に砂が舞うように消えていった。
小さな灯火を放つ小石の炎をよく見ると綺麗に脈打つように揺れている。
「探そう、」
見つけたら何でもするとファイフォスは言った。柊は今回の仕事の準備を始める。
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