上 下
6 / 11
風紀委員の追憶

06

しおりを挟む





それには、流石の鬼の風紀副委員長様も親衛隊にひどく同情されたらしく、一応の事情聴取だけで解放した親衛隊隊員に対し退学処分にするべきだと、転校生と連れ立って風紀委員室に押しかけた生徒会役員達を鼻で笑って一蹴したらしい。

そして、『鬼の風紀副委員長』などという物騒な代名詞がつけられることとなった所以ゆえんである空恐ろしい黒い笑みを浮かべながら、
『親衛隊が前科持ちなら兎も角、呼び出し自体今回が初めてだと言うのに、された事がないくせに話も聞かず一方的に暴力を振るっていたのはどちらだろうな?この学園の生徒は誰もがいずれ会社のトップに立つ者達だ。いくら大企業であろうと、多くの子会社で成り立っているのだから、別に一人ぐらい一つぐらいと切り捨てるとどんどん悪評は広まる。そうなればどんな大企業であれど足元から瓦解すればどうなってしまうか…なあ?』
という副委員長様の大変冷たいお声で事は収まったという。




しおりを挟む

処理中です...