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第一章:神聖リディシア王国襲撃編
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しおりを挟む『いやぁ、お見事です。キリカ様』
パチパチと拍手の音を鳴らしながら、ゼノが姿を現す。あの男を倒したことにより、既にコロシアムを覆う闇は消えている。
「これくらいなんてことは無い」
私は【炎妃燐帝】を解除する。それに伴い、エレミラが姿を現す。
『ふぅ。久しぶりに働いたから肩が凝ったわ~』
エレミラは大きく伸びをして、息を吐く。頑張ったのは私だと言うのに、何が疲れるのだろうか。
「用は済んだから、帰りなさい。エレミラ」
『むぅ。何よ、その言い方は』
頬を膨らましてむくれるエレミラ。
「そういうのいいから、早く帰って。貴方の姿をココに維持するのに無駄な刀気を使いたくないの」
『はいはい。分かったわよ。帰ればいんでしょ、帰れば』
怒りながらもエレミラは姿を消していく。口ではああいうが言うことを聞いてくれる辺りはまぁ、ありがたい。
『さて、一悶着着いた様ですし、次の試練会場へ送っても構いませんか? キリカ様』
ゼノは手のひらを何も無い空間に向ける。すると、魔法陣が展開され白い扉が姿を表した。どうやらこの扉をくぐればいいようだ。
「少し待ってくれる。 あの子に言っておきたいことがあるの」
私は観客席にいるシエラに視線を向ける。
『えぇ、構いませんよ。ただ、試練のヒントはありませんので、教えた所で試練が楽になることはありません』
「それくらい知ってるわ。私が伝えたい事はそんな事じゃない」
『そうですか。では、ごゆっくりどうぞ』
ゼノが恭しく頭を下げる。
「えぇ、ありがとう」
そう言葉を返して、私は観客席へと飛び移る。
「あっ、お、お疲れ様です! キリカさん」
私に気づき、労いの言葉をかけるシエラ。彼女はきっと勇者になれる素質はないだろう。ミレルの試練の光景を見て彼女は怯えていた。恐らく血を見るのが苦手なのだろう。そんな彼女にこの試練がクリアできるとは思えない。
「えぇ、ありがとう」
「次は第2試練ですね!頑張ってください」
シエラは他人事のように言う。今度は自分が第1試練に挑むというのに。
「当然よ。それよりも今は自分の事に集中なさい。次はあなたの番でしょ」
「・・・えぇ、まぁ、そうですね。でも私は試練を突破できると思えないので棄権しようかなって」
ははは、と無理して笑うシエラ。
「確かにそうね。今のあなたじゃ絶対にクリアする事は出来ない」
「・・・ですよね。私、ゼノさんに棄権するように行ってきます」
そう言い残してゼノの元へと向かおうとするシエラに、
『ふむ、シエラ様は棄権なさるおつもりですか』
突然、近くにゼノが姿を現した。
「ですが、それは不可能でございます。この試練は棄権出来ません。ただ、どうしても棄権したいのであれば--」
指を鳴らすと、空間に映像が映し出される。そこに映るのは、1人の青年とローブ少女と隻眼の男。
『この映像を見ていただければ何が言いたいか分かりますね? シエラ様』
ゼノはシエラにそう告げる。私にはなんの事だか分からないが、シエラはどういう事か分かるらしい。なんというか、私だけ置いてけぼりなのは腑に落ちない。
「や、やめてください!か、彼だけは!!?」
シエラは必死な形相でゼノにすがりつく。そんな彼女を見て、ゼノは歪んだ笑みを浮かべ、
『それはシエラ様の選択次第です。どうなさいますか?試練を受けるか、棄権するか。 さぁ、選んでください。 シエラ・プルーティア』
そう告げた。
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