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第四章 変わってく、君と私
夕暮れに、気づいたこと
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秋の風が吹く夕方。
部活を終えた陽菜は、駅前のスーパーでお菓子を買って、スマホをいじりながら歩いていた。
(航太、今何してるかな……)
メッセージを打とうとした、そのとき――
「陽菜っ!」
誰かの叫び声。
と同時に、視界の端から、車のライトがまっすぐ向かってくるのが見えた。
「えっ……!」
体がすくんだ瞬間――腕をぐっと引っ張られた。
「バカ、前見ろよ!」
勢いで歩道に倒れ込んだふたり。
腕の中に陽菜をかばうようにしていたのは、航太だった。
「こうた………」
「はあ……マジで……心臓止まるかと思った」
航太の手が、小さく震えていた。
陽菜は、咄嗟に涙があふれた。
「ご、ごめん……スマホ見てて……」
「だからバカって言ってんだよ……」
言葉は荒いけれど、その声はどこか優しくて、温かかった。
沈黙の中、しばらく見つめ合うふたり。
陽菜の頬に風が吹き、夕焼けの色がやわらかく二人を包んだ。
「……俺、たぶん陽菜のこと……」
「え?」
「いや、もう、たぶんじゃない。
……好きだって、思ってる。マジで。
今日みたいなことがあったら、もう後悔したくない」
陽菜の目から、またぽろっと涙が落ちた。
けど、今度は泣き顔のまま、笑っていた。
「やっと言った……ずっと待ってたよ」
航太は、照れくさそうに頭をかいたあと、そっと陽菜の手を握った。
秋風に吹かれながら、ふたりはゆっくりと歩き出した。
──
一方その頃。
和真と憧子は、帰り道も言葉少なだった。
「最近、忙しいよね。お互い」
「うん……うちの部も大会前だし」
「……なんか、俺たち、会話減ったなーって思ってさ。気のせい?」
「そんなこと、ないよ」
そう笑った憧子の横顔は、どこか少し寂しそうで。
和真はその違和感を、胸の中でぐっと押し込んだ。
秋の空が、淡く赤く染まっていく。
ふたりの心にも、少しずつ陰りが見え始めていた――。
部活を終えた陽菜は、駅前のスーパーでお菓子を買って、スマホをいじりながら歩いていた。
(航太、今何してるかな……)
メッセージを打とうとした、そのとき――
「陽菜っ!」
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と同時に、視界の端から、車のライトがまっすぐ向かってくるのが見えた。
「えっ……!」
体がすくんだ瞬間――腕をぐっと引っ張られた。
「バカ、前見ろよ!」
勢いで歩道に倒れ込んだふたり。
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「こうた………」
「はあ……マジで……心臓止まるかと思った」
航太の手が、小さく震えていた。
陽菜は、咄嗟に涙があふれた。
「ご、ごめん……スマホ見てて……」
「だからバカって言ってんだよ……」
言葉は荒いけれど、その声はどこか優しくて、温かかった。
沈黙の中、しばらく見つめ合うふたり。
陽菜の頬に風が吹き、夕焼けの色がやわらかく二人を包んだ。
「……俺、たぶん陽菜のこと……」
「え?」
「いや、もう、たぶんじゃない。
……好きだって、思ってる。マジで。
今日みたいなことがあったら、もう後悔したくない」
陽菜の目から、またぽろっと涙が落ちた。
けど、今度は泣き顔のまま、笑っていた。
「やっと言った……ずっと待ってたよ」
航太は、照れくさそうに頭をかいたあと、そっと陽菜の手を握った。
秋風に吹かれながら、ふたりはゆっくりと歩き出した。
──
一方その頃。
和真と憧子は、帰り道も言葉少なだった。
「最近、忙しいよね。お互い」
「うん……うちの部も大会前だし」
「……なんか、俺たち、会話減ったなーって思ってさ。気のせい?」
「そんなこと、ないよ」
そう笑った憧子の横顔は、どこか少し寂しそうで。
和真はその違和感を、胸の中でぐっと押し込んだ。
秋の空が、淡く赤く染まっていく。
ふたりの心にも、少しずつ陰りが見え始めていた――。
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