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ギルデガンドが次々と渡してくる魔物肉を堪能し、お腹が一杯になってきた所で声をかけられた。
ちょっと嗜む程度に貰ったワインも手伝って、上機嫌だったのに。
「レティシア。ちょっと良いかな?」
ほら来た。
「二人で話がしたいんだけど。」
エディルのチクチクお小言は長い上にしつこい。
やっと会えたのだし、今晩くらいは大目に見て欲しい。
「何かしら、エディル兄さん。」
「こちらにおいで。」
喧騒から少し離れた場所に座り、ふふ、と笑いながら手招きする。
「そんなに身構えなくても、叱りはしないよ。」
すとんと座ると、自由の利く手が頭へと伸びる。
「頑張ったね。よく探してくれた。」
改めて言われると、涙で潤んでくる。
「私だけではダメだったの。何も出来なかったのよ。」
「うん。それでも君が諦めないでいてくれたから、殿下達と出逢うことが出来たんだ。諦めないでいてくれて、ありがとう。」
ぐすっと鼻を啜るレティの頭を、エディルは優しく撫でる。
「レティ、ソウンディック殿下が好きかい?」
コクン。
黙ったまま頷く。
「愛してる?」
顔を上げると、エディルの灰色の瞳がまっすぐに見つめてくる。
昔から変わらない。澄んだ光を潜める、隠し事をしても見透かされてしまいそうな瞳。
「…愛とか、よく分からない。」
正直に。こんな時には言葉にならなくても、正直に言えば、エディルは聞いてくれる。
「他の人なら普通の事なのに、彼に声をかけられると違うの。見てるだけで、居るだけで、ただ満足してしまって…。特別なんだと思ってる。」
「レティシア。」
そっと頬に伝う涙を拭われる。
「君はこれから色々な選択を迫られるだろう。それでも、君らしく、一番君が欲するものを求めなさい。」
「それは…。」
ソウンディックの立場を鑑みてなのだろうか。
エディルはレティから手を離すと、篝火の煙が登っていく空を眺めた。
煙の陰からは星が見える。
「私はエステザニアの実家に戻ろうと思う。」
「え。だって、実家からは勘当されたって。」
だから、レティシアの兄として暮らせるんだって。
それが楽しいって。そう言ってた。
「必ず連絡するよ。心配いらない。」
「…や。」
「またすぐに会えるから。」
「いや。いやよ…。」
ぶんぶんと首を横に振る。
やっと帰って来たのに、また二人で暮らせるのに。
ただいまって、お帰りって言えるのに。
誰も居ない家に帰る寂しさを味わうのは、もう嫌だ。
「レティシア。君の兄として暮らせて、とても幸せだったんだよ。これからも、どんなに離れていても君の兄で居させてくれないか?」
「もう、決めたの?」
エディルは頑固だ。
血は繋がってないのに、変な所が似てるねって笑い合った。
うん。と寂しそうに申し訳なさそうに微笑む。
こんな顔をして送り出したくない。
「どんなに離れていても、エディルは兄さんよ。」
だから、安心して行ってきて。
「いつでも帰って来れるように、自慢出来る妹になるから。」
滲んでいた涙を手の甲で払うと、エディルに微笑んだ。
「今でも、自慢の妹だよ。」
そっと肩を抱かれる。
その暖かさを味わうように、顔を埋めた。
ちょっと嗜む程度に貰ったワインも手伝って、上機嫌だったのに。
「レティシア。ちょっと良いかな?」
ほら来た。
「二人で話がしたいんだけど。」
エディルのチクチクお小言は長い上にしつこい。
やっと会えたのだし、今晩くらいは大目に見て欲しい。
「何かしら、エディル兄さん。」
「こちらにおいで。」
喧騒から少し離れた場所に座り、ふふ、と笑いながら手招きする。
「そんなに身構えなくても、叱りはしないよ。」
すとんと座ると、自由の利く手が頭へと伸びる。
「頑張ったね。よく探してくれた。」
改めて言われると、涙で潤んでくる。
「私だけではダメだったの。何も出来なかったのよ。」
「うん。それでも君が諦めないでいてくれたから、殿下達と出逢うことが出来たんだ。諦めないでいてくれて、ありがとう。」
ぐすっと鼻を啜るレティの頭を、エディルは優しく撫でる。
「レティ、ソウンディック殿下が好きかい?」
コクン。
黙ったまま頷く。
「愛してる?」
顔を上げると、エディルの灰色の瞳がまっすぐに見つめてくる。
昔から変わらない。澄んだ光を潜める、隠し事をしても見透かされてしまいそうな瞳。
「…愛とか、よく分からない。」
正直に。こんな時には言葉にならなくても、正直に言えば、エディルは聞いてくれる。
「他の人なら普通の事なのに、彼に声をかけられると違うの。見てるだけで、居るだけで、ただ満足してしまって…。特別なんだと思ってる。」
「レティシア。」
そっと頬に伝う涙を拭われる。
「君はこれから色々な選択を迫られるだろう。それでも、君らしく、一番君が欲するものを求めなさい。」
「それは…。」
ソウンディックの立場を鑑みてなのだろうか。
エディルはレティから手を離すと、篝火の煙が登っていく空を眺めた。
煙の陰からは星が見える。
「私はエステザニアの実家に戻ろうと思う。」
「え。だって、実家からは勘当されたって。」
だから、レティシアの兄として暮らせるんだって。
それが楽しいって。そう言ってた。
「必ず連絡するよ。心配いらない。」
「…や。」
「またすぐに会えるから。」
「いや。いやよ…。」
ぶんぶんと首を横に振る。
やっと帰って来たのに、また二人で暮らせるのに。
ただいまって、お帰りって言えるのに。
誰も居ない家に帰る寂しさを味わうのは、もう嫌だ。
「レティシア。君の兄として暮らせて、とても幸せだったんだよ。これからも、どんなに離れていても君の兄で居させてくれないか?」
「もう、決めたの?」
エディルは頑固だ。
血は繋がってないのに、変な所が似てるねって笑い合った。
うん。と寂しそうに申し訳なさそうに微笑む。
こんな顔をして送り出したくない。
「どんなに離れていても、エディルは兄さんよ。」
だから、安心して行ってきて。
「いつでも帰って来れるように、自慢出来る妹になるから。」
滲んでいた涙を手の甲で払うと、エディルに微笑んだ。
「今でも、自慢の妹だよ。」
そっと肩を抱かれる。
その暖かさを味わうように、顔を埋めた。
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