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第13話 被 害 妄 想
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私の名前は村主 十佳。16歳、普通の高校生。友達というか親友と呼べるのか謎だけど、気付けばどこでも妄想するような迷惑系の藤ヶ谷 虎夏とよく一緒にいることが多い。
休日の午後、ダラダラと部屋でスマホをいじりながら過ごしていたら、父親が宝くじで当選したらしく、気前良く私と湖乃佳に五千円くれた。丁度、小腹も空いていたタイミングだったので湖乃佳と一緒にファミレスに行って勉強をして過ごすことにした。
「湖乃佳、あんたガヤの家に泊まってたけど、楽しかった?」
「藤ヶ谷さんとは結構 お話が盛り上がったよ」
「へ~そうなんだ。盛り上がれるような話題があるのね」
「まぁね……。でも、家族みんなが妄想している事には少しだけ驚いちゃった」
「……え? 家族みんなで妄想」
「うん」
どんだけ妄想好きなのよ。私もガヤの家にはよく遊びに行ってはいたけど、ガヤのお母さんは普通にしか見えなかったけど、一日通してでは違うものなのね。
「十佳、何にする?」
「そうね、ポテトと……」
気のせいか? 何か視線を感じるような気がする。
「ねぇ、十佳、見て見てあの人、格好良くない」
湖乃佳に言われた方へ視線を向けると、店内に入って来た一人の男性が私達の目の前の席に座った。
「髪は金髪で黒いスーツ姿……ホステスか何か?」
「違うよ~きっと」
滅多に大人の男性に興味を持つことは少なかったけど、なぜか今回に限っては気になってしまい視線は男性に向けられる。髪は金髪、黒いスーツ、端正な顔立ち、じっくり見ていると確かにカッコいい。惚れてしまうかもしれない。聞き耳を立てるわけじゃないけど、男性がメニューを注文しようとしているところを集中して聞いてみた。
「ミックスピッツア一つ、ドリンクバー、ポテェト一つを」
……やっぱり本場の発音は違う、間違いなく彼はイタリアの血が流れているハーフだわ。よくよく顔を見れば鼻が6センチくらい高く見えてきたし、腕のあたりも毛深く見えてきたー。ハーフ系と聞くと それだけでイケメン確定だわ~ 王子さまって素敵よね。
「十佳は注文どうする?」
「ミックスピッツアとポテェト、あとジンジャーエール」
「……なんで発音を外人さんぽくしてるの? ドリンクバーだからジンジャーエールは自分で取ってきなよ」
「なんか頭がぼんやりするからジンジャーエール取ってきて~湖乃佳」
「はいはい、分かりましたよ。十佳の分も私が持ってこればいいだね」
不満そうな表情を浮かべながら湖乃佳は立ち上がると、ドリンクバーコーナーへ歩いて行った。
まるで、そのタイミングを見計らったようにイタリア人ハーフ男性は私の目の前に来た。
「そこの君」
「へ? 私ですか」
「ボクの事をさっきから見ているけどひょっとして一目惚れかな?」
「ひ、一目惚れなんかしてません」
「嘘を言わなくてもいいよ。分かるんだ、キミの美しい瞳にはボクの食べるピッツアのチーズがいつまで経ってもトロトロだからね」
きゃー、甘い、素敵な口説き。
「こんな私でもあなたに似合うかしら?」
「大丈夫、世界中の誰よりも美しいキミなら、ボクに相応しいよ」
「こ、これから一緒にデートしませんか?」
「いきなりだね、でも積極的なレディは歓迎だよ、だってボクはイタリア人……デートだけじゃ物足りないよ。ボクはキミが欲しい」
キミが欲しいって……きゃー鼻血が止まりませんことよー。
イタリアでの生活が持っているのね。ちょっと待って、その前にイタリア語も流暢に話せるようになって置かないとね。家庭の味はパスタ? パスタ料理覚えなきゃ。
「じゅ、十佳。ピザ食べなよ。チーズ固まっちゃうよ」
「私達の愛があれば永遠にチーズはトロトロなの……」
……し、しまった。うっかりガヤじゃないけど妄想しちゃったじゃない。まるでガヤが乗り移って来たかのような感じだったわ……何もかもガヤが悪いんだわ。
「珍しいね、十佳が食べ物を前に考えごとなんて」
「へ? 私が妄想しているはずないじゃない。少し進路で考え事してたのよ」
「……妄想してたの?」
「ちが、湖乃佳、ピザ全部あげるわ」
「……」
変な空気が漂ったので視線を外すように窓の外を眺めると、窓越にガヤの姿を発見。ニヤニヤとこちらを笑顔で見ている。ガヤの笑顔……何? この違和感、ガヤは親指をビッと立て去って行った。
まさか、まさか私が妄想していたことに気付いていた?
そんなことが出来るはずないじゃない……。
ガヤに弱みを握られてようで気分が滅入る……外では迂闊に妄想も出来ないわ。
何か、明日から学校へ行くのが憂鬱になってきたわ……マジで。
何もかも、あのイタリア人ハーフが悪いのよ!(※十佳が男性のことを外国人ハーフと言っていますが、この男性は決してイタリア人ではありません。日本人です ―― by 湖乃佳)
翌日の学校で私のもとへガヤは来るなり一言。
「昨日ファミレスで妄想してたっしょ。私って妄想している人が分かるんだぞ」
「……え?」
まさか、本当にそんな力が……ガヤなら私に乗り移って来ることや妄想させることができなくもない気がしてきた。
「……て言うか、ガヤ。私に無理やり妄想をさせたでしょ、あんた怖すぎだろー」
「いや、待て十佳よ。何の話なのか分からんが、それは被害妄想じゃないかー」
休日の午後、ダラダラと部屋でスマホをいじりながら過ごしていたら、父親が宝くじで当選したらしく、気前良く私と湖乃佳に五千円くれた。丁度、小腹も空いていたタイミングだったので湖乃佳と一緒にファミレスに行って勉強をして過ごすことにした。
「湖乃佳、あんたガヤの家に泊まってたけど、楽しかった?」
「藤ヶ谷さんとは結構 お話が盛り上がったよ」
「へ~そうなんだ。盛り上がれるような話題があるのね」
「まぁね……。でも、家族みんなが妄想している事には少しだけ驚いちゃった」
「……え? 家族みんなで妄想」
「うん」
どんだけ妄想好きなのよ。私もガヤの家にはよく遊びに行ってはいたけど、ガヤのお母さんは普通にしか見えなかったけど、一日通してでは違うものなのね。
「十佳、何にする?」
「そうね、ポテトと……」
気のせいか? 何か視線を感じるような気がする。
「ねぇ、十佳、見て見てあの人、格好良くない」
湖乃佳に言われた方へ視線を向けると、店内に入って来た一人の男性が私達の目の前の席に座った。
「髪は金髪で黒いスーツ姿……ホステスか何か?」
「違うよ~きっと」
滅多に大人の男性に興味を持つことは少なかったけど、なぜか今回に限っては気になってしまい視線は男性に向けられる。髪は金髪、黒いスーツ、端正な顔立ち、じっくり見ていると確かにカッコいい。惚れてしまうかもしれない。聞き耳を立てるわけじゃないけど、男性がメニューを注文しようとしているところを集中して聞いてみた。
「ミックスピッツア一つ、ドリンクバー、ポテェト一つを」
……やっぱり本場の発音は違う、間違いなく彼はイタリアの血が流れているハーフだわ。よくよく顔を見れば鼻が6センチくらい高く見えてきたし、腕のあたりも毛深く見えてきたー。ハーフ系と聞くと それだけでイケメン確定だわ~ 王子さまって素敵よね。
「十佳は注文どうする?」
「ミックスピッツアとポテェト、あとジンジャーエール」
「……なんで発音を外人さんぽくしてるの? ドリンクバーだからジンジャーエールは自分で取ってきなよ」
「なんか頭がぼんやりするからジンジャーエール取ってきて~湖乃佳」
「はいはい、分かりましたよ。十佳の分も私が持ってこればいいだね」
不満そうな表情を浮かべながら湖乃佳は立ち上がると、ドリンクバーコーナーへ歩いて行った。
まるで、そのタイミングを見計らったようにイタリア人ハーフ男性は私の目の前に来た。
「そこの君」
「へ? 私ですか」
「ボクの事をさっきから見ているけどひょっとして一目惚れかな?」
「ひ、一目惚れなんかしてません」
「嘘を言わなくてもいいよ。分かるんだ、キミの美しい瞳にはボクの食べるピッツアのチーズがいつまで経ってもトロトロだからね」
きゃー、甘い、素敵な口説き。
「こんな私でもあなたに似合うかしら?」
「大丈夫、世界中の誰よりも美しいキミなら、ボクに相応しいよ」
「こ、これから一緒にデートしませんか?」
「いきなりだね、でも積極的なレディは歓迎だよ、だってボクはイタリア人……デートだけじゃ物足りないよ。ボクはキミが欲しい」
キミが欲しいって……きゃー鼻血が止まりませんことよー。
イタリアでの生活が持っているのね。ちょっと待って、その前にイタリア語も流暢に話せるようになって置かないとね。家庭の味はパスタ? パスタ料理覚えなきゃ。
「じゅ、十佳。ピザ食べなよ。チーズ固まっちゃうよ」
「私達の愛があれば永遠にチーズはトロトロなの……」
……し、しまった。うっかりガヤじゃないけど妄想しちゃったじゃない。まるでガヤが乗り移って来たかのような感じだったわ……何もかもガヤが悪いんだわ。
「珍しいね、十佳が食べ物を前に考えごとなんて」
「へ? 私が妄想しているはずないじゃない。少し進路で考え事してたのよ」
「……妄想してたの?」
「ちが、湖乃佳、ピザ全部あげるわ」
「……」
変な空気が漂ったので視線を外すように窓の外を眺めると、窓越にガヤの姿を発見。ニヤニヤとこちらを笑顔で見ている。ガヤの笑顔……何? この違和感、ガヤは親指をビッと立て去って行った。
まさか、まさか私が妄想していたことに気付いていた?
そんなことが出来るはずないじゃない……。
ガヤに弱みを握られてようで気分が滅入る……外では迂闊に妄想も出来ないわ。
何か、明日から学校へ行くのが憂鬱になってきたわ……マジで。
何もかも、あのイタリア人ハーフが悪いのよ!(※十佳が男性のことを外国人ハーフと言っていますが、この男性は決してイタリア人ではありません。日本人です ―― by 湖乃佳)
翌日の学校で私のもとへガヤは来るなり一言。
「昨日ファミレスで妄想してたっしょ。私って妄想している人が分かるんだぞ」
「……え?」
まさか、本当にそんな力が……ガヤなら私に乗り移って来ることや妄想させることができなくもない気がしてきた。
「……て言うか、ガヤ。私に無理やり妄想をさせたでしょ、あんた怖すぎだろー」
「いや、待て十佳よ。何の話なのか分からんが、それは被害妄想じゃないかー」
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