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会場を支配したのは、鼓膜が痛くなるほどの静寂だった。
シャンデリアの輝きさえも、ベルニウス・ヴァン・カスティエルが放つ凍てつくような覇気によって、どこか頼りなく揺れている。
テオリウス王太子は、喉を鳴らして唾を飲み込んだ。目の前に立つ銀髪の大公は、自分よりも年上であり、何より数多の修羅場を潜り抜けてきた「本物の強者」だ。その眼差し一つで、温室育ちの王太子の心臓は、鷲掴みにされたかのように縮み上がる。
「……証明しろ、と言ったのだ、王太子。このフィリラが、どのような罪を犯したのかをな」
ベルニウスの声は低く、そして会場の隅々まで染み渡るように響いた。
「そ、それは……! ここにいるメルルナを執拗に虐め、さらには公爵令嬢としての立場を利用して、周囲に圧力をかけたことだ! 学園の生徒たち全員が証人だぞ!」
テオリウスは必死に声を張り上げた。自分を鼓舞するように、そして己の正当性を疑わないように。
「ほう、証人か。では聞こう。お前たちの中で、このフィリラ・ルネ・サハールが実際に他者を罵倒したり、暴力を振るったりする場面を、その目で直接見た者はいるか?」
ベルニウスが会場を見渡す。
視線を向けられた令息や令嬢たちは、一様に顔を伏せ、あるいは視線を彷徨わせた。
「そ、それは……メルルナ様がいつも泣きながら相談してくださったから……」
「フィリラ様が通った後、メルルナ様の私物が壊れていたことがあったんです……」
消え入りそうな声がいくつか上がる。しかし、それらはすべて「伝聞」や「状況証拠」に過ぎなかった。
「見ていない、ということだな。……ならば、メルルナ・ポポ。貴様に問う。フィリラから直接、何をされた?」
ベルニウスの蒼い瞳が、テオリウスの腕に縋るメルルナを射抜いた。
「あ……、あぅ……」
メルルナは蛇に睨まれた蛙のように硬直した。彼女の得意とする「涙」も、この冷徹な大公の前では、ただの汚れた水滴にしか見えない。
「わ、わたくし……フィリラ様に、いつも冷たい目で見られて……『貴様のような泥棒には、壊れた石がお似合いだ』って、そう言われたんですの……。あ、あのヘアピンも、フィリラ様の侍女たちが壊して……!」
メルルナは震える声で訴えた。テオリウスはそれを聞き、「そうだ、そうだ!」と力強く頷く。
「聞いたか! これ以上の証拠があるか! フィリラ自身も、先ほど自分の非を認めたではないか!」
テオリウスは勝ち誇ったように、フィリラを指差した。
その視線を受け、フィリラはゆっくりと瞬きをした。ベルニウスの逞しい腕の中にありながら、彼女の心は依然として深い霧の中にいるようだった。
(……私が、非を認めた。ええ、確かにそう言いました。それが、この場を収めるための『正解』だったからです)
フィリラにとって、真実がどこにあるかは重要ではなかった。婚約者であるテオリウスが「お前が犯人だ」と言い、周囲がそれを信じているのであれば、彼女がそれに従うことこそが、彼女に課せられた「素直な人形」としての義務だった。
「フィリラ、前へ出ろ」
テオリウスが厳かに命じた。
フィリラはベルニウスの腕をそっと解き、壇の前へと一歩踏み出した。ベルニウスはそれを止めようとはしなかったが、その瞳には暗い炎が宿っていた。
「フィリラ・ルネ・サハール。貴様は公爵令嬢でありながら、王家の慈悲を仇で返し、嫉妬に狂って罪なき娘を傷つけた。その冷酷不遜な振る舞い、もはや一国の王妃となる資格など微塵もない!」
テオリウスは大きく息を吸い込み、会場全体に宣言した。
「よって、今この場をもって、俺と貴様の婚約を破棄する! さらに、貴様を我が国から永久に追放し、サハール公爵家からも籍を剥奪することを、国王陛下に代わって申し渡す!」
王太子の宣告。それは、フィリラという人間の、社会的死を意味していた。
会場からどよめきが上がる。メルルナの口元には、隠しきれない勝利の笑みが浮かんだ。サハール公爵――フィリラの父は、会場の隅で顔を真っ赤にしながら、娘を忌々しげに睨みつけている。
誰もが、フィリラが絶望し、地面に崩れ落ちることを予想した。
しかし。
「――承知いたしました」
フィリラは、凛とした声で答えた。
その声には、震えも、悲しみも、恨みもなかった。
彼女は優雅に、そして深く、人生で最も美しいカーテシーをテオリウスに捧げた。
「テオリウス殿下。長い間、至らぬ私を婚約者の座に置いてくださり、心より感謝申し上げます。殿下が新しい幸せを見つけられたこと、何よりでございます。どうか、メルルナ様とお健やかにお過ごしください」
フィリラが顔を上げると、そのルビー色の瞳は、かつてないほどに澄み渡っていた。
「……なっ?」
テオリウスは、毒気を抜かれたように固まった。
彼は、フィリラを地獄に突き落としたはずだった。彼女からすべてを奪い、惨めな姿を晒させるはずだった。
だが、今のフィリラはどうだ。すべてを失ったはずの彼女は、まるで重い鎖から解き放たれた鳥のように、自由で、そして残酷なまでに美しかった。
「……貴様、本当に分かっているのか!? 追放だぞ! 家も、地位も、名誉も、すべてなくなるんだぞ!」
「はい。分かっております。……これからは、誰の望む姿でなくても良いのですね。それは、私にとって何よりの福音でございます」
フィリラは、微かに微笑んだ。
それは、人形が初めて自分の心を手に入れた瞬間の、奇跡のような微笑みだった。
テオリウスはその美しさに、一瞬だけ目を奪われた。自分が何を失ったのか、その巨大な喪失感の断片が、彼の胸をチクリと刺した。
だが、その隙を「死神」が逃すはずはなかった。
「――素晴らしい。実に見事な宣告だったぞ、王太子」
ベルニウスが、冷ややかな拍手をしながら歩み寄った。
「貴様がゴミ箱に捨てたその『宝物』……俺が喜んで拾い上げよう。もはや彼女は貴様の婚約者でも、この国の令嬢でもない。俺の管理下にある、一人の自由な女性だ」
ベルニウスはフィリラの肩を抱き、今度は誰にも触れさせないと言わんばかりに、強く引き寄せた。
「カスティエル大公、貴様……本気でその女を連れて行くつもりか!」
「ああ。俺は無能な王太子と違って、石ころとダイヤモンドの区別はつくのでな。……さて、フィリラ。行こうか。お前を愛さない者たちばかりのこの場所には、もう一秒も留まる必要はない」
「はい、閣下。……どこへでも、お供いたします」
フィリラは素直に頷き、ベルニウスに身を預けた。
二人が歩き出すと、人々は波が引くように道を開けた。背後では、テオリウスが「待て!」「まだ話は終わっていない!」と叫んでいたが、ベルニウスは一度も振り返らなかった。
メルルナは、自分が勝ち取ったはずの舞台が、瞬く間に色褪せていくのを感じていた。王太子の婚約者の座は手に入れた。しかし、会場中の視線は、去りゆく二人の圧倒的な存在感に釘付けになっていた。
出口の扉の前で、フィリラは一度だけ足を止めた。
彼女は、ベルニウスの手の中にあった黒い木箱を思い出した。
「閣下。あちらの箱は……?」
「ああ、これか。……本当は、お前の無実を証明する証拠を詰め込んできたのだがな。あんな愚か者たちに見せるのは、時間の無駄だと思った」
ベルニウスは箱を無造作に近くのテーブルに置いた。
「中には、ポポ男爵が不正に資金を流用していた帳簿と、メルルナが自ら私物を壊している現場を見た目撃者の証言書が入っている。……まあ、俺たちが去った後、あの王太子がどう絶望するか、楽しみに待つとしよう」
フィリラは、少しだけ驚いたように目を丸くした。
「……閣下は、私のためにそこまで……」
「言っただろう。俺はお前に興味があるのだと。……さあ、フィリラ。ここからは俺が、お前を甘やかして溶かしてやる時間だ」
ベルニウスは、フィリラの額に優しく口づけをした。
外に出ると、嵐は過ぎ去り、満天の星空が広がっていた。
フィリラ・ルネ・サハール。
かつて静寂の令嬢と呼ばれた彼女は、今、最強の大公の腕の中で、新しい人生の第一歩を踏み出した。
背後にある王宮の光は、もはや彼女を照らすことはない。
だが、彼女の目の前には、彼女だけを溺愛し、彼女だけを見つめる、銀色の光が満ち溢れていた。
シャンデリアの輝きさえも、ベルニウス・ヴァン・カスティエルが放つ凍てつくような覇気によって、どこか頼りなく揺れている。
テオリウス王太子は、喉を鳴らして唾を飲み込んだ。目の前に立つ銀髪の大公は、自分よりも年上であり、何より数多の修羅場を潜り抜けてきた「本物の強者」だ。その眼差し一つで、温室育ちの王太子の心臓は、鷲掴みにされたかのように縮み上がる。
「……証明しろ、と言ったのだ、王太子。このフィリラが、どのような罪を犯したのかをな」
ベルニウスの声は低く、そして会場の隅々まで染み渡るように響いた。
「そ、それは……! ここにいるメルルナを執拗に虐め、さらには公爵令嬢としての立場を利用して、周囲に圧力をかけたことだ! 学園の生徒たち全員が証人だぞ!」
テオリウスは必死に声を張り上げた。自分を鼓舞するように、そして己の正当性を疑わないように。
「ほう、証人か。では聞こう。お前たちの中で、このフィリラ・ルネ・サハールが実際に他者を罵倒したり、暴力を振るったりする場面を、その目で直接見た者はいるか?」
ベルニウスが会場を見渡す。
視線を向けられた令息や令嬢たちは、一様に顔を伏せ、あるいは視線を彷徨わせた。
「そ、それは……メルルナ様がいつも泣きながら相談してくださったから……」
「フィリラ様が通った後、メルルナ様の私物が壊れていたことがあったんです……」
消え入りそうな声がいくつか上がる。しかし、それらはすべて「伝聞」や「状況証拠」に過ぎなかった。
「見ていない、ということだな。……ならば、メルルナ・ポポ。貴様に問う。フィリラから直接、何をされた?」
ベルニウスの蒼い瞳が、テオリウスの腕に縋るメルルナを射抜いた。
「あ……、あぅ……」
メルルナは蛇に睨まれた蛙のように硬直した。彼女の得意とする「涙」も、この冷徹な大公の前では、ただの汚れた水滴にしか見えない。
「わ、わたくし……フィリラ様に、いつも冷たい目で見られて……『貴様のような泥棒には、壊れた石がお似合いだ』って、そう言われたんですの……。あ、あのヘアピンも、フィリラ様の侍女たちが壊して……!」
メルルナは震える声で訴えた。テオリウスはそれを聞き、「そうだ、そうだ!」と力強く頷く。
「聞いたか! これ以上の証拠があるか! フィリラ自身も、先ほど自分の非を認めたではないか!」
テオリウスは勝ち誇ったように、フィリラを指差した。
その視線を受け、フィリラはゆっくりと瞬きをした。ベルニウスの逞しい腕の中にありながら、彼女の心は依然として深い霧の中にいるようだった。
(……私が、非を認めた。ええ、確かにそう言いました。それが、この場を収めるための『正解』だったからです)
フィリラにとって、真実がどこにあるかは重要ではなかった。婚約者であるテオリウスが「お前が犯人だ」と言い、周囲がそれを信じているのであれば、彼女がそれに従うことこそが、彼女に課せられた「素直な人形」としての義務だった。
「フィリラ、前へ出ろ」
テオリウスが厳かに命じた。
フィリラはベルニウスの腕をそっと解き、壇の前へと一歩踏み出した。ベルニウスはそれを止めようとはしなかったが、その瞳には暗い炎が宿っていた。
「フィリラ・ルネ・サハール。貴様は公爵令嬢でありながら、王家の慈悲を仇で返し、嫉妬に狂って罪なき娘を傷つけた。その冷酷不遜な振る舞い、もはや一国の王妃となる資格など微塵もない!」
テオリウスは大きく息を吸い込み、会場全体に宣言した。
「よって、今この場をもって、俺と貴様の婚約を破棄する! さらに、貴様を我が国から永久に追放し、サハール公爵家からも籍を剥奪することを、国王陛下に代わって申し渡す!」
王太子の宣告。それは、フィリラという人間の、社会的死を意味していた。
会場からどよめきが上がる。メルルナの口元には、隠しきれない勝利の笑みが浮かんだ。サハール公爵――フィリラの父は、会場の隅で顔を真っ赤にしながら、娘を忌々しげに睨みつけている。
誰もが、フィリラが絶望し、地面に崩れ落ちることを予想した。
しかし。
「――承知いたしました」
フィリラは、凛とした声で答えた。
その声には、震えも、悲しみも、恨みもなかった。
彼女は優雅に、そして深く、人生で最も美しいカーテシーをテオリウスに捧げた。
「テオリウス殿下。長い間、至らぬ私を婚約者の座に置いてくださり、心より感謝申し上げます。殿下が新しい幸せを見つけられたこと、何よりでございます。どうか、メルルナ様とお健やかにお過ごしください」
フィリラが顔を上げると、そのルビー色の瞳は、かつてないほどに澄み渡っていた。
「……なっ?」
テオリウスは、毒気を抜かれたように固まった。
彼は、フィリラを地獄に突き落としたはずだった。彼女からすべてを奪い、惨めな姿を晒させるはずだった。
だが、今のフィリラはどうだ。すべてを失ったはずの彼女は、まるで重い鎖から解き放たれた鳥のように、自由で、そして残酷なまでに美しかった。
「……貴様、本当に分かっているのか!? 追放だぞ! 家も、地位も、名誉も、すべてなくなるんだぞ!」
「はい。分かっております。……これからは、誰の望む姿でなくても良いのですね。それは、私にとって何よりの福音でございます」
フィリラは、微かに微笑んだ。
それは、人形が初めて自分の心を手に入れた瞬間の、奇跡のような微笑みだった。
テオリウスはその美しさに、一瞬だけ目を奪われた。自分が何を失ったのか、その巨大な喪失感の断片が、彼の胸をチクリと刺した。
だが、その隙を「死神」が逃すはずはなかった。
「――素晴らしい。実に見事な宣告だったぞ、王太子」
ベルニウスが、冷ややかな拍手をしながら歩み寄った。
「貴様がゴミ箱に捨てたその『宝物』……俺が喜んで拾い上げよう。もはや彼女は貴様の婚約者でも、この国の令嬢でもない。俺の管理下にある、一人の自由な女性だ」
ベルニウスはフィリラの肩を抱き、今度は誰にも触れさせないと言わんばかりに、強く引き寄せた。
「カスティエル大公、貴様……本気でその女を連れて行くつもりか!」
「ああ。俺は無能な王太子と違って、石ころとダイヤモンドの区別はつくのでな。……さて、フィリラ。行こうか。お前を愛さない者たちばかりのこの場所には、もう一秒も留まる必要はない」
「はい、閣下。……どこへでも、お供いたします」
フィリラは素直に頷き、ベルニウスに身を預けた。
二人が歩き出すと、人々は波が引くように道を開けた。背後では、テオリウスが「待て!」「まだ話は終わっていない!」と叫んでいたが、ベルニウスは一度も振り返らなかった。
メルルナは、自分が勝ち取ったはずの舞台が、瞬く間に色褪せていくのを感じていた。王太子の婚約者の座は手に入れた。しかし、会場中の視線は、去りゆく二人の圧倒的な存在感に釘付けになっていた。
出口の扉の前で、フィリラは一度だけ足を止めた。
彼女は、ベルニウスの手の中にあった黒い木箱を思い出した。
「閣下。あちらの箱は……?」
「ああ、これか。……本当は、お前の無実を証明する証拠を詰め込んできたのだがな。あんな愚か者たちに見せるのは、時間の無駄だと思った」
ベルニウスは箱を無造作に近くのテーブルに置いた。
「中には、ポポ男爵が不正に資金を流用していた帳簿と、メルルナが自ら私物を壊している現場を見た目撃者の証言書が入っている。……まあ、俺たちが去った後、あの王太子がどう絶望するか、楽しみに待つとしよう」
フィリラは、少しだけ驚いたように目を丸くした。
「……閣下は、私のためにそこまで……」
「言っただろう。俺はお前に興味があるのだと。……さあ、フィリラ。ここからは俺が、お前を甘やかして溶かしてやる時間だ」
ベルニウスは、フィリラの額に優しく口づけをした。
外に出ると、嵐は過ぎ去り、満天の星空が広がっていた。
フィリラ・ルネ・サハール。
かつて静寂の令嬢と呼ばれた彼女は、今、最強の大公の腕の中で、新しい人生の第一歩を踏み出した。
背後にある王宮の光は、もはや彼女を照らすことはない。
だが、彼女の目の前には、彼女だけを溺愛し、彼女だけを見つめる、銀色の光が満ち溢れていた。
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