冒険者狩りをしている青年の表稼業

雪鵠夕璃

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第一幕:【魔盗団】殲滅作戦編

【禁忌指定魔獣】

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【禁忌指定魔獣】--それは東西南北それぞれにある神殿に封印されていた四体の魔獣。そして東の神殿【死王神殿】に【グリフェンリード】が封印されている。また、国王の話によれば、あの遺跡は東都クランセマムが誇る最強の聖騎士団によって守護されているという話であり、どう考えても封印を解く事は不可能。しかし、カズト達の前に『ソレ』がいる。数千年前にこの世界を蹂躙した魔獣の一体が駆け出しの遺跡と呼ばれる【ラビル遺跡】に現れた。確かに文献によれば『【禁忌指定魔獣】は神出鬼没の存在であり、誰にも捉えることは出来ない】と記されていたが、よりにもよってこんな場所に来るとは誰が予想できただろうか。

「…ぁ」

未だに声が出せず、全身が恐怖に絡め取られて動かない。そんな彼らを視界に捉えた【グリフェンリード】が不気味な程に紅く爛々と輝く瞳をより一層妖しく輝かせる。そして見た目には不釣り合いな程の加速力でカズト達へと巨大な腕を振り抜いた。グワンッと丸太並みの太さをした腕が迫る。視界に捉えるよりも早くカズト達の体は吹き飛ばされた。避ける動作なんて間に合わない程の速さに壁に激突した後に彼らは腕で吹き飛ばされたのだと理解する。たった一撃で意識が朦朧としている。視界は頭から垂れる血と痛みでほとんど霞んでいる。地面に触れる手が足が力を入れようとしても動かない。咄嗟に反応できた者なんて一人もいなく、全員が全員瀕死状態だ。

「…ここで…終わるのかよ」

カズトは痛みに苛まれながら泣きそうな声で何とか言葉を吐き出した。冒険者になれて、頼もしい仲間達と出会って、これからやっと新しい景色を…皆で見るはずだった。

「なのに…なんでだよ」

存在してはいけないはずの【禁忌指定魔獣バケモノ】が目の前にいるんだ、と。どうして自分達の邪魔をするんだ、と。後悔と怒りと絶望がカズトの心を支配する。復讐心なんて湧いてこない。勝てないのはわかりきっていて、きっとこれが運命なんだ、と嫌でも頭が理解してしまう。

「くそ…くそぉぉおおおお!!」

カズトは血を吐き出す勢いで叫ぶ。悔しみの全てを言葉に乗せて。それが誰かに届くことなんてないとわかっていても。そんな彼らに【グリフェンリード】は容赦の無い追撃を行う。今度は何も無い空間から巨大な骨で形成された両刃剣を取り出して、振り下ろした。

……終わった。

カズト達は死を悟った。

冒険の終わりを悟った。

「あぁ…もっと冒険したかったなぁ」

カズトが後悔の言葉を残した瞬間、両刃剣が彼らの体を叩き潰s--

「【絶魔収束砲アリュブレート】」

ズドッと赤黒い輝きを帯びた奔流が【グリフェンリード】の巨体を吹き飛ばした。

「…な…なにが?」

徐々に意識が途切れそうになりながらも、カズト達が最後に視界に捉えたのは--

「アレ死んだか?後輩君」

黒髪(髪先に赤いメッシュ)の駆け出し冒険者風の格好をした青年と、

「いえ、まだ死んでないですね。先輩もアレも」

細身の体には不釣り合いな長大の銃剣ガンブレードを構えた女性の姿だった。
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