30 / 72
1年目春
30 僕と委員会
しおりを挟む最近小春ちゃんとゆっくり話ができなくてストレスが溜まっている。
休み時間になる度に、運動部の勧誘が来る。
そしてそれに便乗して今まで声をかけてこなかった女の子達も集まってくるようになった。
何度断ってもやってくる彼らに爆発しそうだった。
「猫宮大変だな!」
「イケメンはね、そういう運命だから!」
その中でもこの2人は何も誘ってこないからまだマシな方だった。
せっかく小春ちゃんとお昼を過ごそうとしても、食事中にも関わらず声をかけてくる奴がいるから小春ちゃんに申し訳なくて誰にも見つからないように屋上で過ごす。
屋上に入れるのを教えてくれたのは中川だった。
いつも人に囲まれてるのは、元猫の僕からしたらストレスしかなくて
1人になれる時間が欲しかったからありがたかった。
今日の昼も屋上で過ごしていると、中川と野村がやってきた。
「イケメン発見。」
「僕の1人の時間を邪魔しないでくれる?」
「ここ教えたのウチじゃん!」
2人は笑いながら僕の近くにあぐらをかいて座る。
「いい情報教えてあげよっか?」
ニヤニヤしながら中川が僕に聞く。
なんかむかつく言い方だけど、教えてもらう事にした。
「こはるんが図書委員に立候補するんだって。」
「図書委員……。」
よし、僕も立候補しよう。
「猫宮も立候補しようって思ったっしょ?」
「うん、問題ある?」
「あるんだなそれがあ!」
いちいちリアクションが鬱陶しいな……。颯太と話しているみたいだ。
「委員会は男女1名ずつ選ぶんだけど、猫宮が手をあげたらクラスの他の女子もそれを見て手をあげる。」
「そうするとどうなると思う?」
野村までにやっとして、どうするどうする?って煽ってくる。
「その多くの中から1人を選ぶから、小春ちゃんじゃない人と図書委員をするかもしれない。」
「ピンポーン正解!」
小春ちゃんとじゃなきゃ、図書委員に立候補する意味がない。
かといって僕が手をあげなきゃ、小春ちゃんは他の男子と図書委員をする事になる。それはもっと嫌だ。
一番いいのは小春ちゃんが手をあげないで、他の人たちが図書委員になる事だけど
小春ちゃんのやりたい事は制限したくない。
「小春ちゃんが選ばれれば、問題ない……?」
「でもそれむずくね?」
「選ぶのってくじ引きとか?」
「なんでもいいんだけど、多分手軽なのはじゃんけんじゃね?」
じゃんけんだと確率が低すぎる。
望みが薄すぎてため息が出てしまう。小春ちゃん運良かったかな。
僕は大きなため息をついて、どうしたものかと思考を巡らした。
「2人は何か立候補するの?」
もしかしたら小春ちゃんは優しいから、他の人が立候補したらきっと譲るかもしれない。
「あー、ウチらを生贄にしようとしてない?面倒だからやりたくねーよ!」
「ウチはもう副委員長やるって決めてるから。」
野村の意外な宣言に少しびっくりする。
「野村そんな大役できるの?」
「まあ、木村がほとんどやってくれるから、ウチはお飾りってやつ!」
「超楽じゃんいいなー!」
お飾りだとしても何かしら仕事はしなきゃいけないと思うけど。
他に図書委員に立候補してくれそうな女の子を探すか…。
…野村が副委員長になったとしたら。
「野村ってじゃんけん弱いの?」
「え、なにいきなり、強いとか弱いとかなくね?。」
確実に小春ちゃんを勝たせるのは難しいけど、確率を上げる事は出来るかもしれない。
最後は小春ちゃんの運だけど。
「小春ちゃんとのじゃんけんに負けてほしいんだ。」
「それこそむずくね?」
そこで僕は考えた作戦を野村に伝えて、中川相手にやってみてもらう。
「すげえ!野村超弱いじゃん!」
「いやむずいってこれ!」
「僕は信じてるよ野村。」
教えた事を野村がそれを完璧に実行できるなんて思ってもなかった。
予想以上に野村の動体視力はいいらしい。
「ウチの責任重大じゃね!?」
「頑張れ野村!猫宮の青春はお前が握ってる!」
最後は小春ちゃんの運任せ。
「猫宮ひとつ貸しだからね!」
「いつも僕の事映えに使ってるくせに。」
その時が来るまで僕はそわそわとした気持ちで過ごした。
10
あなたにおすすめの小説
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
SSS級の絶世の超絶美少女達がやたらと俺にだけ見え見えな好意を寄せてくる件について。〜絶対に俺を攻略したいSSS級の美少女たちの攻防戦〜
沢田美
恋愛
「ごめんね、八杉くん」
中学三年の夏祭り。一途な初恋は、花火と共に儚く散った。
それ以来、八杉裕一(やすぎ・ゆういち)は誓った。「高校では恋愛なんて面倒なものとは無縁の、平穏なオタク生活を送る」と。
だが、入学した紫水高校には《楽園の世代》と呼ばれる四人のSSS級美少女――通称《四皇》が君臨していた。
• 距離感バグり気味の金髪幼馴染・神行胱。
• 圧倒的カリスマで「恋の沼」に突き落とす銀髪美少女・銀咲明日香。
• 無自覚に男たちの初恋を奪う、おっとりした「女神」・足立模。
• オタクにも優しい一万年に一人の最高ギャル・川瀬優里。
恋愛から距離を置きたい裕一の願いも虚しく、彼女たちはなぜか彼にだけ、見え見えな好意を寄せ始める。
教室での「あーん」に、放課後のアニメイトでの遭遇、さらには女神からの「一緒にホラー漫画を買いに行かない?」というお誘いまで。
「俺の身にもなれ! 荷が重すぎるんだよ!」
鋼の意志でスルーしようとする裕一だが、彼女たちの純粋で猛烈なアプローチは止まらない。
恋愛拒否気味な少年と、彼を絶対に攻略したい最強美少女たちの、ちょっと面倒で、でも最高に心地よい「激推し」ラブコメ、開幕!
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
降る雪は沈む蒼の心を優しく包む〜冴えない根暗な陰キャぼっちの成り上がりリア充化プロジェクト〜
朔月カイト
恋愛
三年前に起きたある事件により心に大きな傷を負って、家族と近しい者以外には心を閉ざしてしまい、周りから遠ざけられるようになってしまった緋本蒼介。
高校二年生になってもそれは変わらず、ひっそりと陰に潜む様にして生活していた蒼介だが、ネット上で知り合ったある人物とオフ会をする事になり、その出会いが、彼の暗い高校生活を一変させる転機となる。
果たして彼は、見事に成り上がって立派なリア充になる事が出来るのか──。
冴えない根暗な陰キャぼっちのサクセスストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる