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優しい声を聞いた気がする。
懐かしい、哀愁を感じさせる人の声。
知っているのに知らない。
もう、会えないのに…。
「レティ。レティシア。気が付いた?」
夜空に青い星が煌めいている。
「ソウンディック様…?」
「ん。大丈夫?どこか辛いところはない?」
横たわった顔を覗きに込まれたせいで、ソウンディックの黒髪と瞳が夜空に見えたのか。
大分寝ぼけてたみたいで、ぼぅっとする。
「大丈夫です。あ、私、どうなりましたか?」
慌てて上半身を起こすが、ソウンディックに抱き抱えられてたため、顔が近い。
すっとソウンディックの指先が、優しく頬をなでる。
その感触で、自分が寝ながら涙を溢していたことに気が付いた。
思わず顔を背け、周りを見渡す。
「お、レティ、目を覚ましたか?凄かったな、大活躍だ。」
「アルベルト。」
「まさかあんなに派手にやらかすとは。カルテットも駆けつけるくらいだし、ソウンディックも顔負けだな。」
「アルベルト!」
上機嫌で畳み掛けるように話すアルベルトに、ソウンディックの眉間に皺が寄る。
声を荒らげた事で、アルベルトは話すのと歩みをピタリを止めた。
「あの、私、何かしたのでしょうか?」
刃物を突き付けられてからの記憶がない。
辺りを見渡せば、荷車の周りはアルトリアの騎士団が囲んでいるし、小路しかなかった道幅は、優に馬車がすれ違えるくらいに広くなっている。
木々が薙ぎ倒され、道を囲っていた草木も軒並み消えている。
何より魔物の姿も黒装束の者達の姿もない。
自分も、いつの間に崖下にやって来たのだろう。
「何でもないよ。ただその腕輪は取らないでね。」
にっこりと笑う。
目が笑ってない笑顔だ。珍しい。
言われてみれば、左手の手首に金の腕輪が着いている。
古めいた意匠だが、高級そうな細工だ。
「お兄さんからの贈り物だよ。怪我はしてるが、お兄さんは無事だ。カルテットが付き添っているから呼んでこよう。」
すっと立ち上がったソウンディックも、ピシッと着こなしていた軍服は、あちこちが穴だらけ。
靴もズボンも泥だらけだ。
いつもサラサラな髪も、汗で額に張り付いている。
一体、自分が知らない間に何が起きたのだろう。
困惑するレティを残し、ソウンディックはアルベルトの肩越しに小声で釘をさす。
「思い出させる事を言うな。感情が暴走したら今度こそ止められないぞ。」
「悪かった。気を付ける。」
顔色を変えて、こくこくとアルベルトは何度も頷いた。
懐かしい、哀愁を感じさせる人の声。
知っているのに知らない。
もう、会えないのに…。
「レティ。レティシア。気が付いた?」
夜空に青い星が煌めいている。
「ソウンディック様…?」
「ん。大丈夫?どこか辛いところはない?」
横たわった顔を覗きに込まれたせいで、ソウンディックの黒髪と瞳が夜空に見えたのか。
大分寝ぼけてたみたいで、ぼぅっとする。
「大丈夫です。あ、私、どうなりましたか?」
慌てて上半身を起こすが、ソウンディックに抱き抱えられてたため、顔が近い。
すっとソウンディックの指先が、優しく頬をなでる。
その感触で、自分が寝ながら涙を溢していたことに気が付いた。
思わず顔を背け、周りを見渡す。
「お、レティ、目を覚ましたか?凄かったな、大活躍だ。」
「アルベルト。」
「まさかあんなに派手にやらかすとは。カルテットも駆けつけるくらいだし、ソウンディックも顔負けだな。」
「アルベルト!」
上機嫌で畳み掛けるように話すアルベルトに、ソウンディックの眉間に皺が寄る。
声を荒らげた事で、アルベルトは話すのと歩みをピタリを止めた。
「あの、私、何かしたのでしょうか?」
刃物を突き付けられてからの記憶がない。
辺りを見渡せば、荷車の周りはアルトリアの騎士団が囲んでいるし、小路しかなかった道幅は、優に馬車がすれ違えるくらいに広くなっている。
木々が薙ぎ倒され、道を囲っていた草木も軒並み消えている。
何より魔物の姿も黒装束の者達の姿もない。
自分も、いつの間に崖下にやって来たのだろう。
「何でもないよ。ただその腕輪は取らないでね。」
にっこりと笑う。
目が笑ってない笑顔だ。珍しい。
言われてみれば、左手の手首に金の腕輪が着いている。
古めいた意匠だが、高級そうな細工だ。
「お兄さんからの贈り物だよ。怪我はしてるが、お兄さんは無事だ。カルテットが付き添っているから呼んでこよう。」
すっと立ち上がったソウンディックも、ピシッと着こなしていた軍服は、あちこちが穴だらけ。
靴もズボンも泥だらけだ。
いつもサラサラな髪も、汗で額に張り付いている。
一体、自分が知らない間に何が起きたのだろう。
困惑するレティを残し、ソウンディックはアルベルトの肩越しに小声で釘をさす。
「思い出させる事を言うな。感情が暴走したら今度こそ止められないぞ。」
「悪かった。気を付ける。」
顔色を変えて、こくこくとアルベルトは何度も頷いた。
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