グラン王国の錬金術師 if 悪役錬金術師に転生してました!

えん水無月

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106 昨夜は大変お楽しみで……(意味深

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 若干アルコールの匂いがする衣服を着る。
 ってか、こっちは裸なんだから、何かリアクションぐらいしなさいよ!
 あーもう、考えると腹立つわね。


「って、ここがディーオの寝室って事でいいのかしら、殺風景よね」


 本棚と机。後は衣服が掛けられているクローゼットがあるぐらいだ。
 適当に部屋を物色する。
 ここで、奴の秘密を知っておけば、ゆくゆくは切り札になり進学も楽になるだろう。


「面白そうなのは無さそうね……。
 あっ確か男性ってベッドの下に見られたくない物を隠すのよね」


 腹ばいになってベッドの下を覗き込む。
 暗くて見えにくいわね。
 ベッドの下に頭を突っ込んでみる、綺麗に掃除されていて特に、男性が隠すような本は見当たらない。


「捜し物は見つかったか?」
「うーん、普通ならえっちな本の一冊や二冊あるんだけどねー中々…………」

 …………。

 ……………………。

 私はベッドから頭を出すと、腕を組んでいるディーオを見上げる。


「ええ、ネックレスあったわ」


 ベッドの下で手に持ち替えた賢者の石付きネックレスを突きつけた。


「今しがた変な本探してるって言ってなかったかっ!」
「やーねー、言ってないわよ」
「それにネックレスならずっと首に付けていただろ」
「やだ、してないわよ。ってか私の裸そんなに見てたわけ? 教師の癖にえっちー」
「見てないっ! 大体な婚約者も居ない貴族が酔いつぶれ男の部屋に泊まるな」
「それって婚約者いたほうが不味くない?」
「まったく君はああ言えばこういう」


 いやだって、今のは完全に悪くないんですけど。
 婚約者が居ないから、まだ言い訳もできるし、これでリュートと婚約者解消してない時にディーオの部屋でスッポンポンで目が覚めたらもっと問題のような。

 でも。

「ディーオが怒り狂っているから黙っていよう」
「別に怒り狂っていない」
「はっ! 声が」
「…………確かに、ボクも悪かったな。さっきも言ったが、ノエ君とガルド君が向かえに来ている」


 バタンと扉が閉まり、私も部屋から出る事にした。
 階段を降りると、こじんまりした厨房がみえて、テーブルの前で立ったままの二人が見えた。


「おはよ、ノエにガルドなんで立ってるの? 座ったら?」
「いえ、メイドですからっ!」

 ガルドも、召使いだ。立っているのが同然だろうと、頷いてきた。

「ボクも座って構わないと言ったのだがな、君の命令のほうが上らしい」
「なんて可愛い子、持て成しもなさそうな所だけど、座って頂戴。私も座るから」


 私は椅子に座ると、隣の席をパンパンと叩く。
 ノエを呼んでいるのだ。

 ノエは回りを見た後に、小さく失礼しますと言ってから隣に座った。
 ガルドも座ったら? と目線で合図してるのに、俺は座らないと辞退した、うん、可愛くない。


「……珈琲でいいか?」
「え、催促したわけじゃないんだけど、それ以外あるの?」
「ない」


 成れた手つきで珈琲を四つ入れるとそれぞれの前に置いた。


「砂糖とミルクも置いておく、好きに使ってくれ」
「はーい、所で。なんで私がディーオの家に居るのかしら?」


 一口飲んでいたディーオが珈琲を吹き出した。


「汚いなぁ……こっちは客よ?」
「お、おま……ふぅーエルン君、覚えてないのか?」
「いやー気づいたらスッポンポンでしょ」
「スッポっおじょうさま!!」


 あら、今度はノエが驚いて砂糖を散らかす。


「やーねー何も無いわよ? 無いわよね?」
「あってたまるかっ!」



 ガルドが立ったまま話しかけてくる。


「エルン様、覚えてないのか?」
「何あったっけ?」


 ガルドが溜め息と共に教えてくれた。
 昨夜は暫く飲んでいた頃、時間も遅くなりお開きの時間となった。
 その割りに酔っていないナナに注目した私が、秘密を聞いた所、ナナは自家製の酔い止めを持参していたのだ。

 面白いわねと、私が錠剤を飲んだら突然ふらふらに。
 なんとまぁ酔い止めの薬で酔っ払ったらしい。
 らしいというのは記憶がないから。

 で、なんだかんだと、その後も人悶着があったらしいけど、ディーオの家に一泊する事になった。


「なんでディーオの家なのよ」
「リュートは妹を送るので先に帰った、カインと言ったか? あれは城に帰る。俺はエルン様の命令でナナを送るし、ノエ先輩一人でエルン様を屋敷まで連れていくのは無理だろう。
 ジャンベルに頼むと後が怖いし。
 安全そう……いや、間違って問題が起きてもアンタなら問題無いだろうとブルックスとソフィーネの考えだ。
 しかも、雇い主であるエルン様が、明日の朝迎えに来てねーと、言うんだ俺はどうしようもない」


 ガルドが説明し終わると、ディーオは軽く舌打ちをする。

「あってたまるか、ボクは君をベッドに運んで下で寝てた」
「それで……いやーごめんね」


 こういう時は素直に謝ろう。
 なんだかんだで迷惑かけてるし。


「ふう……いや、引き受けたのもボクだ、そこまで怒ってはいない、ボクは学園へ行く君達はどうする?」


 学園かぁ。
 学園は義務じゃないし、錬金科は特に行かなくてもいいし……。
 そういえば、後から知ったのだけど、この世界文字の書き取り出来る人は六割程度らしい、田舎へ行くほど文字を知らない人がいたりもする。

 学園の普通科ではそういう文字や社会学も習えるらしいけど、特にいらないし。


「暇だし帰るわ」
「…………そうか、錬金術師なのに暇というのも、いや何でもない」


 ◇◇◇


 なぜか嫌味を言われたが、帰る事にした。
 ってか、主人公でもないんだし、別にする事もないわよー。
 ナナのアトリエだってイベントが無い時は、金策か寝るだけよ。
 イベントもない、金策も必要ない私がする事って難しいのよね。


「エルンおじょうさまー。門前に人が居ます」

 ノエの言葉で現実に戻される。
 確かに門前に門兵と違った人が見えた、その人間は私の姿を見ると走ってくる。


「ぶひ、やっと帰ってきたでござるか、尻軽女でござるね」
「あ? よし、ガルドあれを斬って」
「…………無茶いうな。しかし、主の命令であれば、本当にいいんだな」


 ガルドが腰の剣に手をかけた。
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