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3話
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「まあ、待ちたまえよ。先程も言った通り、私は王室廃止には反対だ」
「クーゲル公爵は私の意見に反対と言うことでよろしいですか?」
兄のクーゲルはことごとく私の意見に反対してきた。今回もまた反対に回るのだ。
「ああ、もちろんだ。みんなも、そう思うだろ」
クーゲルはプーリァ公爵やダンガン公爵を見て言うが二人はその言葉に反応を示さない。クーゲルの予定では二人はクーゲルの意見に賛同する予定だったのだ。
「なあ、ダンガン、プーリァお前たちもそう思うだろ?」
「ふん、馬鹿なブリジット様を侮辱されて黙っていられるわけがなかろう」
「フヒィ、俺は姫様についた方が面白そうだからあんたとの密約は破棄するわ」
「なっ!」
プーリァの言葉で一気に場に緊張が走る。つまりクーゲルは私を裏切ったと言うことなのだ。
クーゲルの額からだらだらと汗が流れ落ちる。
「クソ! 殺られる前に殺ってやる 来なさいMP5!」
クーゲルは私の目に向かい光線銃を放つ。しかし、その一撃は私の目を焼くことはなかった。
私は机の上に足を投げ出すとメガネをクイッとあげ、ガムをクチャクチャと食べる。これはこのメガネを装着したときの作法なので恥ずかしいが成りきってやっている。
「なっ! なんだそれは!」
「私から説明しましょうかクーゲル公爵。それはシューティング用サングラスです。あのメガネをかけている限りあなたの攻撃は筆頭様にはすべて無効化されます」
同じ物を出せる闇を司るグロブスが私に変わりクーゲルに説明をする。
「そんな馬鹿な!」
クーゲルは何度も何度も私に光線銃を撃つが完全にノーダメージの私を見て愕然とする。
「兄貴さ、私は何度もあんたにチャンスを与えたよね」
ちなみにこのしゃべり方も作法なのです。こんな作法を作った初代を殺したいです。
「公爵に向かって兄貴とは無礼ではないか。筆頭とは言え許されないぞ」
「残念だよ兄貴、あんたは今から公爵じゃなくなる。スキル:アウトオブガンチュー、あんたからスキルを奪い弟に譲渡する」
「なっ! 来なさいMP5! MP5!」
クーゲルが何度も銃の名を叫ぶが銃は召喚されることはなかった。
「無駄ですよ兄さん」
扉を開けてクーゲルの弟であり、私の弟でもあるバレッタが現れた。その手には光線銃のMP5を携えて。
「それは俺の物だ! 返せ!」
光線銃を奪おうとバレッタに襲いかかるが。バレッタは真面目な子で普段から鍛えており銃がなくても力の差は歴然なのである。
殴り飛ばしたクーゲルを片足で押さえつけると顔に銃口を向ける。
「さよなら兄さん」
別れの言葉のあと引き金が引かれクーゲルの目を赤い光が焼く。両目を撃たれクーゲルの目は白く濁る。
「ぎゃぁー! 目が、目が、俺の目が!」
目を両手で押さえて騒ぐがバレッタは表情一つ変えずに兄であるクーゲルを見下ろす。
「セバス、後の処理は任せた、そいつを国外に捨ててこい」
「ハッ! バレッタ公爵様」
「何で俺のスキルが、何でだ!」
「おいウジ虫野郎、私が筆頭なのは伊達じゃねぇんだよ。お前ら六大公爵の能力を奪って他人に付与できるんだよ、筆頭様はよぉ。残念だったな、おにいちゃん。ギャハ」
あー恥ずかしい、もう少しおしとやかに行きたいものです。
クーゲルにはかわいそうですがこれも規律を守るためです。力を持つものは過ぎたる野心を持ってはいけないのです。
兄は手を回してプーリァとダンガンを買収していたのです。いいえ正確には買収したつもりになっていたのです。
ダンガンはそもそも私が結婚した場合筆頭をやめると聞いていたのでクーゲルに付いていただけで。私に対する悪意は皆無です。
プーリァは温い兄よりも冷酷な私の方が好みなようで元々従う気はなくお金だけもらって裏切る気でした。
そしてその情報は情報機関を持つグロブスから私に伝わっていました。
つまりクーゲルは悲しい道化だったのです。
「おいウジ虫野郎、次に顔を見せたらお前の運命こうだ」
”バキバキッ”
サングラスを右手で握りしめ粉々に砕くと下に向けパラパラと破片を落とします。
そして私は口の中のガムを取りだしクーゲルの目にガムを塗りつけニヤリと笑う。
「治療してやるよ、ギャハ」
ここまでが初代が考えた様式美です。
ちなみにプーリァの口調はこの初代の様式美を真似ているのです。
こんなの恥ずかしいだけなのに。
クーゲルが引きずられ出ていったあと私はみんなに聞きます。
「これやらなきゃダメ?」
「「「「「「様式美ですから」」」」」」
皆が声を揃えてそう言うと私は肩を落とす。できれば裏切りは二度と出ませんようにと神に祈って。
「クーゲル公爵は私の意見に反対と言うことでよろしいですか?」
兄のクーゲルはことごとく私の意見に反対してきた。今回もまた反対に回るのだ。
「ああ、もちろんだ。みんなも、そう思うだろ」
クーゲルはプーリァ公爵やダンガン公爵を見て言うが二人はその言葉に反応を示さない。クーゲルの予定では二人はクーゲルの意見に賛同する予定だったのだ。
「なあ、ダンガン、プーリァお前たちもそう思うだろ?」
「ふん、馬鹿なブリジット様を侮辱されて黙っていられるわけがなかろう」
「フヒィ、俺は姫様についた方が面白そうだからあんたとの密約は破棄するわ」
「なっ!」
プーリァの言葉で一気に場に緊張が走る。つまりクーゲルは私を裏切ったと言うことなのだ。
クーゲルの額からだらだらと汗が流れ落ちる。
「クソ! 殺られる前に殺ってやる 来なさいMP5!」
クーゲルは私の目に向かい光線銃を放つ。しかし、その一撃は私の目を焼くことはなかった。
私は机の上に足を投げ出すとメガネをクイッとあげ、ガムをクチャクチャと食べる。これはこのメガネを装着したときの作法なので恥ずかしいが成りきってやっている。
「なっ! なんだそれは!」
「私から説明しましょうかクーゲル公爵。それはシューティング用サングラスです。あのメガネをかけている限りあなたの攻撃は筆頭様にはすべて無効化されます」
同じ物を出せる闇を司るグロブスが私に変わりクーゲルに説明をする。
「そんな馬鹿な!」
クーゲルは何度も何度も私に光線銃を撃つが完全にノーダメージの私を見て愕然とする。
「兄貴さ、私は何度もあんたにチャンスを与えたよね」
ちなみにこのしゃべり方も作法なのです。こんな作法を作った初代を殺したいです。
「公爵に向かって兄貴とは無礼ではないか。筆頭とは言え許されないぞ」
「残念だよ兄貴、あんたは今から公爵じゃなくなる。スキル:アウトオブガンチュー、あんたからスキルを奪い弟に譲渡する」
「なっ! 来なさいMP5! MP5!」
クーゲルが何度も銃の名を叫ぶが銃は召喚されることはなかった。
「無駄ですよ兄さん」
扉を開けてクーゲルの弟であり、私の弟でもあるバレッタが現れた。その手には光線銃のMP5を携えて。
「それは俺の物だ! 返せ!」
光線銃を奪おうとバレッタに襲いかかるが。バレッタは真面目な子で普段から鍛えており銃がなくても力の差は歴然なのである。
殴り飛ばしたクーゲルを片足で押さえつけると顔に銃口を向ける。
「さよなら兄さん」
別れの言葉のあと引き金が引かれクーゲルの目を赤い光が焼く。両目を撃たれクーゲルの目は白く濁る。
「ぎゃぁー! 目が、目が、俺の目が!」
目を両手で押さえて騒ぐがバレッタは表情一つ変えずに兄であるクーゲルを見下ろす。
「セバス、後の処理は任せた、そいつを国外に捨ててこい」
「ハッ! バレッタ公爵様」
「何で俺のスキルが、何でだ!」
「おいウジ虫野郎、私が筆頭なのは伊達じゃねぇんだよ。お前ら六大公爵の能力を奪って他人に付与できるんだよ、筆頭様はよぉ。残念だったな、おにいちゃん。ギャハ」
あー恥ずかしい、もう少しおしとやかに行きたいものです。
クーゲルにはかわいそうですがこれも規律を守るためです。力を持つものは過ぎたる野心を持ってはいけないのです。
兄は手を回してプーリァとダンガンを買収していたのです。いいえ正確には買収したつもりになっていたのです。
ダンガンはそもそも私が結婚した場合筆頭をやめると聞いていたのでクーゲルに付いていただけで。私に対する悪意は皆無です。
プーリァは温い兄よりも冷酷な私の方が好みなようで元々従う気はなくお金だけもらって裏切る気でした。
そしてその情報は情報機関を持つグロブスから私に伝わっていました。
つまりクーゲルは悲しい道化だったのです。
「おいウジ虫野郎、次に顔を見せたらお前の運命こうだ」
”バキバキッ”
サングラスを右手で握りしめ粉々に砕くと下に向けパラパラと破片を落とします。
そして私は口の中のガムを取りだしクーゲルの目にガムを塗りつけニヤリと笑う。
「治療してやるよ、ギャハ」
ここまでが初代が考えた様式美です。
ちなみにプーリァの口調はこの初代の様式美を真似ているのです。
こんなの恥ずかしいだけなのに。
クーゲルが引きずられ出ていったあと私はみんなに聞きます。
「これやらなきゃダメ?」
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皆が声を揃えてそう言うと私は肩を落とす。できれば裏切りは二度と出ませんようにと神に祈って。
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