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【百二十話】午前零時の鐘の音。
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第三王子様視点は先話だけになり、
この話から、ミシェール視点に戻ります。
×××××××××××××××
治癒魔法が行われた部屋は、そのまま第三王子様の回復室のような形で使える事になった。
ツインだし。
丁度良いわよね?
彼が目を覚ますまで、私もずっとここに泊まろうと思う。
第三王子様ーーというか弟のキースは、大人しい子供だったので、大きな怪我をしたりすることはなかったが、良く熱を出すことが合った。
なので私は、その度に彼の広い部屋に泊まり込んで、看病という名の、お節介? というか寧ろお邪魔? というような事を繰り返していた。
額に冷たいハンカチを乗せてみたり。
彼の額に自分の額を付けて、熱を計ってみたり。
もちろんメインは専属のメイドがするのだが。
その最後の仕上げだけ、私がやったという感じだ。
ヤバイわー。
今、考えると、メイドの手柄を横から掻っさらってない?
ちょっとイヤな奴じゃない?
そんな他意はなかったんだけどさ。
結果的にね?
でも、今はもう子供じゃないしね?
私の看病でも行けるかしら?
キースの額にそっと手を当てる。
熱いわね?
熱、有るわよね?
メイドを呼んで、冷たい水を持って来て貰う。
桶に入った水でしょ?
清潔なハンカチ。
水差しに、常温の水。
後は何が必要なのかしら?
首を捻って考えたが、特に思い浮かばない。
まあ、他は必要になった時に、持って来て貰えば良いか。
冷水にハンカチを入れて冷やすと、キースの額を拭う。
そのまま、額に乗せたままにする。
どれくらい眠っているものなのかしら?
私と同じ二週間だったら、大分長いわよね?
私は気になって、そっとルーファスを見た。
フィル様を始め、セイやブレット、アーロン達令息方は、治癒魔法の成功を確認してから、それぞれ部屋を引き取っている。
今、この部屋に残っているのは、私とルーファスだけになる。
「どれくらい眠っているものなの? ルーファス」
「体力や怪我の具合にもよるけど……。三、四日じゃないかな」
ふーん。
それくらい眠っているものなのね?
私よりは大分短い。
私は頭部だったから、やたらめったに長かったのかも知れない。
もしくは普通に死にかけていたか……。
まあ、両方かも知れない。
それよりもーー
私はルーファスの手を両手でギュッと握った。
「キースを助けてくれてありがとう! ルーファスの治癒魔法は本当に素敵ね。格好良かったわー」
今度は明るくお礼を言った。
だって二人っきりですもの。
砕けた感じでも良いわよね?
(キースはいるけど、彼は弟で、今は深く眠っている)
いやー。
ホントにお見事というほかない。
小さな魔法陣が、何個も展開していたから、同時に細かな魔法が掛けられていた事になる。
透視魔法はもちろん。
リフレッシュという細菌を殺す魔法。
止血する為の魔法障壁。
損失部の臓器を治す修復魔法。神経を瞬間的に遮断する、麻酔魔法。
これだけ上げても、とんでもない数を同時進行させる、マルチタスクが必要な事になる。
凄いなー。
マジ神。
力の根源はウンディーネという精霊だったとしても。
癒やし手というのは、努力と技術を必要としている。
マジで医者的な知識総動員だ。
しかも全科網羅よね。
私は崇め立てるように、ルーファスをしげしげと見つめる。
すると、彼は照れからか、少し瞳を逸らした後、こちらを見つめ返した。
この部屋はダンスパーティーの会場から、わりと近いから、先程まで微かに宮廷音楽が聞こえていたのよ?
こっちの世界は録音機能ってないから、全て宮廷楽士達による、生演奏。
でも今は、音楽の音がパタリと止んでいる。
何時なのだろう?
暫しの静寂の後ーー
リーンゴーン。
リーンゴーン。
午前零時の鐘の音ーー
静寂を打ち破るように、時計塔の鐘の音が響く。
ダンスパーティーの終了の音。
この音が鳴り響くと、シンデレラに掛かった魔法が解けてしまうから、彼女は王子様に別れを告げて、走り去るのよね。
硝子の靴だけを残してーー
童話の中は、とてもロマンチックな最後なのだけど。
現実ってとってもシビアよね?
本物のシンデレラは、第三王子様を刺し、地下牢に幽閉中。
義理の姉Bは、ビリビリのスカートに裸足という出で立ちで、ダンスパーティー会場を走り回る。
笑っちゃうわ。
どっちにしろ、異常よ。
明日が来たら、私の評判は地の底ね?
身内が第三王子様を刺したのだから、父の爵位も剥奪かも?
二番目の娘が、ダンスパーティー会場内をビリビリのドレスで走り回り、三番目の娘が王子を刺すなんて。
そんな経験をした公爵は、後にも先にも父だけよ。
百年先まで語り継がれる珍事ね。
社交会の華やかすぎるネタ。
アッシュベリー王国に起こった、恐るべきスキャンダル。
私は、そこまで想像してフフフと笑ってしまった。
これは三、四年。
フィラル国で大人しくしていた方が身の為ね。
お父様やお母様、オリヴィアお姉様は大変そうだけど。
でもーー
いざとなったら、お祖父様が助けてくれるわ。
お祖父様は母方の親族だから、上手く言い逃れるに違いない。
そして王家も決して深追いはしないわ。
何と言っても。
力のある大商人であり貴族。
経済力は国の礎。
第三王子様は無事である以上、深追いはしないだろう。
あって二、三ヶ月の謹慎ね。
「ミシェール」
ルーファスに呼ばれて我に返る。
「どうして笑っているの?」
「ごめんなさい。社交会に華やかすぎる醜聞が流れそうで、笑ってしまったのよ?」
「……華やか過ぎるって」
ルーファスは呆れたように言う。
ホントよね。
華やかっていうか、前代未聞のネタ投函! みたいな。
「あなたも大変ね」
「………」
「こんな醜聞令嬢を妻になんて」
ルーファスも少し笑う。
「全然、ちっとも、面白いくらいです」
開き直ったように笑った。
こちらも大抵ふてぶてしい王子様だ。
「そういえば、私が探しに行った時、どうして噴水の前で黄昏れていたのよ?」
「それ聞きますか?」
「聞くわよ? 私は怖い物なしの公爵令嬢よ?」
「………普通過ぎる男の心情ですよ?」
「普通過ぎる男の心情って、何? 私は女だから分からないわ?」
ルーファスは観念したかのように小さな溜息を吐いた。
「第三王子には感謝しないと」
「キースに感謝? 私とキースが、あなたに感謝でしょ?」
第二王子様であるルーファスは、繋いだ私の手を取り、口元に持って行く。
「あなたと僕の仲を、二度も取り持ってくれた」
「…………」
「恩人ですよね? ある意味」
そう言って、手元に口づけをすると、私の足元を見る。
足元は未だ裸足だ。
この状態で走り抜いたから、少し傷が出来ている。
まあ、掠り傷よ。
午前零時の鐘が鳴って。
私は裸足のままーー
城の時計塔の音って、荘厳よね?
頭の中にも、耳の奥にも、鳴り響いてるわ。
×××××××××××××××
今まで、読み続けて頂きありがとうございます!
残り数話になりました!
最後までお付き合い頂けたら
嬉しいです。
この話から、ミシェール視点に戻ります。
×××××××××××××××
治癒魔法が行われた部屋は、そのまま第三王子様の回復室のような形で使える事になった。
ツインだし。
丁度良いわよね?
彼が目を覚ますまで、私もずっとここに泊まろうと思う。
第三王子様ーーというか弟のキースは、大人しい子供だったので、大きな怪我をしたりすることはなかったが、良く熱を出すことが合った。
なので私は、その度に彼の広い部屋に泊まり込んで、看病という名の、お節介? というか寧ろお邪魔? というような事を繰り返していた。
額に冷たいハンカチを乗せてみたり。
彼の額に自分の額を付けて、熱を計ってみたり。
もちろんメインは専属のメイドがするのだが。
その最後の仕上げだけ、私がやったという感じだ。
ヤバイわー。
今、考えると、メイドの手柄を横から掻っさらってない?
ちょっとイヤな奴じゃない?
そんな他意はなかったんだけどさ。
結果的にね?
でも、今はもう子供じゃないしね?
私の看病でも行けるかしら?
キースの額にそっと手を当てる。
熱いわね?
熱、有るわよね?
メイドを呼んで、冷たい水を持って来て貰う。
桶に入った水でしょ?
清潔なハンカチ。
水差しに、常温の水。
後は何が必要なのかしら?
首を捻って考えたが、特に思い浮かばない。
まあ、他は必要になった時に、持って来て貰えば良いか。
冷水にハンカチを入れて冷やすと、キースの額を拭う。
そのまま、額に乗せたままにする。
どれくらい眠っているものなのかしら?
私と同じ二週間だったら、大分長いわよね?
私は気になって、そっとルーファスを見た。
フィル様を始め、セイやブレット、アーロン達令息方は、治癒魔法の成功を確認してから、それぞれ部屋を引き取っている。
今、この部屋に残っているのは、私とルーファスだけになる。
「どれくらい眠っているものなの? ルーファス」
「体力や怪我の具合にもよるけど……。三、四日じゃないかな」
ふーん。
それくらい眠っているものなのね?
私よりは大分短い。
私は頭部だったから、やたらめったに長かったのかも知れない。
もしくは普通に死にかけていたか……。
まあ、両方かも知れない。
それよりもーー
私はルーファスの手を両手でギュッと握った。
「キースを助けてくれてありがとう! ルーファスの治癒魔法は本当に素敵ね。格好良かったわー」
今度は明るくお礼を言った。
だって二人っきりですもの。
砕けた感じでも良いわよね?
(キースはいるけど、彼は弟で、今は深く眠っている)
いやー。
ホントにお見事というほかない。
小さな魔法陣が、何個も展開していたから、同時に細かな魔法が掛けられていた事になる。
透視魔法はもちろん。
リフレッシュという細菌を殺す魔法。
止血する為の魔法障壁。
損失部の臓器を治す修復魔法。神経を瞬間的に遮断する、麻酔魔法。
これだけ上げても、とんでもない数を同時進行させる、マルチタスクが必要な事になる。
凄いなー。
マジ神。
力の根源はウンディーネという精霊だったとしても。
癒やし手というのは、努力と技術を必要としている。
マジで医者的な知識総動員だ。
しかも全科網羅よね。
私は崇め立てるように、ルーファスをしげしげと見つめる。
すると、彼は照れからか、少し瞳を逸らした後、こちらを見つめ返した。
この部屋はダンスパーティーの会場から、わりと近いから、先程まで微かに宮廷音楽が聞こえていたのよ?
こっちの世界は録音機能ってないから、全て宮廷楽士達による、生演奏。
でも今は、音楽の音がパタリと止んでいる。
何時なのだろう?
暫しの静寂の後ーー
リーンゴーン。
リーンゴーン。
午前零時の鐘の音ーー
静寂を打ち破るように、時計塔の鐘の音が響く。
ダンスパーティーの終了の音。
この音が鳴り響くと、シンデレラに掛かった魔法が解けてしまうから、彼女は王子様に別れを告げて、走り去るのよね。
硝子の靴だけを残してーー
童話の中は、とてもロマンチックな最後なのだけど。
現実ってとってもシビアよね?
本物のシンデレラは、第三王子様を刺し、地下牢に幽閉中。
義理の姉Bは、ビリビリのスカートに裸足という出で立ちで、ダンスパーティー会場を走り回る。
笑っちゃうわ。
どっちにしろ、異常よ。
明日が来たら、私の評判は地の底ね?
身内が第三王子様を刺したのだから、父の爵位も剥奪かも?
二番目の娘が、ダンスパーティー会場内をビリビリのドレスで走り回り、三番目の娘が王子を刺すなんて。
そんな経験をした公爵は、後にも先にも父だけよ。
百年先まで語り継がれる珍事ね。
社交会の華やかすぎるネタ。
アッシュベリー王国に起こった、恐るべきスキャンダル。
私は、そこまで想像してフフフと笑ってしまった。
これは三、四年。
フィラル国で大人しくしていた方が身の為ね。
お父様やお母様、オリヴィアお姉様は大変そうだけど。
でもーー
いざとなったら、お祖父様が助けてくれるわ。
お祖父様は母方の親族だから、上手く言い逃れるに違いない。
そして王家も決して深追いはしないわ。
何と言っても。
力のある大商人であり貴族。
経済力は国の礎。
第三王子様は無事である以上、深追いはしないだろう。
あって二、三ヶ月の謹慎ね。
「ミシェール」
ルーファスに呼ばれて我に返る。
「どうして笑っているの?」
「ごめんなさい。社交会に華やかすぎる醜聞が流れそうで、笑ってしまったのよ?」
「……華やか過ぎるって」
ルーファスは呆れたように言う。
ホントよね。
華やかっていうか、前代未聞のネタ投函! みたいな。
「あなたも大変ね」
「………」
「こんな醜聞令嬢を妻になんて」
ルーファスも少し笑う。
「全然、ちっとも、面白いくらいです」
開き直ったように笑った。
こちらも大抵ふてぶてしい王子様だ。
「そういえば、私が探しに行った時、どうして噴水の前で黄昏れていたのよ?」
「それ聞きますか?」
「聞くわよ? 私は怖い物なしの公爵令嬢よ?」
「………普通過ぎる男の心情ですよ?」
「普通過ぎる男の心情って、何? 私は女だから分からないわ?」
ルーファスは観念したかのように小さな溜息を吐いた。
「第三王子には感謝しないと」
「キースに感謝? 私とキースが、あなたに感謝でしょ?」
第二王子様であるルーファスは、繋いだ私の手を取り、口元に持って行く。
「あなたと僕の仲を、二度も取り持ってくれた」
「…………」
「恩人ですよね? ある意味」
そう言って、手元に口づけをすると、私の足元を見る。
足元は未だ裸足だ。
この状態で走り抜いたから、少し傷が出来ている。
まあ、掠り傷よ。
午前零時の鐘が鳴って。
私は裸足のままーー
城の時計塔の音って、荘厳よね?
頭の中にも、耳の奥にも、鳴り響いてるわ。
×××××××××××××××
今まで、読み続けて頂きありがとうございます!
残り数話になりました!
最後までお付き合い頂けたら
嬉しいです。
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