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108 下準備とギルドマスターけん錬金術師
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考えすぎと思いますよ。
と、そういうのはナナであり、私はナナの家けん工房にいる。
結局コタロウは見つからず、誰に聞いて言いかわからないので、リュート経由でカインに連絡を取って色々確認した所、城へは既に書類が届き私が最高責任者として登録されていた。
解せぬ。
ほら、日本ならお店出す時って許可とか居るんだろうけど、この世界どこに誰に聞いて言いかわからないんだもん。
「で、ミスリルで作ったカードでいいんですよね」
「うん、出来るかな?」
「カードサイズなら私でも調合できますね」
ミスリル。
ゲームでよくある鉱石でこの世界にもある。
魔力を通しやすく、リュートみたいな人が使えば剣に炎をまとう事も出来るとか何とか。
で、もちろん高い。
今回使うのは余った部分で単価も安い。
冒険者、かっこ亜人込みのギルドに入ればミスリルで作ったカードがもらえる。
名前を彫るのはギルド発足前に探す。
カードに魔力を通す人も勧誘する調整に入る事にした。
で、カードを作るのはナナに頼む。
正直鍛冶師でもないのに出来るのか不安だったけど、錬金術で出来ますよと二つ返事がかえって来た。
もちろん、計画書なのでこれをコタロウに伝えて、出来るかどうかを聞く。
「でも、凄いです! さすがエルンさんですっ!
ギルドマスターとか……エルンさんが遠い人に……あっ、元から私みたいな庶民以下の人が気軽に話せる人では……」
「別に凄くもなんともないわよ。それにナナはその……」
友達でいいのかしら? 良いわよね別に。
「友達なんだから」
私が言うと、ナナは立ち上がりヨロヨロと後ろ足で歩いて床に倒れる。
「ちょ、なに!?」
「い、いえその友達と言ってくれて嬉しくて、私なんて物を作るしか能がないのに」
「いや、錬金術師ならそれが本業だから。
そういえば、こないだ教えて貰った石けん、やっと作り終えたわ」
ナナが突然立ち上がると私の手を握ってくる。
「石けん!」
「え、ええ石けんがどうしたの」
「エルンさんが作った石けん、買います! いえ買わせてください!
お金はそんなにだせませんけど……あっ先日の売り上げがまだ残って――」
「いやいやいや、試しに作っただけだし形もボロボロだから、もうお風呂で使いかけよ。
やっぱりナナが作ったほうがいい匂いもするし泡立ちもいいわね」
「エルンさんが私の作った石けんを! ああ……でもエルンさんの作った石けんもほ――」
何か知らないけど、ナナの錬金術師としてのスイッチを入れてしまった。
たまになるのよね。
まぁ暫くすれば戻るから放置しておきましょう。
なんとか、これで安心かな。
あとは建物の場所も聞いておかないとだめだし、正直物作っているより楽しいわね。
錬金術師としては、もう駄目かもしれない。
周りに悪いから言わないけど。
いや、楽しいのよ? 楽しいけど地味というか……。
エルンさまーと言う声が聞こえる。
ノエの声だ。
声の出所は扉の外で待っている。
「あ、じゃぁまた今度ね」
ブツブツと喋るノエに挨拶して、そっと玄関からでる。
ノエが帰りの馬車と共に手を振っていた。その横には疲れ切った顔のガルドの顔もみえる。
「あら、ガルド。って事は」
「ああ、コタロウを捕まえたぞ。
いや、捕まっていたぞ」
「ん?」
私は馬車に乗って、二人も一緒に乗せた。
従者と一緒に馬車とかガルドは拒否したけど、この方が早い。
私が窓から顔出して喋るわけにもいかないじゃない。
「で、何所にいたって?」
「だから、留置所だ。
昨晩、城付近でうろうろしている所を女性に叫ばれて、駆けつけた衛兵に尋問され、ポケットから女性用の下着と白金貨がごっそり出て、そのままの御用だ。
身元引き受け人予定として、話はつけてきているがどうする?」
どうするもこうするも、引き受けるしかない。
「半分は私の責任でもあるわけだし、しょうがないわね」
カッポカッポと馬車を走らせる。
町の入り口にある簡易留置所に『奴』は居た。
先にガルドが衛兵に話すと、本当にカミュラーヌ家と繋がりある人間だったのかとか、カミュラーヌ家では変態を飼っていたのか、貴族特権乱用だよなとか小声が聞こえてくる。
「やだなーそんな事ないじゃない」
笑顔で冗談を飛ばす。
影口を叩いていた衛兵達が一斉に顔を背けて、直立不動になった。
「……………………」
「ええっと、私としてはもっとフレンドリーに……ね?」
「はっ! 我々衛兵は任務を遂行しているだけです!
何も言っていませんし、聞いてもいません!」
「あの、ちょっと?」
私の問いかけにも、任務ですからと口を閉ざし始めた。
私の肩に、ガルドの手がおかれる。
「エルン様。人の笑顔でここまで、恐れられるのは始めてみたな。
参考にしよう」
「するなっ! あーもういいわよ。さっさとコタロウを引き取って帰るわよ! ノエ!」
「ご、ごめんなさいー」
「ちょっと……別に怒ってないわよー、ノエは可愛い子だもんねー」
怯えるノエを捕まえて頭を撫でる、衛兵は顔を背け、その間にガルドが手続きをしてくれた。
◇◇◇
「ふーしゃばの空気は旨いでござるな」
「何がしゃばよ、ってか何所でそんな言葉を」
「おや、異世界囚人物語をしらないでござるか? 姫を寝取った男が、姫がベッドでやっぱ王子のほうが素敵って言われて、突然刺され。
捕まった男が、牢獄から脱出する物語でござる」
「中々にやばい話ね」
「作中での夜の――」
「ガルド!」
ガルドへ振り向くと、すでにノエの耳を両手で塞いでいる。
なぜ耳を押さえつけられたかわからないノエはガルドの両腕を掴んでは混乱している、その間にもコタロウの低俗な話は続く。
ってか、十七才の乙女にしていい話じゃないわよね、これ。
色々とピンクな話を一通り話し終えたコタロウは満足そうだ。
なお、私は満足ではない。
「まぁとにかく、色々手配はしたからこれでいいか確認して。ほんっと頼むわよ。
アンタがヘマしたら首が飛ぶのはこっちなんだから」
書いた紙を渡すと、中身を確認している。
時おり、ほほーや、さすがでござるとヨイショを忘れないのがコタロウで、気分が良くなる。
こういう所が憎めないのよね。
「わかってるでござるよ。拙者はとばな――――怖いでござるよエルン殿!」
「ほんっと、ちゃんとしてよね!」
基本の決定権は私にあるらしく、エルン殿がこれでよければこれでいくでこざるよ。と、身もフタもない事を言われた。
それでいいのか、亜人込みの冒険者ギルド。
と、そういうのはナナであり、私はナナの家けん工房にいる。
結局コタロウは見つからず、誰に聞いて言いかわからないので、リュート経由でカインに連絡を取って色々確認した所、城へは既に書類が届き私が最高責任者として登録されていた。
解せぬ。
ほら、日本ならお店出す時って許可とか居るんだろうけど、この世界どこに誰に聞いて言いかわからないんだもん。
「で、ミスリルで作ったカードでいいんですよね」
「うん、出来るかな?」
「カードサイズなら私でも調合できますね」
ミスリル。
ゲームでよくある鉱石でこの世界にもある。
魔力を通しやすく、リュートみたいな人が使えば剣に炎をまとう事も出来るとか何とか。
で、もちろん高い。
今回使うのは余った部分で単価も安い。
冒険者、かっこ亜人込みのギルドに入ればミスリルで作ったカードがもらえる。
名前を彫るのはギルド発足前に探す。
カードに魔力を通す人も勧誘する調整に入る事にした。
で、カードを作るのはナナに頼む。
正直鍛冶師でもないのに出来るのか不安だったけど、錬金術で出来ますよと二つ返事がかえって来た。
もちろん、計画書なのでこれをコタロウに伝えて、出来るかどうかを聞く。
「でも、凄いです! さすがエルンさんですっ!
ギルドマスターとか……エルンさんが遠い人に……あっ、元から私みたいな庶民以下の人が気軽に話せる人では……」
「別に凄くもなんともないわよ。それにナナはその……」
友達でいいのかしら? 良いわよね別に。
「友達なんだから」
私が言うと、ナナは立ち上がりヨロヨロと後ろ足で歩いて床に倒れる。
「ちょ、なに!?」
「い、いえその友達と言ってくれて嬉しくて、私なんて物を作るしか能がないのに」
「いや、錬金術師ならそれが本業だから。
そういえば、こないだ教えて貰った石けん、やっと作り終えたわ」
ナナが突然立ち上がると私の手を握ってくる。
「石けん!」
「え、ええ石けんがどうしたの」
「エルンさんが作った石けん、買います! いえ買わせてください!
お金はそんなにだせませんけど……あっ先日の売り上げがまだ残って――」
「いやいやいや、試しに作っただけだし形もボロボロだから、もうお風呂で使いかけよ。
やっぱりナナが作ったほうがいい匂いもするし泡立ちもいいわね」
「エルンさんが私の作った石けんを! ああ……でもエルンさんの作った石けんもほ――」
何か知らないけど、ナナの錬金術師としてのスイッチを入れてしまった。
たまになるのよね。
まぁ暫くすれば戻るから放置しておきましょう。
なんとか、これで安心かな。
あとは建物の場所も聞いておかないとだめだし、正直物作っているより楽しいわね。
錬金術師としては、もう駄目かもしれない。
周りに悪いから言わないけど。
いや、楽しいのよ? 楽しいけど地味というか……。
エルンさまーと言う声が聞こえる。
ノエの声だ。
声の出所は扉の外で待っている。
「あ、じゃぁまた今度ね」
ブツブツと喋るノエに挨拶して、そっと玄関からでる。
ノエが帰りの馬車と共に手を振っていた。その横には疲れ切った顔のガルドの顔もみえる。
「あら、ガルド。って事は」
「ああ、コタロウを捕まえたぞ。
いや、捕まっていたぞ」
「ん?」
私は馬車に乗って、二人も一緒に乗せた。
従者と一緒に馬車とかガルドは拒否したけど、この方が早い。
私が窓から顔出して喋るわけにもいかないじゃない。
「で、何所にいたって?」
「だから、留置所だ。
昨晩、城付近でうろうろしている所を女性に叫ばれて、駆けつけた衛兵に尋問され、ポケットから女性用の下着と白金貨がごっそり出て、そのままの御用だ。
身元引き受け人予定として、話はつけてきているがどうする?」
どうするもこうするも、引き受けるしかない。
「半分は私の責任でもあるわけだし、しょうがないわね」
カッポカッポと馬車を走らせる。
町の入り口にある簡易留置所に『奴』は居た。
先にガルドが衛兵に話すと、本当にカミュラーヌ家と繋がりある人間だったのかとか、カミュラーヌ家では変態を飼っていたのか、貴族特権乱用だよなとか小声が聞こえてくる。
「やだなーそんな事ないじゃない」
笑顔で冗談を飛ばす。
影口を叩いていた衛兵達が一斉に顔を背けて、直立不動になった。
「……………………」
「ええっと、私としてはもっとフレンドリーに……ね?」
「はっ! 我々衛兵は任務を遂行しているだけです!
何も言っていませんし、聞いてもいません!」
「あの、ちょっと?」
私の問いかけにも、任務ですからと口を閉ざし始めた。
私の肩に、ガルドの手がおかれる。
「エルン様。人の笑顔でここまで、恐れられるのは始めてみたな。
参考にしよう」
「するなっ! あーもういいわよ。さっさとコタロウを引き取って帰るわよ! ノエ!」
「ご、ごめんなさいー」
「ちょっと……別に怒ってないわよー、ノエは可愛い子だもんねー」
怯えるノエを捕まえて頭を撫でる、衛兵は顔を背け、その間にガルドが手続きをしてくれた。
◇◇◇
「ふーしゃばの空気は旨いでござるな」
「何がしゃばよ、ってか何所でそんな言葉を」
「おや、異世界囚人物語をしらないでござるか? 姫を寝取った男が、姫がベッドでやっぱ王子のほうが素敵って言われて、突然刺され。
捕まった男が、牢獄から脱出する物語でござる」
「中々にやばい話ね」
「作中での夜の――」
「ガルド!」
ガルドへ振り向くと、すでにノエの耳を両手で塞いでいる。
なぜ耳を押さえつけられたかわからないノエはガルドの両腕を掴んでは混乱している、その間にもコタロウの低俗な話は続く。
ってか、十七才の乙女にしていい話じゃないわよね、これ。
色々とピンクな話を一通り話し終えたコタロウは満足そうだ。
なお、私は満足ではない。
「まぁとにかく、色々手配はしたからこれでいいか確認して。ほんっと頼むわよ。
アンタがヘマしたら首が飛ぶのはこっちなんだから」
書いた紙を渡すと、中身を確認している。
時おり、ほほーや、さすがでござるとヨイショを忘れないのがコタロウで、気分が良くなる。
こういう所が憎めないのよね。
「わかってるでござるよ。拙者はとばな――――怖いでござるよエルン殿!」
「ほんっと、ちゃんとしてよね!」
基本の決定権は私にあるらしく、エルン殿がこれでよければこれでいくでこざるよ。と、身もフタもない事を言われた。
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