わたしは

momo

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第一章

わたしは…塾

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受験生にもなり周りも次々と塾に通っていた。

わたしも中二の冬からかおりが通っていたパソコンを使った個人塾に一緒に通っていたのだか、オッサン講師が交互に背後からパソコンの出来を見ながら解説してくるのだけど…。

部活帰りに慌てて行くことも多かった為、
上がブラに白Tシャツ一枚に、下が短パンなんて格好で行っていた。もちろんブラの色によってはバッチリ透けていた。
女子バレー部で男子は近くにいなかったので動きやすさ重視していたのだ。

毎回鼻息が荒く、背後からの気配が苦手だったわたしは解説どころではなく…息も臭くて…解説終わるまで息を止めて頷かなければならず苦しかった。

はあはあ背後で言われながら耳元で、
大丈夫だよっ、よくできたねぇっ、と囁かれてゾッとして、鳥肌がたった。

もう、我慢の限界だった。


そんな時、幼なじみのうみちゃんが東塾の夏期講習があるから来ない?っと誘ってきた。
うみちゃんとは一緒に登校していたから最近同じ塾の他校に通う彼氏が出来たって報告やら、毎日のようなノロケを聞かされていたので、興味はあった。
東塾は大人数の塾で学力ごとにクラス分けされていた。
上位がSクラス、それ以外がAクラスと。

実力を伸ばしたかったし、何よりあの気持ち悪いオッサン講師のところへは二度と行きたくなかった。
早々に母を説得し、東塾への入塾手続きを済ます。

かおりはかおりママの意志もあってか、夏期講習のみの体験入塾となった。

学校が終わったあとに一度帰宅をし、夕食を早めに済ませ、塾へ行く。
そこではみんな勉強に真剣だったし、講師の人たちも熱く指導していたから学校の授業よりも、すごく緊張感があって自分を追い込めたし、毎日の小テスト結果が廊下に貼り出されるから、ライバル心も燃えてやりがいがあった。
新しいメンバーも新鮮だった。
わたしは入塾テストで意外にもSクラスに滑り込めた。
中一の時に優等生グループとつるんでいたおかげかもしれない。

うみちゃんとその彼氏、さらにその友人と仲良し四人組でよく夏休み中にお昼ご飯を食べた。

塾ってこんなに楽しいもんなんだ。

今まで薄暗い半個室で、鼻息荒いオッサンとしかしゃべれなかったから…。

東塾に変わって良かった♪

新しいことへの期待でこの時のわたしは胸がいっぱいだった。

この先に、待ち受けている更なる苦難をまだ知らない。
やっぱりわたしは…愚かだったのだ。

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