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第一章 サンライズ〜日の出〜
第一話 ラグナロク
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「JAPAN エル・クラシコ」
そう呼ばれる日本だけでなく全世界が毎年注目する大きな試合があった。それは東の皇帝「吹神中」と西の皇帝「怪狼中」が必ず毎年決勝で激突してしまうため、その超強豪二校どちらかが毎年優勝してしまうのである。超中学級とも言われる彼らのレベルは底を知れず、毎年数々の超エリート選手が日本で、世界で名を轟かせる。その『伝説』は途絶えることなく、、、
2025年1月12日全国中学校サッカー大会決勝
東京 ヴィグリーズスタジアム
その『伝説』はこの一戦でさらに世界へ広がることとなる。
試合は日本だけでなく世界中に生中継で放送される。
中学生とは思えないハイレベルなサッカーにヴィグリーズスタジアムの会場は大歓声に包まれていた。そして大熱狂の試合は突如として急展開を引き起こす。
後半26分 吹神2-2怪狼
「ボールを持つのは「怪狼」の大蛇君!スピードが上がる!」
フィールド中央をドリブルで駆け上がる
すかさず「吹神」の中盤の選手がボールを取りに行くが、キュッと止まる、一瞬の緩急で生まれた狭間にボールをアウトサイドで転がす。
「うまいっ!!股を抜いた!!」
会場がどよめく
左サイドに右足インフロントキックでバックスピンのかかったパスを出す。
「抜けたー!!」
吹神の右サイドバックの背後をオフサイドギリギリのタイミングで抜け出す怪狼の左サイドハーフ背番号7の選手。
会場の歓声が大きくなる。
そのままゴールラインまで深くボールを運び少し強めのクロスを上げる。
「マイナスにクロスが上がるぅ!!」
ゴールエリアに走り込んだ「怪狼」背番号10番の選手は少しマイナスに上がったクロスにグッと踏み込むとゴールを背中にきゅっと向け、地面を右足で蹴る。
会場はその一瞬の予測不能なプレーに「えっ」と声が出る。
左足を大きく上に振り上げると、その勢いで右足をボールにぶち当てる。
一瞬のプレーだった。だれも思考が追いついていなかった。ドンっと撃ち抜かれたボールは激しくゴールネットを揺らす。
「なっ!!“オーバーヘッド”!!!」
会場はどよめくと共に大歓声が起こる。
着地した背番号10は拳を上にあげる。
会場は大歓声。中学生とは思えない超のつくスーパーゴールに興奮が抑えきれない。
「決まったぁぁぁー!!!先制は怪狼だぁーーっ!!」
応援席のスタンド下に走り込み、喜び合う選手達と真っ赤な服の怪狼応援団
大歓声の中、吹神の「11」と書かれた水色のユニフォームを背負う“一人の男”がワクワクした顔で額の汗を手で拭うと、転がってきたボールを手に持つ。
「おもしれぇ」
後半ロスタイム 吹神2-3怪狼
「さあ残り時間もあとわずか!このまま逃げ切るか怪狼!!」
ボールが吹神の最終ディフェンスライン真ん中に大きく飛んでくる。
待ち構える高身長の二人。
「怪狼のFW9番」と「吹神のCB4番」手を下に振りかざし、ぶりをつけて大きくボールに競り合う。
バチンと激しい音でボールが吹き飛ぶ
“ワールドクラス”な競り合いはわずかな差で「吹神」の4番が制す。
ボールは中盤あたりへ大きく飛んでいき、セカンドボールをトラップでおさめたのは「吹神」の中盤選手背番号8。そのままターンすると右サイドハーフ7番の選手とアイコンタクト。
そのまま左軸足をグッと踏み込むと右足で
前回転の絶妙鬼スルーパスを右サイドハーフ背番号7の目の先のスペースに蹴り込む。
「なんという絶妙なパスっ!!右サイドにボールがとおるうっっ!」
会場がどよめく
右サイドをものすごいスピードのドリブルで駆け上がる「吹神」背番号7の選手
「怪狼」左サイドバックが寄せる。
「吹神」の7番は、寄せてきたタイミングで、怪狼陣の浅い位置からキレのあるアーリークロスを上げる。
「なっ!!!?」
「ここでクロスっ!!?」
会場はどよめく
グラウンドを切り裂く超絶級のスーパーアーリークロスは怪狼のセンターバックとゴールキーパーの届かない絶妙な位置へ流れる。
「このアーリークロスはー!!?」
「怪狼」センターバック二人の間から飛び出す赤色のスパイク。地面を強く踏み、前へ
ピンポイントで抜け出した背番号11番。
目はギラっと輝き、ボール一点を見つめる。歯を食いしばり、スライディングボレーで撃ち抜く。
「なっ!?」
会場は、困惑するほどのスーパープレーにどよめく。
ドンっと撃ち抜かれたボールは手を伸ばし飛び込むキーパーの指スレスレを通り、そのままゴール左下のサイドネットに凄まじいスピードで突き刺さる。
「決まったぁぁぁ!!!追いついた吹神ーーーっ!!」
会場はどよめき大歓声でサンライズスタジアムを揺らす。
11番に次々と飛び込む仲間達。
ガッツポーズを天にかざし笑顔で「よっしゃあ!!!」と叫ぶ
彼の笑顔はまさに“太陽のように輝いていた”
「まさに“ワールドクラス”!!!スーパーアーリークロスに超絶ボレーで決めたのは!
吹神!!背番号11“陽立輝”だーーーっ!!」
会場は大歓声で鳴り止まない。満15歳では考えられない超絶スーパープレー。観客は皆立ち上がり大歓声の渦だ。あちこちでカメラのフラッシュライトがチカチカと光って止まない。
そんな大盛り上がりの客席の中、一人だけ座り、少し髭の生えた顎に手を当てる30代ぐらいの男がいた。
目は興奮でギラギラとうごめき、ゾクゾクした笑みを浮かべる。
「いいじゃねえか…おもしれぇ!!」
「JAPAN エル・クラシコ」
歴代最高レベルのカードが揃った一戦
人々の記憶にこの日の一戦は強く鮮明に刻まれた。そして、のちにこの一戦を世界中の人々は“こう”呼んだ。
「あれで中学生かよ、マジかよ日本」
「誰も想像できなかった頂上決戦だ!」
「もう今後この天才達が揃う最高級の試合は見れない“最初で最後の試合”だ!」
『日本サッカー界の運命を大きく変えた!
まさに…
“ラグナロクの一戦”だ!!」
JAPAN エル・クラシコにつぐ、伝説の試合
『ラグナロクの一戦』
この試合に出場した天才達は日本各地の強豪へ進出
“高校サッカー界”という大きな舞台へ!!
1話 完
そう呼ばれる日本だけでなく全世界が毎年注目する大きな試合があった。それは東の皇帝「吹神中」と西の皇帝「怪狼中」が必ず毎年決勝で激突してしまうため、その超強豪二校どちらかが毎年優勝してしまうのである。超中学級とも言われる彼らのレベルは底を知れず、毎年数々の超エリート選手が日本で、世界で名を轟かせる。その『伝説』は途絶えることなく、、、
2025年1月12日全国中学校サッカー大会決勝
東京 ヴィグリーズスタジアム
その『伝説』はこの一戦でさらに世界へ広がることとなる。
試合は日本だけでなく世界中に生中継で放送される。
中学生とは思えないハイレベルなサッカーにヴィグリーズスタジアムの会場は大歓声に包まれていた。そして大熱狂の試合は突如として急展開を引き起こす。
後半26分 吹神2-2怪狼
「ボールを持つのは「怪狼」の大蛇君!スピードが上がる!」
フィールド中央をドリブルで駆け上がる
すかさず「吹神」の中盤の選手がボールを取りに行くが、キュッと止まる、一瞬の緩急で生まれた狭間にボールをアウトサイドで転がす。
「うまいっ!!股を抜いた!!」
会場がどよめく
左サイドに右足インフロントキックでバックスピンのかかったパスを出す。
「抜けたー!!」
吹神の右サイドバックの背後をオフサイドギリギリのタイミングで抜け出す怪狼の左サイドハーフ背番号7の選手。
会場の歓声が大きくなる。
そのままゴールラインまで深くボールを運び少し強めのクロスを上げる。
「マイナスにクロスが上がるぅ!!」
ゴールエリアに走り込んだ「怪狼」背番号10番の選手は少しマイナスに上がったクロスにグッと踏み込むとゴールを背中にきゅっと向け、地面を右足で蹴る。
会場はその一瞬の予測不能なプレーに「えっ」と声が出る。
左足を大きく上に振り上げると、その勢いで右足をボールにぶち当てる。
一瞬のプレーだった。だれも思考が追いついていなかった。ドンっと撃ち抜かれたボールは激しくゴールネットを揺らす。
「なっ!!“オーバーヘッド”!!!」
会場はどよめくと共に大歓声が起こる。
着地した背番号10は拳を上にあげる。
会場は大歓声。中学生とは思えない超のつくスーパーゴールに興奮が抑えきれない。
「決まったぁぁぁー!!!先制は怪狼だぁーーっ!!」
応援席のスタンド下に走り込み、喜び合う選手達と真っ赤な服の怪狼応援団
大歓声の中、吹神の「11」と書かれた水色のユニフォームを背負う“一人の男”がワクワクした顔で額の汗を手で拭うと、転がってきたボールを手に持つ。
「おもしれぇ」
後半ロスタイム 吹神2-3怪狼
「さあ残り時間もあとわずか!このまま逃げ切るか怪狼!!」
ボールが吹神の最終ディフェンスライン真ん中に大きく飛んでくる。
待ち構える高身長の二人。
「怪狼のFW9番」と「吹神のCB4番」手を下に振りかざし、ぶりをつけて大きくボールに競り合う。
バチンと激しい音でボールが吹き飛ぶ
“ワールドクラス”な競り合いはわずかな差で「吹神」の4番が制す。
ボールは中盤あたりへ大きく飛んでいき、セカンドボールをトラップでおさめたのは「吹神」の中盤選手背番号8。そのままターンすると右サイドハーフ7番の選手とアイコンタクト。
そのまま左軸足をグッと踏み込むと右足で
前回転の絶妙鬼スルーパスを右サイドハーフ背番号7の目の先のスペースに蹴り込む。
「なんという絶妙なパスっ!!右サイドにボールがとおるうっっ!」
会場がどよめく
右サイドをものすごいスピードのドリブルで駆け上がる「吹神」背番号7の選手
「怪狼」左サイドバックが寄せる。
「吹神」の7番は、寄せてきたタイミングで、怪狼陣の浅い位置からキレのあるアーリークロスを上げる。
「なっ!!!?」
「ここでクロスっ!!?」
会場はどよめく
グラウンドを切り裂く超絶級のスーパーアーリークロスは怪狼のセンターバックとゴールキーパーの届かない絶妙な位置へ流れる。
「このアーリークロスはー!!?」
「怪狼」センターバック二人の間から飛び出す赤色のスパイク。地面を強く踏み、前へ
ピンポイントで抜け出した背番号11番。
目はギラっと輝き、ボール一点を見つめる。歯を食いしばり、スライディングボレーで撃ち抜く。
「なっ!?」
会場は、困惑するほどのスーパープレーにどよめく。
ドンっと撃ち抜かれたボールは手を伸ばし飛び込むキーパーの指スレスレを通り、そのままゴール左下のサイドネットに凄まじいスピードで突き刺さる。
「決まったぁぁぁ!!!追いついた吹神ーーーっ!!」
会場はどよめき大歓声でサンライズスタジアムを揺らす。
11番に次々と飛び込む仲間達。
ガッツポーズを天にかざし笑顔で「よっしゃあ!!!」と叫ぶ
彼の笑顔はまさに“太陽のように輝いていた”
「まさに“ワールドクラス”!!!スーパーアーリークロスに超絶ボレーで決めたのは!
吹神!!背番号11“陽立輝”だーーーっ!!」
会場は大歓声で鳴り止まない。満15歳では考えられない超絶スーパープレー。観客は皆立ち上がり大歓声の渦だ。あちこちでカメラのフラッシュライトがチカチカと光って止まない。
そんな大盛り上がりの客席の中、一人だけ座り、少し髭の生えた顎に手を当てる30代ぐらいの男がいた。
目は興奮でギラギラとうごめき、ゾクゾクした笑みを浮かべる。
「いいじゃねえか…おもしれぇ!!」
「JAPAN エル・クラシコ」
歴代最高レベルのカードが揃った一戦
人々の記憶にこの日の一戦は強く鮮明に刻まれた。そして、のちにこの一戦を世界中の人々は“こう”呼んだ。
「あれで中学生かよ、マジかよ日本」
「誰も想像できなかった頂上決戦だ!」
「もう今後この天才達が揃う最高級の試合は見れない“最初で最後の試合”だ!」
『日本サッカー界の運命を大きく変えた!
まさに…
“ラグナロクの一戦”だ!!」
JAPAN エル・クラシコにつぐ、伝説の試合
『ラグナロクの一戦』
この試合に出場した天才達は日本各地の強豪へ進出
“高校サッカー界”という大きな舞台へ!!
1話 完
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