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エディル·オーディル
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「家の為にレティを裏切るか?」
アルベルトの緑の瞳が危険な輝きを秘める。
「それなら始めからレティシアを引き取ってません。ただ、オーディル家は父の代には中立派だったはずです。今のような強行な旧王家派ではなかった。兄に代替りしたと噂で聞きましたが、私の知る兄は穏やかな人で、こんな乱暴な策に出る人ではない。正直、アルトリアに居ながら情報を集めるのも、レティシアを守るのも限界を感じています。」
ソウンディックは、何か知っているか?とカルテットを見るが、うーんと傾げる。
「報告出来ないような、噂程度のものしか掴めていません。エステザニアは話が聞ける精霊が少ないですし、政権が安定していないからか、整合性の取れない話が多いんです。」
「噂とは?」
「オーディル家がアルトリアを手に入れたとか、公爵家に幽霊が出るとか、入った者は帰って来ないとか。」
「何だそれ?」
「だから噂なんですって。」
肩を竦める。
「私はオーディルに戻ろうかと思っています。アルトリアで情報を精査するより、乗り込んだ方が出来る事も多そうですから。そこで、ですが、レティシアを殿下の庇護下に置いて頂けますか?」
「願ってもない!大歓迎だ。」
破顔するソウンディックをアルベルトが嗜める。
婚姻は別にしても、貴族の庇護があるのとないのでは、安全性がまるで違ってくる。
エステザニアの状況を考えれば、常に警備してもらえる場所に身を置く方が良い。
「貴族側の調整は家で引き受けよう。うちの子か辺境伯家の子になっても大丈夫か?」
「宰相家は、レティシアには荷が重いでしょう。」
アルベルトの提案に苦笑う。
アルベルト·ホーベルト。この帝国の要であるホーベルト公爵家の三男で、本人は騎士団に在籍しているが、父は宰相、兄二人は補佐官と事務官を任している一家である。
「あ、ご存知でしたか。」
「出来ましたら、レティシアには自由と選択肢をお与え下さい。それがリュクスの力を制御出来るようになる近道かと。」
「レティなら、十分うちでもやっていけると思うけど、まぁ、選んで貰えるようアピールするさ。」
「無理強いはダメですよ。」
「そんな事してみろ、怖い王子が飛んでくるぞ。」
指差された本人は、当たり前だと頷いている。
「レティシアには私から話しておきます。どうぞよろしくお願いいたします。」
「貴殿に何かあればレティが悲しむ。どうぞ御自愛下さい。」
ソウンディックと視線を交わし、お互いのワインを傾けた。
アルベルトの緑の瞳が危険な輝きを秘める。
「それなら始めからレティシアを引き取ってません。ただ、オーディル家は父の代には中立派だったはずです。今のような強行な旧王家派ではなかった。兄に代替りしたと噂で聞きましたが、私の知る兄は穏やかな人で、こんな乱暴な策に出る人ではない。正直、アルトリアに居ながら情報を集めるのも、レティシアを守るのも限界を感じています。」
ソウンディックは、何か知っているか?とカルテットを見るが、うーんと傾げる。
「報告出来ないような、噂程度のものしか掴めていません。エステザニアは話が聞ける精霊が少ないですし、政権が安定していないからか、整合性の取れない話が多いんです。」
「噂とは?」
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「何だそれ?」
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肩を竦める。
「私はオーディルに戻ろうかと思っています。アルトリアで情報を精査するより、乗り込んだ方が出来る事も多そうですから。そこで、ですが、レティシアを殿下の庇護下に置いて頂けますか?」
「願ってもない!大歓迎だ。」
破顔するソウンディックをアルベルトが嗜める。
婚姻は別にしても、貴族の庇護があるのとないのでは、安全性がまるで違ってくる。
エステザニアの状況を考えれば、常に警備してもらえる場所に身を置く方が良い。
「貴族側の調整は家で引き受けよう。うちの子か辺境伯家の子になっても大丈夫か?」
「宰相家は、レティシアには荷が重いでしょう。」
アルベルトの提案に苦笑う。
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「あ、ご存知でしたか。」
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「レティなら、十分うちでもやっていけると思うけど、まぁ、選んで貰えるようアピールするさ。」
「無理強いはダメですよ。」
「そんな事してみろ、怖い王子が飛んでくるぞ。」
指差された本人は、当たり前だと頷いている。
「レティシアには私から話しておきます。どうぞよろしくお願いいたします。」
「貴殿に何かあればレティが悲しむ。どうぞ御自愛下さい。」
ソウンディックと視線を交わし、お互いのワインを傾けた。
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