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第二章 すれちがいの、その先に
はじまる気持ち
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体育祭当日。
朝から快晴の空が広がり、校庭には活気があふれていた。
クラス対抗リレーの最終種目。
和真は、バトンを握りしめながらスタートラインに立つ。
「位置について……よーい、ドン!」
和真が力強く走り出し、第一走者として全力で駆け抜ける。
バトンは無事に最終走者の憧子の手に渡った。
憧子は全速力でトラックを駆け抜けた。
最後の直線。
背後から迫る和真の声が聞こえた気がした。
――届け、この気持ち。
憧子がゴールラインを越えた瞬間、和真が近づき、ふたりは自然にハイタッチを交わした。
その瞬間、憧子の胸の中に小さな波紋が広がった。
和真の手の温もり、彼の真剣なまなざしが、心の奥に響く。
***
その様子を離れた場所から見ていた航太は、胸がぎゅっと締めつけられるのを感じた。
(あの瞬間、何かが……変わった)
憧子と和真が交わしたあの一瞬のハイタッチ。
それは、ただの喜びの合図以上のものに見えた。
焦り、嫉妬、そして自分でも認めたくない感情。
それらが一気に心の中を駆け巡る。
(俺は……どうしたらいいんだ)
***
体育祭は盛大に終わり、クラスは優勝を喜び合っていた。
憧子は、片付けを手伝っていたが、足元がふらつき、転んでしまう。
「痛っ……」
膝から血がにじみ出ていた。
「大丈夫?」
和真がすぐに駆け寄り、優しく声をかけた。
「保健室まで運ぼうか?」
憧子は恥ずかしそうにうなずく。
***
保健室のベッドに腰かけた憧子の手を、和真はそっと握った。
「憧子、ずっと言いたかったんだ」
彼の目は真剣で、揺るぎなかった。
「俺は、ずっと前から……憧子のことが好きだ」
憧子は驚きと戸惑いが入り混じった表情で和真を見る。
「たぶん、俺が一番近くにいるのに、言えなかっただけかもしれない」
「これからは、後悔したくない。俺の気持ち、ちゃんと伝えたいんだ」
***
その時、廊下のドアの外に、小さく足音が聞こえた。
航太だった。
静かにその場を離れる彼の背中は、どこか切なくもあり、決意に満ちていた。
(俺も、ちゃんと伝えなきゃ)
朝から快晴の空が広がり、校庭には活気があふれていた。
クラス対抗リレーの最終種目。
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「位置について……よーい、ドン!」
和真が力強く走り出し、第一走者として全力で駆け抜ける。
バトンは無事に最終走者の憧子の手に渡った。
憧子は全速力でトラックを駆け抜けた。
最後の直線。
背後から迫る和真の声が聞こえた気がした。
――届け、この気持ち。
憧子がゴールラインを越えた瞬間、和真が近づき、ふたりは自然にハイタッチを交わした。
その瞬間、憧子の胸の中に小さな波紋が広がった。
和真の手の温もり、彼の真剣なまなざしが、心の奥に響く。
***
その様子を離れた場所から見ていた航太は、胸がぎゅっと締めつけられるのを感じた。
(あの瞬間、何かが……変わった)
憧子と和真が交わしたあの一瞬のハイタッチ。
それは、ただの喜びの合図以上のものに見えた。
焦り、嫉妬、そして自分でも認めたくない感情。
それらが一気に心の中を駆け巡る。
(俺は……どうしたらいいんだ)
***
体育祭は盛大に終わり、クラスは優勝を喜び合っていた。
憧子は、片付けを手伝っていたが、足元がふらつき、転んでしまう。
「痛っ……」
膝から血がにじみ出ていた。
「大丈夫?」
和真がすぐに駆け寄り、優しく声をかけた。
「保健室まで運ぼうか?」
憧子は恥ずかしそうにうなずく。
***
保健室のベッドに腰かけた憧子の手を、和真はそっと握った。
「憧子、ずっと言いたかったんだ」
彼の目は真剣で、揺るぎなかった。
「俺は、ずっと前から……憧子のことが好きだ」
憧子は驚きと戸惑いが入り混じった表情で和真を見る。
「たぶん、俺が一番近くにいるのに、言えなかっただけかもしれない」
「これからは、後悔したくない。俺の気持ち、ちゃんと伝えたいんだ」
***
その時、廊下のドアの外に、小さく足音が聞こえた。
航太だった。
静かにその場を離れる彼の背中は、どこか切なくもあり、決意に満ちていた。
(俺も、ちゃんと伝えなきゃ)
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