わたしは

momo

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第一章

わたしは…一新

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新年早々柴野くんに別れを告げたわたし。

女友達とは不思議なもんで、彼氏がいる時よりも断然別れた時のほうが団結力が強まるのです。
まあ、うみちゃんとは色々あったから尚更かもしれない。
彼のダメなとことかで盛り上がる皮肉っぷり。

新学期も始まりいよいよアルバム委員も最後の詰め作業までやってきた。
この日は理科室で配置の最終確認の作業をしていた。
時にはコンピューター室や特活室などあちこちの空いている教室での作業だったので毎回雰囲気が変わって楽しかった。

冬場は日も暮れるのも早くて帰る頃には真っ暗になった。

ようちゃんと、メガネ男子田口くんと出川似の原口くんの三人は同じ方向で、わたしと佐倉くんが同じ方向なので二手で帰ることになった。
佐倉くんとは席もとなり同士で授業中も勉強教えてもらったりしていた。紙飛行機以来よくしゃべるようになった。

帰り道、ここでお別れというところの公園の前で、

『じゃあ、またね、佐倉くん』

「ね、ねぇ!」

ふいに呼び止められた。

『なあに?』

「同じアルバム委員の田口がお前のこと好きって言ってたよ。」

『えっ。』

突然のことでビックリする。
確かにメガネ男子田口くんとは二年生の時から同じクラスで、図書委員が同じで…わたしより、小柄なのに重たい本を運んでくれたっけ…ありがとうって、いったら微笑んでくれた。
つーくんのことで落ち込んでたわたしは図書委員で図書室にいるのが好きだったから同じ委員の田口くんとも何度かは話したことがあった。

さっきの理科室でも持ち前の器用さで、切り紙でカブトムシやチョウチョやゾウやキリンなどを、作ってはくれた。
ようちゃんと、二人で、

『うわーすごーい!!手品みたーい!!』
って、盛り上がってたっけ。

二学期の終わりに、田口くんが、撮った月の写真が賞を取ったとか誇らしげに語ってくれたっけ…。

全然気がつかなかったけど、言われてみると…やさしくしてくれたような…。

っと、思い出し回想をしていると、

「俺も実はクラスに好きなひといるんだ。」

『えっ、だれだれ??あ!ようちゃん?』

「ちがう。」

『えっ、じゃあ、…赤木さん。』

「ちがう。」

『ひとみちゃん?』

「ちがう。」

……………。

『えーもうだあれ?全員言ったよー。』

わたしが、そう言うと…、
真っ直ぐにこちらを見て言った。

「目の前にいるひと。」

思わずふりかえる…木しかないってことは…、

『わ、たし…。』

「そう、俺、田口に先越されたくなくて…。
    俺が好きなのはきみだから。」

うそーーーーーーーーーーーーっ!!!!!

突然の告白でした。
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