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第一章:神聖リディシア王国襲撃編
剣竜と時竜 ①
しおりを挟む「懐かしい魔力を感じて時間をいじったのは正解だったみたいね」
ミリアーナは、神使徒に怯むことなく微笑みを浮かべて告げる。何を言ってるのか俺には理解できない。ミリアーナはさっき時間をいじったと言ったか?そんなことが人間に可能なのか?というか、今がどのくらいの時間帯なのか俺にはわからない。だが、神使徒はその言葉の意味が分かったらしい。
『【時間支配】か。相変わらず貴様の時間魔法は忌々しいな』
先程まで余裕な笑みを浮かべていた神使徒が不快な表情へと顔を歪ませる。
「ええ、そうよ。この付近だけの時間を少しだけ巻き戻したの。彼等がその剣に貫かれる前--貴方が時間を発動する時間帯までね」
ミリアーナは何が起こったのかを説明した。
…ん?今、俺達があの剣に貫かれる前って言ったか? その言い方だと、俺達が貫かれてたって事に…
『神の使徒である我にまで干渉するその魔法。
流石は我と同じ【六神竜】の一体である時竜【クロノ・ラーズ】。起こった出来事を無かったことに出来る力は数百年経っても衰えてないようだな』
神使徒は相変わらず表情を不快なものにさせたまま告げる。それに対し、ミリアーナは微笑を返す。なんというか2人は仲が悪いみたいだ。というか、ミリアーナが時竜ってどういう事だ?要するに神使徒と同じ存在なのか?
「それで正解よ、アクツ・エイタ君」
「…ふぇ!?」
俺の思ったことが聞こえた!?もしやエスパー!?
「そのエスパーってのがなんなのか分からないけど、私は心を読み取る【心読の加護】を生まれつき持ってるの。だけど、この加護は少し複雑で、ものすごく便利ってわけじゃないのよ」
ミリアーナはそう説明して、手元に出現させた杖をクルクルと回す。そして何かを思い出したのか、彼女は呆けたシエラに声をかける。
「ねぇ、シエラ」
「あ、ひゃい!?」
「私が渡した手紙はしっかり王様に渡したの?」
「・・・あ」
シエラが何かを思い出して冷や汗を垂らす。気のせいか一気に部屋の温度が下がったような…
「ふぅん、そう。まだ渡してないのね?」
ミリアーナが冷たい笑顔を浮かべる。なんか怖い。笑顔がめっちゃ怖い。まぁ、俺には関係ない事だから頑張れ、シエラ。
「あ、いや…その…神使徒のせいで渡す暇がなかったんです!!」
『…は?』
シエラに指をさされた神使徒が訳分から無いという顔で首を傾げる。すると先程までシエラに向けられていた冷たい視線と杖が神使徒の方へと向けられ--
「【縛】」
『…むぐっあ!?』
短い詠唱と共に、杖から放たれた光の輪に全身をぐるぐる巻きにされた。
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