4 / 5
第4話 溢れ出るよ治癒の水!
しおりを挟む
前日はトラウマになりかねないような経験をした。おかげで、あいつのいる学校に行くのかと思うだけで憂鬱だ。
朝食後、私はいつも通り家を出る。
学校に着けばソナタさんと顔を合わすだろうから、登下校中が唯一心が落ち着く時間かもしれない。
途中、コンビニでミルク増し増しコーヒー牛乳を買って、喉を潤しながら学校に向かう。歩道橋の階段を数段ほど上がった所で妊婦さんらしき人がいた。両手に荷物を持ちながら階段を上がる姿は危なっかしく見える。
荷物を持ってあげたり、サポートしてあげた方が安全に階段を上り下りできるだろうけど……以前も私はこのような場面に遭遇したことがある。その時に私は勇気をもって「手伝いましょうか」と言ったら、相手の人は私を睨みつけながら「余計なお世話」と、断ってきた。それからは知らない人に対して話しかけたり、助けることに臆病になった。
私は横目で妊婦さんを気にしながらも、階段を上がった。
歩道橋の真ん中辺りまで来ると、宇由高校の制服を着た女子生徒が自動車が行き交う道路を見ている。姿を見た瞬間にソナタさんで間違いないと判断できた……学校ではない所で遭遇しただけで最低な一日となった。
無視しても気付いているだろうから、下手に無視をするよりも先に声を掛ける、これがソナタさんへの対応だ。
「おはよう。ソナタさんもここの歩道橋を渡るんだね」
「おはようございます。私は今、心が溶けています」
「溶ける? 遅刻するから行こ」
「津賀子さんは薄情ですね。私が溶けているというのに……それにしても津賀子さん、純粋な小学一年生の頃とは変わってしまったのですね」
「いや、変わらない人の方が珍しくない」
小学一年生の時のまま純粋に成長できる人間を見つける方が難しいのではないだろうかと私は思う。良いこともあれば嫌なこともいっぱい経験しながら成長するのだから仕方ないのでは。
「もう平気です。津賀子さんは昔から薄情な人間でしたね」
昔から薄情な人間って、文句を言いたいが気分が乗らないのでスルーしてあげるわ。
「津賀子さん。右手薬指のところ切ってますね、血が出てますよ」
「確かに切ってる、制服とかに血が付いてないかな」
「まずは止血です」
「ちょっとだし、ほぼ止まってるから」
「いいえ、津賀子さん。傷口を消毒しなければいけません」
「そんな大袈裟な、お節介過ぎは嫌われるよ」
「ダメです津賀子さん。お節介な行動かもしれませんが、万が一それが原因で重大な事に繋がってしまうようなら、お節介者と言われても助けたいと私は思います」
なんて言葉を返したらいいのか迷う。ソナタさんとは出会ってからう〇ち関連の展開ばかりで、真面目なことを言われると逆になんて言ったらいいのか難しい。
「津賀子さん。一度の後悔は一生の後悔、です」
「……」
傷口の消毒から話の流れが変わっている気がするけど、私は静かに彼女の言葉に耳を傾けていた。
「今ここで私が津賀子さんの怪我を見て見ぬふりをしたことにより、学校で津賀子さんがう〇ちに触れる。そして薬指から細菌が侵入してしまい死亡してしまうなんてことになれば……私は悔やんでも悔やみきれないです。あの時、素早い対処をして消毒して、絆創膏をしてあげていれば助かったんだから、と」
例えにう〇ちを使用してきたところ、嫌だ。
「些細なことでも心に迷いを生むようなら、後悔しない選択をしてくださいね津賀子さん」
ソナタさんの言葉が私の心に響くなんて思いもしなかった。私、なにに怯えていたんだろう。後悔したくない……そう考えたのなら。
「ソナタさん。ごめん、お節介過ぎるなんて言って。私、行ってくる」
「津賀子さんは受け入れるのが早いので助かります。私のことは構いません、それよりも薬指を見せてください消毒なんてすぐ終わります」
私は薬指を見せる。ソナタさんは真剣な表情で、自らのハンカチで私の薬指の汚れを拭いてくれた。
「怪我に効果があるのは唾液です」
「へ?」
そう言ってソナタさんは私の怪我をしたところに自らの唾液を垂らしてきた。
いつ終わりを迎えるか分からない生温かい唾液が私の怪我した部分を覆い続ける……永遠に唾液を垂らされる拷問。ソナタさんの唾液が無限に溢れてくれるおかげで私も段々と慣れ……慣れるかい!
「逆に細菌が入るだろうが」
「津賀子さん、絆創膏が」
「いらない。私は早く妊婦さんの所に行きたいんだ」
「せめてこの消毒液を」
ちゃんとした消毒液を受け取り、私は妊婦さんのもとへ走った。
ゆっくり階段を上がる妊婦さんに駆け寄り、私は勇気をもって声をかけた。
「あの、荷物持ちましょうか?」
「あら、ありがとう。お友達は……いいえ、お願いしてもいいかしら」
「はい」
モヤっとした気持ちが一瞬で晴れる瞬間だった。
歩道橋を渡りきった後で気づいたけど、ソナタさんがいなかった。
別に待っていて欲しいとかではないけど不思議な感じだった。なんか私のためにこの場所にいたってことはないよね……それでも学校に着いたらソナタさんに、ありがとうとって伝えよう。
朝食後、私はいつも通り家を出る。
学校に着けばソナタさんと顔を合わすだろうから、登下校中が唯一心が落ち着く時間かもしれない。
途中、コンビニでミルク増し増しコーヒー牛乳を買って、喉を潤しながら学校に向かう。歩道橋の階段を数段ほど上がった所で妊婦さんらしき人がいた。両手に荷物を持ちながら階段を上がる姿は危なっかしく見える。
荷物を持ってあげたり、サポートしてあげた方が安全に階段を上り下りできるだろうけど……以前も私はこのような場面に遭遇したことがある。その時に私は勇気をもって「手伝いましょうか」と言ったら、相手の人は私を睨みつけながら「余計なお世話」と、断ってきた。それからは知らない人に対して話しかけたり、助けることに臆病になった。
私は横目で妊婦さんを気にしながらも、階段を上がった。
歩道橋の真ん中辺りまで来ると、宇由高校の制服を着た女子生徒が自動車が行き交う道路を見ている。姿を見た瞬間にソナタさんで間違いないと判断できた……学校ではない所で遭遇しただけで最低な一日となった。
無視しても気付いているだろうから、下手に無視をするよりも先に声を掛ける、これがソナタさんへの対応だ。
「おはよう。ソナタさんもここの歩道橋を渡るんだね」
「おはようございます。私は今、心が溶けています」
「溶ける? 遅刻するから行こ」
「津賀子さんは薄情ですね。私が溶けているというのに……それにしても津賀子さん、純粋な小学一年生の頃とは変わってしまったのですね」
「いや、変わらない人の方が珍しくない」
小学一年生の時のまま純粋に成長できる人間を見つける方が難しいのではないだろうかと私は思う。良いこともあれば嫌なこともいっぱい経験しながら成長するのだから仕方ないのでは。
「もう平気です。津賀子さんは昔から薄情な人間でしたね」
昔から薄情な人間って、文句を言いたいが気分が乗らないのでスルーしてあげるわ。
「津賀子さん。右手薬指のところ切ってますね、血が出てますよ」
「確かに切ってる、制服とかに血が付いてないかな」
「まずは止血です」
「ちょっとだし、ほぼ止まってるから」
「いいえ、津賀子さん。傷口を消毒しなければいけません」
「そんな大袈裟な、お節介過ぎは嫌われるよ」
「ダメです津賀子さん。お節介な行動かもしれませんが、万が一それが原因で重大な事に繋がってしまうようなら、お節介者と言われても助けたいと私は思います」
なんて言葉を返したらいいのか迷う。ソナタさんとは出会ってからう〇ち関連の展開ばかりで、真面目なことを言われると逆になんて言ったらいいのか難しい。
「津賀子さん。一度の後悔は一生の後悔、です」
「……」
傷口の消毒から話の流れが変わっている気がするけど、私は静かに彼女の言葉に耳を傾けていた。
「今ここで私が津賀子さんの怪我を見て見ぬふりをしたことにより、学校で津賀子さんがう〇ちに触れる。そして薬指から細菌が侵入してしまい死亡してしまうなんてことになれば……私は悔やんでも悔やみきれないです。あの時、素早い対処をして消毒して、絆創膏をしてあげていれば助かったんだから、と」
例えにう〇ちを使用してきたところ、嫌だ。
「些細なことでも心に迷いを生むようなら、後悔しない選択をしてくださいね津賀子さん」
ソナタさんの言葉が私の心に響くなんて思いもしなかった。私、なにに怯えていたんだろう。後悔したくない……そう考えたのなら。
「ソナタさん。ごめん、お節介過ぎるなんて言って。私、行ってくる」
「津賀子さんは受け入れるのが早いので助かります。私のことは構いません、それよりも薬指を見せてください消毒なんてすぐ終わります」
私は薬指を見せる。ソナタさんは真剣な表情で、自らのハンカチで私の薬指の汚れを拭いてくれた。
「怪我に効果があるのは唾液です」
「へ?」
そう言ってソナタさんは私の怪我をしたところに自らの唾液を垂らしてきた。
いつ終わりを迎えるか分からない生温かい唾液が私の怪我した部分を覆い続ける……永遠に唾液を垂らされる拷問。ソナタさんの唾液が無限に溢れてくれるおかげで私も段々と慣れ……慣れるかい!
「逆に細菌が入るだろうが」
「津賀子さん、絆創膏が」
「いらない。私は早く妊婦さんの所に行きたいんだ」
「せめてこの消毒液を」
ちゃんとした消毒液を受け取り、私は妊婦さんのもとへ走った。
ゆっくり階段を上がる妊婦さんに駆け寄り、私は勇気をもって声をかけた。
「あの、荷物持ちましょうか?」
「あら、ありがとう。お友達は……いいえ、お願いしてもいいかしら」
「はい」
モヤっとした気持ちが一瞬で晴れる瞬間だった。
歩道橋を渡りきった後で気づいたけど、ソナタさんがいなかった。
別に待っていて欲しいとかではないけど不思議な感じだった。なんか私のためにこの場所にいたってことはないよね……それでも学校に着いたらソナタさんに、ありがとうとって伝えよう。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
失恋中なのに隣の幼馴染が僕をかまってきてウザいんですけど?
さいとう みさき
青春
雄太(ゆうた)は勇気を振り絞ってその思いを彼女に告げる。
しかしあっさりと玉砕。
クールビューティーで知られる彼女は皆が憧れる存在だった。
しかしそんな雄太が落ち込んでいる所を、幼馴染たちが寄ってたかってからかってくる。
そんな幼馴染の三大女神と呼ばれる彼女たちに今日も翻弄される雄太だったのだが……
病み上がりなんで、こんなのです。
プロット無し、山なし、谷なし、落ちもなしです。
妹の仇 兄の復讐
MisakiNonagase
青春
神奈川県の海に近い住宅街。夏の終わりが、夕焼けに溶けていく季節だった。
僕、寺内勇人は高校三年生。妹の茜は高校一年生。父と母との四人暮らし。ごく普通の家庭で、僕と茜は、ブラコンやシスコンと騒がれるほどではないが、それなりに仲の良い兄妹だった。茜は少し内気で、真面目な顔をしているが、家族の前ではよく笑う。特に、幼馴染で僕の交際相手でもある佑香が来ると、姉のように慕って明るくなる。
その平穏が、ほんの些細な噂によって、静かに、しかし深く切り裂かれようとは、その時はまだ知らなかった。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる