わたしは

momo

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第一章

わたしは…事件

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中二の春休み、事件は発覚した。
わたしの通う中学校である生徒がヤンキーグループたちに殴られてお金を巻き上げられるという事件が起きた。大きく取り上げられたのはその金額の大きさによるものだった。

実際はわたしの一つ上の学年の事であったが、今から中学三年生の受験生になったわたしたちには、進路がこれで絶たれてしまったんじゃないかと、騒然とした。

連日マスコミも学校は押し寄せては、同級生がモザイクや首から下でインタビューに答えてる。

ヤンキーグループの先輩が主犯らしく、同級生のヤンキー女の子たちがざわめいてた。
様々な憶測が飛び交うなか、当の一つ上の先輩たちはすでに、卒業しておりみんな情報に飢えていた。

そんななか一つ上の兄がいたわたしは、兄からの事件の発端となる修学旅行中での被害少年がオレンジジュースを加害少年の帽子にこぼしてしまい、そこから目をつけられたという証言と、ニュースで得た情報で、クラス替えして見知らぬクラスメイトたちと新しい友達になれた。
八人ぐらいのグループになって連日放送される事件について放課中あれやこれやと、話していた。


不謹慎だけどドラマの中の出来事みたいにみんな感じていて不思議な空気が学校じゅうを取り巻いていた。


しばらくして、そのニュースが落ち着くと、わたしも元から女子の群れは苦手だったし、リーダーシップなど取って張ったようなペラペラなものしか持ち合わせていなかったから、自然とグループが個別化され、最終的には今でも年賀状のやりとりをする仲良しのようちゃんだけになった。

ようちゃんは最初からそばにいてくれて、分散した後もようちゃんからわたしのところに来てくれた。

ソフトテニス部のエース。カッコ良くてサバサバしててでも美しくて真っ直ぐ、後にようちゃんは警察官になった。 ほんとバレリーナか警察官が似合うと思ってたんだよ。

あと三人も時々一緒におしゃべりしたり、修学旅行のグループで同じだったりした。

ようちゃんは、基本的にはやさしくわたしの話を聞いてくれた。あっちむいてホイっが、お気に入りで、放課中よく真剣勝負をしていた。
手先が器用で、ミサンガを作ってくれたり、お家に遊びに行ったときはキャロットクッキーを作ってくれた。

わたしはようちゃんが、大好きだった。

だけど、ほんと…時々、機嫌が悪くなる。
部活を引退した二学期以降よくそういう時があった。

どうしてか、理由もわからなかった。

コンピューター室で二人ペアで作品を作ってるときも、いきなり無言になってピリピリしているから、わたしも困って三人グループのところへ助け船を出してもらったりもした。

後にわかったの。
ようちゃんはご両親がこの頃もめていたんだね。
ごめんね、わたしはやっぱり何もわかってなんかいなかったんだね。

ピリピリしたかと思うと、ケロリとしてまた一緒にあっちむいてホイしよーっと誘ってくれる。
まさにツンデレ女王様のように感じてたよ。

それでも…毎日のようにメモ用紙にお手紙描いては色んな折り方して交換しあって楽しかったよ。
ありがとう、ようちゃん。



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