転生した俺、弱虫勇者の保護者(えいゆう)になりました

雪鵠夕璃

文字の大きさ
76 / 117
第一章:神聖リディシア王国襲撃編

禁忌種悪魔と呼ばれる者たち③

しおりを挟む
展開された四色の魔方陣。これは私が得意とする【四属魔法しぞくまほう】。四大元素の火、水、風、土の魔法を扱うことが出来る力。この力は父と母が各々扱う2属性同士が足されたもの。要するに親2人の力を平等に受け継いだのだ。

「【|四属魔法】…。 なるほど、貴方が【救英ノ戦乙女センテュリア・メイディス】の後継者ですか」

長い黒髪の後ろを結わえたポニーテールをした男性…(確か【刻夭】と呼ばれていた)が私を見て告げる。

「ただ、まだ【戦乙女ノ救剣メイディス・リュテナ】を使えないようですね」

「へぇ。って事は俺らの脅威にならねえって事だよな」

半裸に短パンを履き、腰に赤い布を巻き付けた野生の様な男性(【蝕餮グレヘミア】と呼ばれていた)が肉食獣の様に鋭く尖った牙を見せびらかすかのように口元に笑みを刻む。

「ははは。【蝕餮グレヘミア】、面白い事を言うね。そもそも僕らに脅威的存在があるとでも? いや、あるわけないじゃないか!! だって、僕らは【禁忌人体ディコード】の五人なんだから!!」

蝕餮グレヘミア】の言葉に対して楽しそうに笑う白髪に赤眼の青年(【戎空】と呼ばれていた)がそう言い放つ。

「くかかか!! 無駄話はいいからよお!早くこいつ等をぐちゃぐちゃの肉塊にさせろよ!さっきから殺りたくて殺りたくて体がうずうずしてんだ」

パッと見は細身のひ弱な青年といった印象を抱かせるが、彼から発せられる殺気はその印象を一瞬にしてかき消す程に私の身体を突き刺してくる。確か【鬼克】と呼ばれていたはずだ。

「静かになさい、【鬼克】。 今回の目的は【英雄芽アルトゥ・メイヤ】と【蒼聖英雄ティアール・メノ】を奪うこと。無駄に死体を増やした所で私達にメリットはないわ」

そう【鬼克】を宥めるのは、美しい女性だ。露出高めの黒い服で全身を覆っており、頭から二本の角が生えている。彼女は【冥姫ヴィヘラド】と呼ばれていたはずだ。

この五人が本当に【禁忌記録べレナ・レコード】に記されている禁忌種悪魔なら、能力はどれも災厄を生み出すレベルの恐ろしさだ。話によれば、禁忌種悪魔一体を討滅するのに犠牲者15万人は当たり前らしい。

『やれやれ。まさか【禁忌人体ディコード】が一気に五体も。流石の私も本気を出さないとですね』

ゼノは再生し終えた腕を振りながら、一呼吸。

『【神器記録ラグナ・レコード】ページ12』

空中に突然現れた一冊の本。それはゼノの言葉に従いペラペラとページが捲られていく。そして指定されたページ数で捲る動きが止まり、本が光る。

『【神器リコード】No.12【恐怨ノ神爪アギナ・へドゥン】』

今度は番号と名前を呼んだ。すると、本から黒で塗り潰された鉤爪が姿を顕した。

ゼノが呼び出した【神器記録ラグナ・レコード】は、あらゆる神器が記されている書物だ。そしてその本から神器を召喚できるのは神とその使いだけと言われている。ごく稀に人の身でありながらこの本を扱おうとした者もいたが、誰一人成功することはなく、魂を本に喰われた。それもあり普段は書神【ミセレノ】が管理しているとの話だ。

『彼女から【神器記録ラグナ・レコード】を一時的に借りれる【権限コード】を教えて貰ったおかげで助かりました。私のこの神器があれば貴方達を殺すのも容易い』

ゼノは本から喚び出した黒い鉤爪を右手に装着した。そして、

『さて、恐怖の宴の始まりです』

その一言と共に姿が消え、1秒も経たずに、五体の【禁忌人体ディコード】の背後に姿を再度現した。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

地味スキル「ためて・放つ」が最強すぎた!~出来損ないはいらん!と追い出したくせに英雄に駆け上がってから戻れと言われても手遅れです~

かくろう
ファンタジー
【ためて・放つ】という地味スキルを一生に一度の儀式で授かってしまった主人公セージ。  そのせいで家から追放され、挙げ句に異母弟から殺されかけてしまう。  しかしあらゆるものを【ためる】でパワフルにできるこのスキルは、最高ランクの冒険者すらかすんでしまうほどのぶっ壊れ能力だった!  命からがら魔物の強襲から脱したセージは、この力を駆使して成り上がっていく事を決意する。  そして命の危機に瀕していた少女リンカニアと出会い、絆を深めていくうちに自分のスキルを共有できる事に気が付いた。 ――これは、世界で類を見ない最強に成り上がっていく主人公と、彼の元へ集まってくる仲間達との物語である。

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

テンプレ最強勇者に転生したら魔女が妻になった

紡識かなめ
ファンタジー
七つの大陸、それぞれを支配する“七大魔女”── 魔力あふれる世界《アルセ=セフィリア》は、魔女たちによる統治と恐怖に覆われていた。 だが、その支配に終止符を打つべく、一人の男が立ち上がる。 名はルーク・アルヴェイン。伝説の勇者の血を引く名家の出身でありながら、前世はただの社畜。 高い魔力と最強の肉体、そして“魔女の核を斬ることのできる唯一の剣”を手に、彼は世界を平和にするという使命にすべてを捧げていた。 ──しかし、最初に討伐した《闇の魔女・ミレイア》はこう言った。 「あなたの妻になります。魔女の掟ですから」 倒された魔女は魔力を失い、ただの美少女に。 しかもそのまま押しかけ同居!? 正妻宣言!? 風呂場に侵入!? さらには王女や別の魔女まで現れて、なぜか勇者をめぐる恋のバトルロイヤルが始まってしまう!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

処理中です...