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ガタゴトと揺れる馬車の中、ゼナディアは窓の外に広がる景色を眺めて目を輝かせていた。
「見て、フィフィナ! あそこの丘、タンポポが群生していて黄色い絨毯みたいよ。なんて素敵な門出かしら!」
向かい合わせに座るフィフィナは、山積みにされた荷物の隙間から顔を出し、深いため息をついた。
「お嬢様、昨夜から何度目ですか、そのセリフ。世間一般では、これを『門出』とは呼びません。『追放』、あるいは『夜逃げに近い離縁』と呼ぶんです」
「あら、言葉の綾じゃない。後ろ向きな言葉を使うと、せっかくの幸運が逃げちゃうわよ?」
ゼナディアはそう言って、膝の上に置いたバスケットからクッキーを取り出した。サクッ、と小気味よい音を立てて頬張る。
「それに見てちょうだい。お父様が持たせてくれたこのクッキー、バターがたっぷりで最高に美味しいわ。離縁が決まった途端にこんな美味しいものに出会えるなんて、やっぱり私ってツイてる!」
「それは伯爵閣下が、不憫な娘を不憫に思って、せめてもの慰めに最高級の菓子職人を走らせた結果ですよ……」
フィフィナは呆れ顔で応じたが、ゼナディアの耳には届いていないようだった。
馬車はシュトルム王国の王都へと続く街道を外れ、ゼナディアの実家であるガレオス伯爵邸へと向かっていた。離縁の手続き自体は終わっているが、一度父に挨拶をし、それから北のエルネへ向かう手はずになっている。
やがて見えてきたガレオス伯爵家の門前には、一人の初老の男性がそわそわと行ったり来たりしていた。
ゼナディアの父、ガレオス伯爵である。
「ああ、ゼナディア! 私の愛しい娘よ!」
馬車が止まるなり、ガレオスは駆け寄ってきた。その顔は悲痛な色に染まり、今にも泣き出しそうだ。
「話は聞いたよ。あのベルクランめ、三周年という記念すべき日に離縁を突きつけるとは……! なんて冷酷な男だ。すまない、ゼナディア。私の力不足で、お前にこんな惨めな思いをさせてしまって……」
ガレオスは娘の手を取り、涙を浮かべて肩を落とした。
彼からすれば、愛娘が理不尽に捨てられ、さらに辺境の地へ追いやられるという、まさに悲劇の真っ只中にいるように見えていた。
ところが、ゼナディアの反応は彼の予想を斜め上に飛び越えた。
「お父様、お顔を上げてくださいな! そんなに悲しまないで。私、今とっても幸せなんですもの!」
「……え? し、幸せ?」
ガレオスはぱちくりと瞬きをして、娘の顔を凝視した。
ゼナディアの表情には、無理をしている様子も、虚勢を張っている影も微塵もなかった。ただ純粋に、心の底から湧き上がる喜びで頬を上気させている。
「ええ! だって考えてもみてください。あの広くて冷たい屋敷で、いつ帰ってくるかもわからない旦那様を待つ日々は、もうおしまいなんです。これからは自分の好きな場所で、好きな人たちと、自由に暮らせるんですよ? これ以上の贅沢があるかしら!」
「し、しかし……エルネの地は北の果てだぞ? 作物も育たず、娯楽もない。ただ寂しいだけの場所だと聞いている」
「あら、お父様。それは逆を言えば、誰にも邪魔されずにのんびりできるということですわ。それに、何もない場所を開拓していくなんて、ワクワクしませんか? まるで冒険家になった気分です!」
ゼナディアは拳を握り、瞳をキラキラと輝かせた。
「私、エルネを世界で一番素敵な場所にしてみせます。だからお父様、心配しないで。私を追い出したベルクラン様には、むしろ感謝したいくらいなんですから!」
その力強い言葉と、太陽のような笑顔に、ガレオスは毒気を抜かれたように呆然とした。
「……ゼナディア。お前は本当に、強い子だな。いや、強すぎるというか……」
「ふふ、よく言われますわ!」
傍らで控えていたフィフィナが、ボソリと付け加える。
「強さというより、単に楽天家なだけだと思われますが。まあ、このお嬢様が泣いて暮らす姿なんて、想像もつきませんけどね」
ガレオスはふっと息を吐き、ようやく少しだけ表情を緩めた。
「……わかった。お前がそこまで言うのなら、私は全力でお前を応援しよう。エルネへ向かうための物資や護衛は、私が責任を持って手配する。必要なら、私の私財をいくらでも使って構わない」
「ありがとうございます、お父様! やっぱり私は世界一の果報者ですわ!」
ゼナディアは父に抱きつき、その場はまるで「悲劇の別れ」ではなく「希望に満ちた門出」のような空気になった。
一方その頃。
ゼナディアを追い出した張本人であるベルクランは、王都の別邸で苛立ちを募らせていた。
「……どういうことだ。まだ報告が来ないのか?」
ベルクランは豪華な長椅子に身を沈め、秘書のネストルを睨みつけた。
「申し上げます、旦那様。ゼナディア様は昨夜のうちに、すでに本邸を出発されたとのことです」
「それは知っている。私が聞きたいのは、彼女の様子だ。今頃、街道の途中で泣き崩れて、私への謝罪と復縁を乞う手紙でも書いているのではないか?」
ベルクランの目論見では、世間知らずの箱入り娘であるゼナディアは、離縁を突きつけられればパニックに陥り、自分の足元に縋り付いてくるはずだった。
それを冷たくあしらい、彼女が絶望する姿を見て、自らの優位性を再確認する――それが彼の描いたシナリオだった。
しかし、ネストルが口にしたのは、彼の期待とは正反対の事実だった。
「……いえ、それが。監視役の報告によりますと、ゼナディア様は終始、非常に明るいご様子で……。馬車の中から道行く人々に笑顔で手を振っていたそうです。まるで、念願の旅行にでも出かけるかのような浮かれぶりだったとか」
「……は?」
ベルクランは思わず手にしていたワイングラスを落としそうになった。
「浮かれていただと? 冗談を言うな。あいつは捨てられたんだぞ? 辺境の死に体に追いやられたんだぞ? 泣いて喚いて、地を這うような思いをしているはずだ!」
「……ですが、実家であるガレオス伯爵邸に立ち寄られた際も、笑い声が外まで漏れ聞こえていたそうでございます。閣下との別れの際も、『こんなにラッキーなことはない』と大声でおっしゃっていたとか」
ベルクランの顔が屈辱で赤く染まった。
自分が与えた「罰」が、相手にとっては「ご褒美」だったというのか。
「あの女……! どこまで私の神経を逆撫ですれば気が済むんだ!」
ベルクランが拳を机に叩きつけたその時、部屋の隅で様子を伺っていた愛人のシャミルが、しなだれかかるように近づいてきた。
「まあ、ベルクラン様。そんな女のことなんて、放っておけばよろしいではありませんか。きっと、あまりのショックに頭がおかしくなってしまったのですよ。可哀想に」
シャミルは甘い声を出しながら、ベルクランの胸元に指を走らせた。
「これからは、私と二人で幸せな時間を過ごしましょう? あんな地味で能天気な女がいなくなって、ようやくこのお屋敷も華やかになりますわ」
ベルクランはシャミルの肩を抱き寄せたが、その心は晴れなかった。
本来なら、今頃は勝利の美酒に酔いしれているはずだった。
だというのに、ゼナディアの「笑顔」を想像するだけで、言いようのない不安と焦燥感が胸を焦がす。
「……ああ、そうだな。あんな女、すぐにエルネの厳しい現実を知って、後悔することになる。その時、泣いて助けを求めてきても、私は絶対に許さんぞ」
ベルクランは自分に言い聞かせるように呟いた。
だが、彼はまだ気づいていない。
彼が「死に体」と呼んだその土地で、ゼナディアがどれほどの奇跡を起こそうとしているのか。
そして、ゼナディアという「幸運の女神」を失った自分の屋敷で、これから何が起きようとしているのかを。
ゼナディアを乗せた馬車は、軽快な音を立てて北へと進んでいく。
彼女の行く先には、暗雲など一切なかった。
「さあ、見えてきたわよ! 北の大地が!」
地平線の向こうに広がる荒野を見つめ、ゼナディアは声を弾ませた。
ポジティブ令嬢のセカンドライフ、いよいよ本格的な幕開けである。
「見て、フィフィナ! あそこの丘、タンポポが群生していて黄色い絨毯みたいよ。なんて素敵な門出かしら!」
向かい合わせに座るフィフィナは、山積みにされた荷物の隙間から顔を出し、深いため息をついた。
「お嬢様、昨夜から何度目ですか、そのセリフ。世間一般では、これを『門出』とは呼びません。『追放』、あるいは『夜逃げに近い離縁』と呼ぶんです」
「あら、言葉の綾じゃない。後ろ向きな言葉を使うと、せっかくの幸運が逃げちゃうわよ?」
ゼナディアはそう言って、膝の上に置いたバスケットからクッキーを取り出した。サクッ、と小気味よい音を立てて頬張る。
「それに見てちょうだい。お父様が持たせてくれたこのクッキー、バターがたっぷりで最高に美味しいわ。離縁が決まった途端にこんな美味しいものに出会えるなんて、やっぱり私ってツイてる!」
「それは伯爵閣下が、不憫な娘を不憫に思って、せめてもの慰めに最高級の菓子職人を走らせた結果ですよ……」
フィフィナは呆れ顔で応じたが、ゼナディアの耳には届いていないようだった。
馬車はシュトルム王国の王都へと続く街道を外れ、ゼナディアの実家であるガレオス伯爵邸へと向かっていた。離縁の手続き自体は終わっているが、一度父に挨拶をし、それから北のエルネへ向かう手はずになっている。
やがて見えてきたガレオス伯爵家の門前には、一人の初老の男性がそわそわと行ったり来たりしていた。
ゼナディアの父、ガレオス伯爵である。
「ああ、ゼナディア! 私の愛しい娘よ!」
馬車が止まるなり、ガレオスは駆け寄ってきた。その顔は悲痛な色に染まり、今にも泣き出しそうだ。
「話は聞いたよ。あのベルクランめ、三周年という記念すべき日に離縁を突きつけるとは……! なんて冷酷な男だ。すまない、ゼナディア。私の力不足で、お前にこんな惨めな思いをさせてしまって……」
ガレオスは娘の手を取り、涙を浮かべて肩を落とした。
彼からすれば、愛娘が理不尽に捨てられ、さらに辺境の地へ追いやられるという、まさに悲劇の真っ只中にいるように見えていた。
ところが、ゼナディアの反応は彼の予想を斜め上に飛び越えた。
「お父様、お顔を上げてくださいな! そんなに悲しまないで。私、今とっても幸せなんですもの!」
「……え? し、幸せ?」
ガレオスはぱちくりと瞬きをして、娘の顔を凝視した。
ゼナディアの表情には、無理をしている様子も、虚勢を張っている影も微塵もなかった。ただ純粋に、心の底から湧き上がる喜びで頬を上気させている。
「ええ! だって考えてもみてください。あの広くて冷たい屋敷で、いつ帰ってくるかもわからない旦那様を待つ日々は、もうおしまいなんです。これからは自分の好きな場所で、好きな人たちと、自由に暮らせるんですよ? これ以上の贅沢があるかしら!」
「し、しかし……エルネの地は北の果てだぞ? 作物も育たず、娯楽もない。ただ寂しいだけの場所だと聞いている」
「あら、お父様。それは逆を言えば、誰にも邪魔されずにのんびりできるということですわ。それに、何もない場所を開拓していくなんて、ワクワクしませんか? まるで冒険家になった気分です!」
ゼナディアは拳を握り、瞳をキラキラと輝かせた。
「私、エルネを世界で一番素敵な場所にしてみせます。だからお父様、心配しないで。私を追い出したベルクラン様には、むしろ感謝したいくらいなんですから!」
その力強い言葉と、太陽のような笑顔に、ガレオスは毒気を抜かれたように呆然とした。
「……ゼナディア。お前は本当に、強い子だな。いや、強すぎるというか……」
「ふふ、よく言われますわ!」
傍らで控えていたフィフィナが、ボソリと付け加える。
「強さというより、単に楽天家なだけだと思われますが。まあ、このお嬢様が泣いて暮らす姿なんて、想像もつきませんけどね」
ガレオスはふっと息を吐き、ようやく少しだけ表情を緩めた。
「……わかった。お前がそこまで言うのなら、私は全力でお前を応援しよう。エルネへ向かうための物資や護衛は、私が責任を持って手配する。必要なら、私の私財をいくらでも使って構わない」
「ありがとうございます、お父様! やっぱり私は世界一の果報者ですわ!」
ゼナディアは父に抱きつき、その場はまるで「悲劇の別れ」ではなく「希望に満ちた門出」のような空気になった。
一方その頃。
ゼナディアを追い出した張本人であるベルクランは、王都の別邸で苛立ちを募らせていた。
「……どういうことだ。まだ報告が来ないのか?」
ベルクランは豪華な長椅子に身を沈め、秘書のネストルを睨みつけた。
「申し上げます、旦那様。ゼナディア様は昨夜のうちに、すでに本邸を出発されたとのことです」
「それは知っている。私が聞きたいのは、彼女の様子だ。今頃、街道の途中で泣き崩れて、私への謝罪と復縁を乞う手紙でも書いているのではないか?」
ベルクランの目論見では、世間知らずの箱入り娘であるゼナディアは、離縁を突きつけられればパニックに陥り、自分の足元に縋り付いてくるはずだった。
それを冷たくあしらい、彼女が絶望する姿を見て、自らの優位性を再確認する――それが彼の描いたシナリオだった。
しかし、ネストルが口にしたのは、彼の期待とは正反対の事実だった。
「……いえ、それが。監視役の報告によりますと、ゼナディア様は終始、非常に明るいご様子で……。馬車の中から道行く人々に笑顔で手を振っていたそうです。まるで、念願の旅行にでも出かけるかのような浮かれぶりだったとか」
「……は?」
ベルクランは思わず手にしていたワイングラスを落としそうになった。
「浮かれていただと? 冗談を言うな。あいつは捨てられたんだぞ? 辺境の死に体に追いやられたんだぞ? 泣いて喚いて、地を這うような思いをしているはずだ!」
「……ですが、実家であるガレオス伯爵邸に立ち寄られた際も、笑い声が外まで漏れ聞こえていたそうでございます。閣下との別れの際も、『こんなにラッキーなことはない』と大声でおっしゃっていたとか」
ベルクランの顔が屈辱で赤く染まった。
自分が与えた「罰」が、相手にとっては「ご褒美」だったというのか。
「あの女……! どこまで私の神経を逆撫ですれば気が済むんだ!」
ベルクランが拳を机に叩きつけたその時、部屋の隅で様子を伺っていた愛人のシャミルが、しなだれかかるように近づいてきた。
「まあ、ベルクラン様。そんな女のことなんて、放っておけばよろしいではありませんか。きっと、あまりのショックに頭がおかしくなってしまったのですよ。可哀想に」
シャミルは甘い声を出しながら、ベルクランの胸元に指を走らせた。
「これからは、私と二人で幸せな時間を過ごしましょう? あんな地味で能天気な女がいなくなって、ようやくこのお屋敷も華やかになりますわ」
ベルクランはシャミルの肩を抱き寄せたが、その心は晴れなかった。
本来なら、今頃は勝利の美酒に酔いしれているはずだった。
だというのに、ゼナディアの「笑顔」を想像するだけで、言いようのない不安と焦燥感が胸を焦がす。
「……ああ、そうだな。あんな女、すぐにエルネの厳しい現実を知って、後悔することになる。その時、泣いて助けを求めてきても、私は絶対に許さんぞ」
ベルクランは自分に言い聞かせるように呟いた。
だが、彼はまだ気づいていない。
彼が「死に体」と呼んだその土地で、ゼナディアがどれほどの奇跡を起こそうとしているのか。
そして、ゼナディアという「幸運の女神」を失った自分の屋敷で、これから何が起きようとしているのかを。
ゼナディアを乗せた馬車は、軽快な音を立てて北へと進んでいく。
彼女の行く先には、暗雲など一切なかった。
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