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第2章 わたしの夢
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わたしの前にペンライトの光くんが表れてから、一週間がたちました。
彼と一緒に住んでみて思うこと。うん、重い。
彼の体重がじゃないよ。
背が高くて手足が長いけれど、モデルみたいに体が引きしまっているし。
距離感っていうか、まとわりついてくる回数っていうのかな。
ご主人様にべったりな大きめなワンちゃんみたいなんだ。
ちなみにわたしがご主人様ポジション。
わたしが宿題をしている時も隣、夕飯を作ってるときも隣。
部屋でお芝居の練習をするときは、ベッドに座り真ん前からわたしだけを一点集中。
ペンライトのごとく『ひまり、演技上手』ってキラキラの笑顔で拍手をしてくるから、集中力が切れちゃうし。
ノエル君のライブ映像を楽しもうとするとほっぺがプクリ。
『俺だけを見て欲しい』と、ふてくされるの。
夜はわたしのベッドにもぐりこもうとするから
『寝るときは自分の部屋でしょ!』
背中を押して部屋から追い出すんだけど
『ひまりが学校に行ってる間は一人だから、家にいる時はずっと一緒にいたい』
耳が垂れたワンちゃんみたいにシュン。
悲しんでますと言わんばかりに背中を丸めて、とぼとぼと自分の部屋に行く光くんを見てると、かわいそうになっちゃう。
ううん、適度な距離感は大事大事。
もともとペンライトだからって、警戒心はちゃんともっていないと。
「ひまり、もう中学に行く時間?」
玄関で靴をはいたわたしの袖を、光くんがひっぱった。
「俺も早く中学に行きたい」
騎士のように凛とした顔面パーツが、悲し気にたれ下がっている。
キラキラ笑顔の時と落ちこんでいる時のオンオフがはっきりしているところは、やっぱりペンライトだなって思っちゃう。
光くんの顔に照度が戻りますようにと願い、わたしは声を弾ませた。
「わたしと同じ中学に通える許可が出てよかったね。書類を出したりする手続きさえ終われば中学に行けるから、もう少しの辛抱だよ」
「今日は陽葵を学校まで送ってく」
「いいよ」
「じゃあ俺も靴を履いて」
「違う、反対、送っていかなくていい、っていうかダメだよって意味」
「どうして?」
「昨日の夕がた、二人でコンビニに行ったでしょ」
「陽葵とのお散歩、楽しかったぁ。今度は公園にピクニックに行ってみたいな。一緒にお弁当作ろう」
顔にキラキラが戻った光くんに、わたしはため息を吐く。
「光くん、すれ違う人を睨みすぎだった」
「だってみんなが陽葵のことを狙ってたから」
どんな目をしていれば、そんな勘違いが生まれちゃうかな。
「誰もわたしになんて興味ないよ」
「そんなことない!」
「そんなこと、あ・り・ま・す!」
玄関をおり、靴をはいた光くんがわたしの耳に顔を近づけた。
「俺の特別はひまりだけだよ」
男らしい低音ボイス。
甘さを溶かした声を耳に吹きかけてきたから、心臓がズキュンとうずく。
え? 光くんの腕が絡みついてきたんだけど。
「あわわわわ、抱きつき禁止令が出てるでしょ!」
「今は俺のことを、ただのペンライトだと思って」
ムリだよ、ギュって抱きしめられてるし、体温感じちゃうし。
心臓だけじゃなく、脈まで飛び跳ねだしちゃったし。
「今の光くんは人間なんだから、離れて離れて!」
手のひらに力をこめる。
彼の胸をめいっぱい押して「行ってきます!」と、玄関の外に逃げ出した。
彼と一緒に住んでみて思うこと。うん、重い。
彼の体重がじゃないよ。
背が高くて手足が長いけれど、モデルみたいに体が引きしまっているし。
距離感っていうか、まとわりついてくる回数っていうのかな。
ご主人様にべったりな大きめなワンちゃんみたいなんだ。
ちなみにわたしがご主人様ポジション。
わたしが宿題をしている時も隣、夕飯を作ってるときも隣。
部屋でお芝居の練習をするときは、ベッドに座り真ん前からわたしだけを一点集中。
ペンライトのごとく『ひまり、演技上手』ってキラキラの笑顔で拍手をしてくるから、集中力が切れちゃうし。
ノエル君のライブ映像を楽しもうとするとほっぺがプクリ。
『俺だけを見て欲しい』と、ふてくされるの。
夜はわたしのベッドにもぐりこもうとするから
『寝るときは自分の部屋でしょ!』
背中を押して部屋から追い出すんだけど
『ひまりが学校に行ってる間は一人だから、家にいる時はずっと一緒にいたい』
耳が垂れたワンちゃんみたいにシュン。
悲しんでますと言わんばかりに背中を丸めて、とぼとぼと自分の部屋に行く光くんを見てると、かわいそうになっちゃう。
ううん、適度な距離感は大事大事。
もともとペンライトだからって、警戒心はちゃんともっていないと。
「ひまり、もう中学に行く時間?」
玄関で靴をはいたわたしの袖を、光くんがひっぱった。
「俺も早く中学に行きたい」
騎士のように凛とした顔面パーツが、悲し気にたれ下がっている。
キラキラ笑顔の時と落ちこんでいる時のオンオフがはっきりしているところは、やっぱりペンライトだなって思っちゃう。
光くんの顔に照度が戻りますようにと願い、わたしは声を弾ませた。
「わたしと同じ中学に通える許可が出てよかったね。書類を出したりする手続きさえ終われば中学に行けるから、もう少しの辛抱だよ」
「今日は陽葵を学校まで送ってく」
「いいよ」
「じゃあ俺も靴を履いて」
「違う、反対、送っていかなくていい、っていうかダメだよって意味」
「どうして?」
「昨日の夕がた、二人でコンビニに行ったでしょ」
「陽葵とのお散歩、楽しかったぁ。今度は公園にピクニックに行ってみたいな。一緒にお弁当作ろう」
顔にキラキラが戻った光くんに、わたしはため息を吐く。
「光くん、すれ違う人を睨みすぎだった」
「だってみんなが陽葵のことを狙ってたから」
どんな目をしていれば、そんな勘違いが生まれちゃうかな。
「誰もわたしになんて興味ないよ」
「そんなことない!」
「そんなこと、あ・り・ま・す!」
玄関をおり、靴をはいた光くんがわたしの耳に顔を近づけた。
「俺の特別はひまりだけだよ」
男らしい低音ボイス。
甘さを溶かした声を耳に吹きかけてきたから、心臓がズキュンとうずく。
え? 光くんの腕が絡みついてきたんだけど。
「あわわわわ、抱きつき禁止令が出てるでしょ!」
「今は俺のことを、ただのペンライトだと思って」
ムリだよ、ギュって抱きしめられてるし、体温感じちゃうし。
心臓だけじゃなく、脈まで飛び跳ねだしちゃったし。
「今の光くんは人間なんだから、離れて離れて!」
手のひらに力をこめる。
彼の胸をめいっぱい押して「行ってきます!」と、玄関の外に逃げ出した。
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