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第7話 桜色の夢、桜色の恋
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桜色の彼女の夢を見た。
淡い桜色の髪がさらさらと風に揺れて太陽の光を受けてきらきらと煌いている。
透き通ったアクアマリンのような青色の瞳は私の姿を映すと、柔らかく微笑んだ。
私は彼女に触れたくて手を伸ばすけれど、彼女は悪戯めいた表情でスカートをはためかせながら駆けて行く。
時折私を振り返って愛らしく微笑むものだから、私も慌てて彼女を追いかける。
足元がなんだかふわふわしていて上手く走れないのだけど、夢見心地で現実感がない。
…というより、実際に幸せな夢だった。
「……あ」
幸福感と、それが夢であることを理解した瞬間に降りかかってきた寂しさと空しさに、少しばかりセンチメンタルな気持ちで目覚めた。
私は天井に向けて片手を上げていた。ちょっと腕がだるい。
何も掴めなかった可哀想な右腕をそっと下ろしてから、ゆるりと身体を起す。
こんな夢を見てしまったのは、私がアリシアに恋焦がれすぎて(まだ実際に出会ってもいないのに…)夢にまでみてしまったのか、先日の占い師探しでのことが悔しくてこんな夢をみてしまったのかはわからないけれど…。
「…どうせならもうちょっとイチャイチャする夢でも良かったんですけれど…」
ついついそう呟いて、大きくあくびをする。
令嬢であるエリスレアだったらこんな大きな口を開けてのあくびなんて信じられない行為だけれど、今は大目に見て欲しい。
私だって常に気を張ってばかりも居られない。今日は少しだけ甘やかされたい気持ちなのだ。
―――――――結論から言うと、先日の私の占いの館探しは失敗した。
折角城下街へ赴いて、野蛮な男達に絡まれてまでなれない街中を歩き回ったのに、結果としてやったことは、街のチンピラどもをぶちのめして、少しだけ治安維持に貢献しただけだった。
キャラクターの登場時期を忘れいていたなんて、悠チェリ(ゲーム「悠久のチェリーブロッサム」の略称)プレイヤーとして不覚もいいところである。
占いの館がオープンするのはアリシアが街に着いて、占い師との出会いイベントを起こしてから一ヵ月後。
外出パートで街を選択して、迷子になっている子供を助けると、たまたまそれを見ていた街へ着たばかりの旅のロマ(ジプシー)の女性が、彼女を気に入って、一ヵ月後オープンする自分の店に招待する…という流れだったのだ。
そう、アリシア到着前に占い師と遭遇しようとしていたけれど、ゲーム通りならそもそもまだこの街に占い師がいないじゃない?!!!!!ということなのである。
全くもって大誤算だった。
「ズルして楽をしようとしてはダメってことかしらね…」
肝に銘じなければいけないと、私は気合を入れなおすためにいつもよりも余計に自慢の美しい髪をブラッシングする(させる)。
「…お嬢様、何かあったんですか?」
マリエッタが私の髪を梳かしながら、恐る恐る問いかけてくる。
「…ええ。わたくしもちゃんと自分の身の上を理解しなければ…ということですの」
「え?!どうしたんですか…一体…」
「…物語のヒロインだからこそ手繰り寄せていた運命の力が、自分にも無条件に適応されると思うのは思い上がりが過ぎるということ、結局わたくしはわたくしの力で道を切り開く必要があるって意味ですわ」
「???????」
夢見が良かった(悪かった)せいか、今日はついつい余計なことをマリエッタに話してしまう。
当然、彼女は意味がわからないのだろう。
?マークを浮かべつつも、私の機嫌を損なうわけにはいかないから、はぁはぁと適当な相槌を打ちながら聞いている。
「…夢に見る運命の相手との出会いを待ち焦がれている、ってことですわ」
「え、えええ!!!!!!?」
「ちょっと!!!髪を引っ張らないでくださいませ!!!」
「ひいい、申し訳ありません!!!!で、ですが、運命の相手って…。お嬢様はゆくゆくはクルーゼ王子と婚約なさってお妃さまになるのでは…」
「そうですわねぇ…。このまま行けばそうなると思いますけれど…」
「…???」
「王子だって今でこそ決まった相手がいないですが、そのうちあの方の心を射止める女性が現れるかもしれませんし」
「お嬢様以上の方なんているわけがありませんよ!お嬢様よりも性格の良い方でしたら沢山いるかもしれませんが、お嬢さまだって黙っていれば十分…」
「マリエッタ…」
「ひっ、申し訳ございません!!!」
今までさほど気にせず一緒にいたけれど、こうして見るとマリエッタもマリエッタで相当にいい性格をしている。
ゲームでは台詞もろくにないモブだったけれど、視点が変わって初めてわかることってあるのね…と、私の中の"波佐間悠子"が、まるでゲームの設定資料集で未公開資料を見たときみたいな感慨を感じていた。
そんな風にマリエッタと戯れて少しばかり気を晴らした後、私は次の計画を考えだす事にする。
残る時間はあと少し。
突然あの子がやってくるということはないはずで、それが決まれば私や王子には正式な告知が先に来るはずだ。それまでに出来ることは出来るだけやっておきたい。
占いの館でそれをスムーズに…という打算はお破産になったけれど、それでめげていても仕方がない。地道にやっていくことにしよう。
・王子とそこそこの信頼関係を築くこと
(アリシアが王子と結ばれたとしても、友人として私が傍に居ることが許される程度の友好関係を結んでおく)
・ジェイドと友好関係を築くこと
(アリシアと恋仲になってしまうと彼女を国外に連れていってしまうので、彼が彼女と結ばれることは阻止しなければいけない。…場合によっては私に惚れさせるorスパイであることを告発して追放・処刑に誘導も検討)
幸い登場済みの攻略対象キャラに対するアプローチは順調に進んでいる(と思う)。
あとやることは、まだ出会っていない要注意キャラたちになんとか接触して下準備を進めることだろう。
一つのタイムリミットの目安である私の誕生日まであと数ヶ月。波佐間悠子の記憶をひっぱりだして上手くやらなくては。
簡単ではないが、この仕事をばっちりこなせばその先には、私の大好きなアリシアとの出会いが待っている。
私はゲームでの彼女しか知らない。
けれど、たとえ彼女がどんな人物であったとしても、ある意味で10年越しの初恋みたいなものなのだ。
貴族の娘エリスレアとして生きてきた人生はとにかく豊かで、欲しい物は何でも手に入ったし、やりたいことは何でも出来た。
だから私は何の不満もなく自由気ままにやってきたけれど…心の中では何処か空しさも覚えていた。
本当に自分の欲しいもの・やりたいものがなんなのかと問われたら答えることが出来ないような、どこか空虚な存在だった。
少し前に波佐間悠子としての前世の記憶を取り戻して、この世界がゲーム世界…あるいはゲームと同じ設定の異世界だったと知った。
そしてアリシアのことを思い出した私は、その頃までは感じられなかった心の高揚感と幸せを、確かに感じている。
淡い桜色の髪がさらさらと風に揺れて太陽の光を受けてきらきらと煌いている。
透き通ったアクアマリンのような青色の瞳は私の姿を映すと、柔らかく微笑んだ。
私は彼女に触れたくて手を伸ばすけれど、彼女は悪戯めいた表情でスカートをはためかせながら駆けて行く。
時折私を振り返って愛らしく微笑むものだから、私も慌てて彼女を追いかける。
足元がなんだかふわふわしていて上手く走れないのだけど、夢見心地で現実感がない。
…というより、実際に幸せな夢だった。
「……あ」
幸福感と、それが夢であることを理解した瞬間に降りかかってきた寂しさと空しさに、少しばかりセンチメンタルな気持ちで目覚めた。
私は天井に向けて片手を上げていた。ちょっと腕がだるい。
何も掴めなかった可哀想な右腕をそっと下ろしてから、ゆるりと身体を起す。
こんな夢を見てしまったのは、私がアリシアに恋焦がれすぎて(まだ実際に出会ってもいないのに…)夢にまでみてしまったのか、先日の占い師探しでのことが悔しくてこんな夢をみてしまったのかはわからないけれど…。
「…どうせならもうちょっとイチャイチャする夢でも良かったんですけれど…」
ついついそう呟いて、大きくあくびをする。
令嬢であるエリスレアだったらこんな大きな口を開けてのあくびなんて信じられない行為だけれど、今は大目に見て欲しい。
私だって常に気を張ってばかりも居られない。今日は少しだけ甘やかされたい気持ちなのだ。
―――――――結論から言うと、先日の私の占いの館探しは失敗した。
折角城下街へ赴いて、野蛮な男達に絡まれてまでなれない街中を歩き回ったのに、結果としてやったことは、街のチンピラどもをぶちのめして、少しだけ治安維持に貢献しただけだった。
キャラクターの登場時期を忘れいていたなんて、悠チェリ(ゲーム「悠久のチェリーブロッサム」の略称)プレイヤーとして不覚もいいところである。
占いの館がオープンするのはアリシアが街に着いて、占い師との出会いイベントを起こしてから一ヵ月後。
外出パートで街を選択して、迷子になっている子供を助けると、たまたまそれを見ていた街へ着たばかりの旅のロマ(ジプシー)の女性が、彼女を気に入って、一ヵ月後オープンする自分の店に招待する…という流れだったのだ。
そう、アリシア到着前に占い師と遭遇しようとしていたけれど、ゲーム通りならそもそもまだこの街に占い師がいないじゃない?!!!!!ということなのである。
全くもって大誤算だった。
「ズルして楽をしようとしてはダメってことかしらね…」
肝に銘じなければいけないと、私は気合を入れなおすためにいつもよりも余計に自慢の美しい髪をブラッシングする(させる)。
「…お嬢様、何かあったんですか?」
マリエッタが私の髪を梳かしながら、恐る恐る問いかけてくる。
「…ええ。わたくしもちゃんと自分の身の上を理解しなければ…ということですの」
「え?!どうしたんですか…一体…」
「…物語のヒロインだからこそ手繰り寄せていた運命の力が、自分にも無条件に適応されると思うのは思い上がりが過ぎるということ、結局わたくしはわたくしの力で道を切り開く必要があるって意味ですわ」
「???????」
夢見が良かった(悪かった)せいか、今日はついつい余計なことをマリエッタに話してしまう。
当然、彼女は意味がわからないのだろう。
?マークを浮かべつつも、私の機嫌を損なうわけにはいかないから、はぁはぁと適当な相槌を打ちながら聞いている。
「…夢に見る運命の相手との出会いを待ち焦がれている、ってことですわ」
「え、えええ!!!!!!?」
「ちょっと!!!髪を引っ張らないでくださいませ!!!」
「ひいい、申し訳ありません!!!!で、ですが、運命の相手って…。お嬢様はゆくゆくはクルーゼ王子と婚約なさってお妃さまになるのでは…」
「そうですわねぇ…。このまま行けばそうなると思いますけれど…」
「…???」
「王子だって今でこそ決まった相手がいないですが、そのうちあの方の心を射止める女性が現れるかもしれませんし」
「お嬢様以上の方なんているわけがありませんよ!お嬢様よりも性格の良い方でしたら沢山いるかもしれませんが、お嬢さまだって黙っていれば十分…」
「マリエッタ…」
「ひっ、申し訳ございません!!!」
今までさほど気にせず一緒にいたけれど、こうして見るとマリエッタもマリエッタで相当にいい性格をしている。
ゲームでは台詞もろくにないモブだったけれど、視点が変わって初めてわかることってあるのね…と、私の中の"波佐間悠子"が、まるでゲームの設定資料集で未公開資料を見たときみたいな感慨を感じていた。
そんな風にマリエッタと戯れて少しばかり気を晴らした後、私は次の計画を考えだす事にする。
残る時間はあと少し。
突然あの子がやってくるということはないはずで、それが決まれば私や王子には正式な告知が先に来るはずだ。それまでに出来ることは出来るだけやっておきたい。
占いの館でそれをスムーズに…という打算はお破産になったけれど、それでめげていても仕方がない。地道にやっていくことにしよう。
・王子とそこそこの信頼関係を築くこと
(アリシアが王子と結ばれたとしても、友人として私が傍に居ることが許される程度の友好関係を結んでおく)
・ジェイドと友好関係を築くこと
(アリシアと恋仲になってしまうと彼女を国外に連れていってしまうので、彼が彼女と結ばれることは阻止しなければいけない。…場合によっては私に惚れさせるorスパイであることを告発して追放・処刑に誘導も検討)
幸い登場済みの攻略対象キャラに対するアプローチは順調に進んでいる(と思う)。
あとやることは、まだ出会っていない要注意キャラたちになんとか接触して下準備を進めることだろう。
一つのタイムリミットの目安である私の誕生日まであと数ヶ月。波佐間悠子の記憶をひっぱりだして上手くやらなくては。
簡単ではないが、この仕事をばっちりこなせばその先には、私の大好きなアリシアとの出会いが待っている。
私はゲームでの彼女しか知らない。
けれど、たとえ彼女がどんな人物であったとしても、ある意味で10年越しの初恋みたいなものなのだ。
貴族の娘エリスレアとして生きてきた人生はとにかく豊かで、欲しい物は何でも手に入ったし、やりたいことは何でも出来た。
だから私は何の不満もなく自由気ままにやってきたけれど…心の中では何処か空しさも覚えていた。
本当に自分の欲しいもの・やりたいものがなんなのかと問われたら答えることが出来ないような、どこか空虚な存在だった。
少し前に波佐間悠子としての前世の記憶を取り戻して、この世界がゲーム世界…あるいはゲームと同じ設定の異世界だったと知った。
そしてアリシアのことを思い出した私は、その頃までは感じられなかった心の高揚感と幸せを、確かに感じている。
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