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第一章:神聖リディシア王国襲撃編
新たな問題
しおりを挟む「ずっと待っていた。新たな【導き手】がこの地に召喚される時を。会えて光栄だ、我らが希望よ」
隻眼の男は意味不明な事を告げながら、大きな岩から降り、俺に笑いかけた。いきなりのこと過ぎて、この状況に頭が追いつかない。
「・・・・」
「ボーッとしてどうした? 【導き手】の少年」
隻眼の男が首を捻る。
「・・・!? だ、誰だお前!?」
フリーズしていた思考を無理矢理戻して、俺は質問をなげかける。声が上ずったのは仕方ない。強面の方は苦手だもの。
「あぁ、そうえば名乗ってなかったな。俺は、ファラ・クロウェ。気軽にファラと呼んでくれ、【導き手】の少年」
隻眼の男、ファラはそう名乗った。そして俺の返事を待たずに口を開く。
「さっきは、ツレのアホが迷惑をかけた。代わりに俺が謝罪しよう。すまなかった」
「・・・アホ?」
誰のことを言っているのか分からない。
「えっと・・・ツレのアホというのは?」
俺は恐る恐るファラに尋ねる。その問に対し、
「ん? 誰って、そりゃもちろ--」
「【凛月華晶】!!」
ファラが【ツレのアホ】について話す瞬間、目の前の地面に瑠璃色の華の結晶が出現、破裂した。それによって生じた破片達が全方位へと放たれた。
「・・・ひぃう!?」
「--ちっ」
突然の攻撃に俺は尻もちをつく。それに対し、ファラは驚く素振りも見せず、自分に向かってくる破片達を叩き落としていく。
「な、なんだよ…これ」
「【凛月華晶】。華晶魔法の一つよ。不思議な格好をした少年君」
呟いた声に答えたのは、ファラではなく女性(?)の声だ。
「・・・うぉ!?」
ただでさえバランスの悪い尻もちをしているのに、さらにバランスを崩す。そんな俺の反応に隣の誰かは笑い、手を差し伸べてきた。その手を恐る恐る握り返して、俺は身を起こす。
「あ、ありがとう」
俺は手を差し伸べてきた誰かに視線を向ける。その際にその誰かの姿を捉えた。
見えるのは、整った顔とローブから少し覗く小豆色の髪と黄金色の瞳。恐らく俺より年下だと思うのだが、少年呼びをするということは年上なんだろう。異世界だし合法ロリとか合法ショタがいても普通か。
「しかし、なんでこんな所に君はいたの?それもアイツと」
ローブの少女(?)は、未だに飛び交っている破片達を弾くファラを指さして質問してくる。その質問に答えたいがどう説明すればいいのか。別に来たくてここにきたわけじゃない。自分の意思とは関係なく、勝手にここまで来ていたのだ。
「まぁ、いっか。元々、ここに来たのは【導き手】に会うためだったわけだし。って事で、少年。 導き手がどこにいるか知ってるかな?」
「・・・あ、会ってどうするんだ?」
まだこいつが味方だとは限らない。導き手の俺にどんな目的で会いに来たのか、分かるまでは打ち明けないようにしなければ。俺はゴクリと生唾を飲み込み、ローブの少女(?)の答えを待っていると、
「おいおい、そこのクソガキ。我らが希望である導き手様に近づいてんじゃねえよ。殺すぞ?」
「・・・うぉおおおおおい!?」
ファラの発言に、俺は思わず叫んでしまった。ただ、それは仕方ない。せっかく、導き手であることを明かさずに、目的を聞こうとしてたのに。ファラのせいで失敗だ。
「・・・君、導き手なの?」
ローブの少女(?)が首を傾げる。最悪だ。これ、どうしようもねえ。
「あ、はい」
俺は諦めて頷く。なんか誤魔化した所で意味は無いだろう。それなら諦めた方がとても楽。昔からそんな感じだったし、最初から隠す必要なかったわ。
「・・・・」
ローブの少女(?)は少し黙り込む。謎の沈黙。そして、
「やっと見つけた!ずっと探してたんだよ!!君の事を!数千年前からずっと!! もう逃がさない!二度と私の前から消えないでね!ユキト!!」
俺を離しまいと強力な抱擁と共に、別人の名前を告げた。
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