6 / 209
06 自称天才錬金術師に借りを作る
しおりを挟む
待てといわれて学園内のカフェに居る事にした。
以前の私なら、下民にまざって待つなど持っての外と思ったんだろうなと、思いつつ肘を付いて周りを見る。
私の隣にはメイド姿のノエが緊張した顔で立っている。
「ねぇノエ?」
「はい、なんでしょうおじょうさま!」
「座ったら?」
「い、いいえっ! 立ってます」
「そう、何度も言うけど疲れたら座ってね、…………席余っているし」
私は客が一人も居ないカフェでノアに返事をした。
学園内に身分の上下はない。
あるとすれば、教師と生徒の差である。が基本な学校である。
外の階級は表向きは持ち込まない事が決まり。
様々な科の生徒達が賑わうカフェは、私が入るとそれまで賑わっていたのに、一斉に帰っていった。
露骨すぎる。
店員さえもカウンターに居ない。
厨房にでもいるんだろう。
扉が開くと、客が来たというベルがなる、さっきまでは客である学生は私の姿をとらえると、回れ右して帰っていくのくり返し。
今来た客は帰らずに私の座っている席まで歩いてきた。
横目でみると、胡散臭い格好をしたディーオである。
「昼過ぎというのにガラガラだな」
「ええ、なぜか私の顔を見ると皆様用事を思い出したのかお帰りになるので」
わざと嫌味たっぷりで答える。
気にした様子も無いディーオは私の向かえに座った。
「さきほどの受付での事といい、お前の我侭は有名だからな、だから今年の担任は天才のボクになった」
「なんでディーオ先生が?」
「天才であるボクは、貴族のクソみたいな嫌がらせは何とも思わないからな」
「まるで、私がクソみたいな嫌がらせをするような人みたいに聞こえますね」
私の答えに、口を開いて閉じるディーオ。
その目は違うのか? と私を見ている。
その質問には答えない。
一ついえることは、今後はしないと心に誓う。
「所で、態々私へ嫌味をいいに来たんですか?」
「そこまで暇じゃないんでな。約束の紹介状だ明日の昼は工房にいるらしい」
一枚の紙をテーブルの上へと置いた。
紙には住所が書かれ居たので、そのままノエへと手渡した。
馬車に行き先を告げるのが彼女だし。
「さすが、仕事が速い。あっ」
「なんだ?」
「手土産とかいる? ディーオ先生の知り合いなのよね」
「エルン君から手土産を貰ったら相手は困るだろうな」
「どういう意味だ」
思わず聞いていた。
「なに、食べ物なら毒でも入っているかと思われるし、高価な物だったらお返しに十倍の値段の物を出さなくてはいけないからな」
「どういう意味かしらっ!?」
もう一度同じ言葉を言うと、ディーオの口元が小さく開き、これまた小さく笑う。
何か珍しい物でも見れた感じで思わず怒りがどこかへ消えた。
「先方には、工房を使いたい生徒が行くとしか伝えてない。
調合も任せていいなら、三枚ほど金貨を渡せ。
それ以外のいらぬ気は回さなくていいだろう。
さて、ボクはもう行く」
本当に私に会うだけだったのか、席を起つ。
「え、もういくの? 飲み物ぐらい飲んでいけば行けばいいのに、奢るわよ」
「遠慮しておこう。君が立派な錬金術師になるのを祈っているよ。
いや、まずは卒業できる事を祈っているのよ」
一言余計な事を言うとさっさとカフェから出て行った。
錬金術師かぁ……。
別になりたくて入ったわけじゃないのよね、リュートと一緒に過ごすために入った科だし。
そういう意味では入りたくて入った事になるのかしら。
◇◇◇
あれから学園にもう用事はないので、ノエと一緒に家へと帰った。
今日の晩御飯はシチューである。
今日も一人寂しく食べ終わると、ノエに先に寝るからねと伝えて寝室へ入る。
鍵の付いた引き出しから日記帳を出すと私はペンを走らせる。
ちなみに羽ペンだ。
今日の出来事と、シチューの味そして、今の心境を書きなぐる。
日本の味が恋しいといえば恋しいけど、帰りたい気持ちは二割程度だ。
もし、崖から落ちた時に死んでいたとすれば。
その前だったら戻ったら海の中。
運よく助かっていても、据え膳上げ膳の今のような生活ではなくなるからだ。
友人や家族に関しては霧がかかったように思い出せないのも、あまり帰りたくならない事に繋がっている。
どっちの世界でも友達というのが居ないのなら、楽して暮らせるほうがいい。
ただ、顔も思い出せない弟だけはちょっときになる。
命までかけて祈願したんだから、絶対受かってないとおねえちゃん呪うからね。
日記帳を閉じると、引き出しにしまい鍵をかけた。
以前の私なら、下民にまざって待つなど持っての外と思ったんだろうなと、思いつつ肘を付いて周りを見る。
私の隣にはメイド姿のノエが緊張した顔で立っている。
「ねぇノエ?」
「はい、なんでしょうおじょうさま!」
「座ったら?」
「い、いいえっ! 立ってます」
「そう、何度も言うけど疲れたら座ってね、…………席余っているし」
私は客が一人も居ないカフェでノアに返事をした。
学園内に身分の上下はない。
あるとすれば、教師と生徒の差である。が基本な学校である。
外の階級は表向きは持ち込まない事が決まり。
様々な科の生徒達が賑わうカフェは、私が入るとそれまで賑わっていたのに、一斉に帰っていった。
露骨すぎる。
店員さえもカウンターに居ない。
厨房にでもいるんだろう。
扉が開くと、客が来たというベルがなる、さっきまでは客である学生は私の姿をとらえると、回れ右して帰っていくのくり返し。
今来た客は帰らずに私の座っている席まで歩いてきた。
横目でみると、胡散臭い格好をしたディーオである。
「昼過ぎというのにガラガラだな」
「ええ、なぜか私の顔を見ると皆様用事を思い出したのかお帰りになるので」
わざと嫌味たっぷりで答える。
気にした様子も無いディーオは私の向かえに座った。
「さきほどの受付での事といい、お前の我侭は有名だからな、だから今年の担任は天才のボクになった」
「なんでディーオ先生が?」
「天才であるボクは、貴族のクソみたいな嫌がらせは何とも思わないからな」
「まるで、私がクソみたいな嫌がらせをするような人みたいに聞こえますね」
私の答えに、口を開いて閉じるディーオ。
その目は違うのか? と私を見ている。
その質問には答えない。
一ついえることは、今後はしないと心に誓う。
「所で、態々私へ嫌味をいいに来たんですか?」
「そこまで暇じゃないんでな。約束の紹介状だ明日の昼は工房にいるらしい」
一枚の紙をテーブルの上へと置いた。
紙には住所が書かれ居たので、そのままノエへと手渡した。
馬車に行き先を告げるのが彼女だし。
「さすが、仕事が速い。あっ」
「なんだ?」
「手土産とかいる? ディーオ先生の知り合いなのよね」
「エルン君から手土産を貰ったら相手は困るだろうな」
「どういう意味だ」
思わず聞いていた。
「なに、食べ物なら毒でも入っているかと思われるし、高価な物だったらお返しに十倍の値段の物を出さなくてはいけないからな」
「どういう意味かしらっ!?」
もう一度同じ言葉を言うと、ディーオの口元が小さく開き、これまた小さく笑う。
何か珍しい物でも見れた感じで思わず怒りがどこかへ消えた。
「先方には、工房を使いたい生徒が行くとしか伝えてない。
調合も任せていいなら、三枚ほど金貨を渡せ。
それ以外のいらぬ気は回さなくていいだろう。
さて、ボクはもう行く」
本当に私に会うだけだったのか、席を起つ。
「え、もういくの? 飲み物ぐらい飲んでいけば行けばいいのに、奢るわよ」
「遠慮しておこう。君が立派な錬金術師になるのを祈っているよ。
いや、まずは卒業できる事を祈っているのよ」
一言余計な事を言うとさっさとカフェから出て行った。
錬金術師かぁ……。
別になりたくて入ったわけじゃないのよね、リュートと一緒に過ごすために入った科だし。
そういう意味では入りたくて入った事になるのかしら。
◇◇◇
あれから学園にもう用事はないので、ノエと一緒に家へと帰った。
今日の晩御飯はシチューである。
今日も一人寂しく食べ終わると、ノエに先に寝るからねと伝えて寝室へ入る。
鍵の付いた引き出しから日記帳を出すと私はペンを走らせる。
ちなみに羽ペンだ。
今日の出来事と、シチューの味そして、今の心境を書きなぐる。
日本の味が恋しいといえば恋しいけど、帰りたい気持ちは二割程度だ。
もし、崖から落ちた時に死んでいたとすれば。
その前だったら戻ったら海の中。
運よく助かっていても、据え膳上げ膳の今のような生活ではなくなるからだ。
友人や家族に関しては霧がかかったように思い出せないのも、あまり帰りたくならない事に繋がっている。
どっちの世界でも友達というのが居ないのなら、楽して暮らせるほうがいい。
ただ、顔も思い出せない弟だけはちょっときになる。
命までかけて祈願したんだから、絶対受かってないとおねえちゃん呪うからね。
日記帳を閉じると、引き出しにしまい鍵をかけた。
0
あなたにおすすめの小説
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
【完結】転生したらラスボスの毒継母でした!
白雨 音
恋愛
妹シャルリーヌに裕福な辺境伯から結婚の打診があったと知り、アマンディーヌはシャルリーヌと入れ替わろうと画策する。
辺境伯からは「息子の為の白い結婚、いずれ解消する」と宣言されるが、アマンディーヌにとっても都合が良かった。「辺境伯の財で派手に遊び暮らせるなんて最高!」義理の息子など放置して遊び歩く気満々だったが、義理の息子に会った瞬間、卒倒した。
夢の中、前世で読んだ小説を思い出し、義理の息子は将来世界を破滅させようとするラスボスで、自分はその一因を作った毒継母だと知った。破滅もだが、何より自分の死の回避の為に、義理の息子を真っ当な人間に育てようと誓ったアマンディーヌの奮闘☆
異世界転生、家族愛、恋愛☆ 短めの長編(全二十一話です)
《完結しました》 お読み下さり、お気に入り、エール、いいね、ありがとうございます☆
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
異世界転生した私は甘味のものがないことを知り前世の記憶をフル活用したら、甘味長者になっていた~悪役令嬢なんて知りません(嘘)~
詩河とんぼ
恋愛
とあるゲームの病弱悪役令嬢に異世界転生した甘味大好きな私。しかし、転生した世界には甘味のものないことを知る―――ないなら、作ろう!と考え、この世界の人に食べてもらうと大好評で――気づけば甘味長者になっていた!?
小説家になろう様でも投稿させていただいております
8月29日 HOT女性向けランキングで10位、恋愛で49位、全体で74位
8月30日 HOT女性向けランキングで6位、恋愛で24位、全体で26位
8月31日 HOT女性向けランキングで4位、恋愛で20位、全体で23位
に……凄すぎてびっくりしてます!ありがとうございますm(_ _)m
【完結】ヒロインに転生しましたが、モブのイケオジが好きなので、悪役令嬢の婚約破棄を回避させたつもりが、やっぱり婚約破棄されている。
樹結理(きゆり)
恋愛
「アイリーン、貴女との婚約は破棄させてもらう」
大勢が集まるパーティの場で、この国の第一王子セルディ殿下がそう宣言した。
はぁぁあ!? なんでどうしてそうなった!!
私の必死の努力を返してー!!
乙女ゲーム『ラベルシアの乙女』の世界に転生してしまった日本人のアラサー女子。
気付けば物語が始まる学園への入学式の日。
私ってヒロインなの!?攻略対象のイケメンたちに囲まれる日々。でも!私が好きなのは攻略対象たちじゃないのよー!!
私が好きなのは攻略対象でもなんでもない、物語にたった二回しか出てこないイケオジ!
所謂モブと言っても過言ではないほど、関わることが少ないイケオジ。
でもでも!せっかくこの世界に転生出来たのなら何度も見たイケメンたちよりも、レアなイケオジを!!
攻略対象たちや悪役令嬢と友好的な関係を築きつつ、悪役令嬢の婚約破棄を回避しつつ、イケオジを狙う十六歳、侯爵令嬢!
必死に悪役令嬢の婚約破棄イベントを回避してきたつもりが、なんでどうしてそうなった!!
やっぱり婚約破棄されてるじゃないのー!!
必死に努力したのは無駄足だったのか!?ヒロインは一体誰と結ばれるのか……。
※この物語は作者の世界観から成り立っております。正式な貴族社会をお望みの方はご遠慮ください。
※この作品は小説家になろう、カクヨムで完結済み。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる