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鼻も口も目も閉じて、流砂……いや、泥水に飲み込まれる。
流れはゆっくりで、不思議と沈まなかった。
「ね。案外大丈夫でしょ?」
首だけ動かすとミーナが泥の中を泳いでくる。
「アーススパイダーのうんこって美容効果あるんだよー」
「そうなの!?」
「調合して全身に塗ると不純物を取ってくれるのが出来るの」
それは良い事を聞いた気がする。
とはいえ、元が元だけに気分的に嫌。
「ちょっとバシャバシャしないで、口に入ったら呪うわよ!」
「直ぐ怒るー……」
「あのねー……」
「でも、今回はエルンちゃんが悪いとおもうな。町に居なかったし」
…………。
「まぁそれは置いておいて。キノコ取りうまくいった?」
「あ、そうそう。キノコ持ってる人が居なくてさー、途中でリオちんに見つかって、アタシにはあげないって、エルンちゃんと一緒ならキノコ持ってる人物を紹介するって怒られちゃった」
「そうなの……その、ありがとね」
なんだかんだで、魔界まで行ってくれたし、こうして助けにも来てくれる。
ありがたい。
「おお、エルンちゃんがデレた」
「ほんっとう、おもった事すぐに言う良い性格してるわね」
「わーい、褒められた」
もはや嫌味も通じない。
私は泥水の中体制をかえて偽ディーオを見る。
ハゲチャピンと共に口数は少ないが元気そうなのが見えた。
段々と泥水が薄くなり、水っぽさが増してくる。
そして殆ど水になった川になると私達は岸へとあがった、はるか後方にさっきまで居た山が見える。
空は暗くなっており、寒い。
「寒い寒い寒い寒い! 泥水の中は暖かかったけど、冬よ! 寒いわよ! 死ぬ! なんであんたたちは平気なのよ」
「んー錬金術師だから」
「俺達は盗賊だからな」
「だーどっちも理由になってないじゃない!」
なに、錬金術師だったら寒さしのげるわけ? 盗賊にジョブチェンジしたら冬でも大丈夫になる?
「おちつけ、幸いキャンプ地が近い。俺は先にいくからハゲチャピンを護衛において置く」
「あっちょっと」
偽ディーオは小さな木々の間を抜けていった。
ガチガチに震えながらキャンプ地へと歩く。
「ディーネちゃん!」
「ん?」
前を見ると、捕らわれていたはずのニシエが何かを持って走ってきた。
直ぐに吸収性のよいタオルと毛布だ。直ぐに私とミーナの体にかけてくれる。
「ありがががが、ありがとう」
「無理して喋らない」
「ありがとうー。ええっと、アタシはミーナ、おねーさんは?」
「あ、噂の錬金術師さんね。こっちはニシエ」
「おい、俺の分は?」
ニシエは、キャンプ地で暖かいスープ作ってるからと私を励ましてくれた。
あと毛布は二枚しかなくハゲチャピンの分は無かった。
なんでも、偽ディーオからアイツは大丈夫だろうって言われたとかなんとか。
◇◇◇
バチバチと燃えては崩れていく薪を見ながら、暖かいお茶を飲む。
キャンプ地に着いてから数時間後、やああっと私も落ち着いた。
ガチガチの体を温めたタオルで拭きながら着替え、暖かいスープを飲んで焚き火で暖まったし。
反対側の焚き火では、偽ディーオを中心に色々と作戦会議が行われていた。
偽ディーオもハゲチャピンもお宝の一部を持ち出していてちゃっかりものだ、その宝をどこにどれぐらいで売るかってのを会議してる。
ちゃっかりといえば、ミーナもなぜか盗賊団の中で普通に溶け込んで、その会議の中であそこがいいいよ。とか話しているし。怖くないのかしらね?
もはや、檻に入れなくても私達の安全は保障されたと見ていいのだろう。
焼いた肉を食べながらホットワインを飲む。
黒髪の偽ディーオが輪から離れて私の所へと来た。
「今回の事は感謝する」
「…………どうも。それでこれからどうするの? またあの山越えるわけ?」
「いや、あそこは元々危険だからと閉鎖されていた旧道だ。あの錬金術師の話では、町は普段と変わらないらしいな。追っ手大丈夫そうだし別の町へと行くつもりだ」
「まっあんまり悪い事して捕まらないようにね」
私に言えるのはこれぐらいである。
「捕まっていたのにも関わらず、仲間のために命を懸けた友人の言葉として素直に受け止めておこう」
「え。嫌なんだけど盗賊と友達とか」
「…………そうか」
あれ、偽ディーオが思ったよりも肩を落としている。
私の隣に居たニシエが、エルンちゃん酷いって小さい声で言っているのを聞こえた気がした。
いやだって、盗賊団で切羽詰ったら殺しもするけど、お前は今日から友達な! って言われたら嫌じゃない。うーん、私が悪いのだろうか?
「ともかく、私は明日にでも帰るわよ」
「わかった」
翌朝、賢者の石でブーストしたミーナが操る、飛んでるホウキでグラン王国まで帰ってきた。
直ぐにでも魔界にって事ではなく、一応ミーナの調子が良くなるまで自宅待機だ。
「はっ!」
「どうした、お嬢様」
ミーナを寝かしつけて、応接室でゆっくりしてると、思わず声が出た。
その声に反応して、ガルドが私に聞いてくる。
「いや、なんでもないのよ。ほほほほ」
偽ディーオの名前って結局聞くの忘れてたなぁ。そこだけは悪い事をした。
流れはゆっくりで、不思議と沈まなかった。
「ね。案外大丈夫でしょ?」
首だけ動かすとミーナが泥の中を泳いでくる。
「アーススパイダーのうんこって美容効果あるんだよー」
「そうなの!?」
「調合して全身に塗ると不純物を取ってくれるのが出来るの」
それは良い事を聞いた気がする。
とはいえ、元が元だけに気分的に嫌。
「ちょっとバシャバシャしないで、口に入ったら呪うわよ!」
「直ぐ怒るー……」
「あのねー……」
「でも、今回はエルンちゃんが悪いとおもうな。町に居なかったし」
…………。
「まぁそれは置いておいて。キノコ取りうまくいった?」
「あ、そうそう。キノコ持ってる人が居なくてさー、途中でリオちんに見つかって、アタシにはあげないって、エルンちゃんと一緒ならキノコ持ってる人物を紹介するって怒られちゃった」
「そうなの……その、ありがとね」
なんだかんだで、魔界まで行ってくれたし、こうして助けにも来てくれる。
ありがたい。
「おお、エルンちゃんがデレた」
「ほんっとう、おもった事すぐに言う良い性格してるわね」
「わーい、褒められた」
もはや嫌味も通じない。
私は泥水の中体制をかえて偽ディーオを見る。
ハゲチャピンと共に口数は少ないが元気そうなのが見えた。
段々と泥水が薄くなり、水っぽさが増してくる。
そして殆ど水になった川になると私達は岸へとあがった、はるか後方にさっきまで居た山が見える。
空は暗くなっており、寒い。
「寒い寒い寒い寒い! 泥水の中は暖かかったけど、冬よ! 寒いわよ! 死ぬ! なんであんたたちは平気なのよ」
「んー錬金術師だから」
「俺達は盗賊だからな」
「だーどっちも理由になってないじゃない!」
なに、錬金術師だったら寒さしのげるわけ? 盗賊にジョブチェンジしたら冬でも大丈夫になる?
「おちつけ、幸いキャンプ地が近い。俺は先にいくからハゲチャピンを護衛において置く」
「あっちょっと」
偽ディーオは小さな木々の間を抜けていった。
ガチガチに震えながらキャンプ地へと歩く。
「ディーネちゃん!」
「ん?」
前を見ると、捕らわれていたはずのニシエが何かを持って走ってきた。
直ぐに吸収性のよいタオルと毛布だ。直ぐに私とミーナの体にかけてくれる。
「ありがががが、ありがとう」
「無理して喋らない」
「ありがとうー。ええっと、アタシはミーナ、おねーさんは?」
「あ、噂の錬金術師さんね。こっちはニシエ」
「おい、俺の分は?」
ニシエは、キャンプ地で暖かいスープ作ってるからと私を励ましてくれた。
あと毛布は二枚しかなくハゲチャピンの分は無かった。
なんでも、偽ディーオからアイツは大丈夫だろうって言われたとかなんとか。
◇◇◇
バチバチと燃えては崩れていく薪を見ながら、暖かいお茶を飲む。
キャンプ地に着いてから数時間後、やああっと私も落ち着いた。
ガチガチの体を温めたタオルで拭きながら着替え、暖かいスープを飲んで焚き火で暖まったし。
反対側の焚き火では、偽ディーオを中心に色々と作戦会議が行われていた。
偽ディーオもハゲチャピンもお宝の一部を持ち出していてちゃっかりものだ、その宝をどこにどれぐらいで売るかってのを会議してる。
ちゃっかりといえば、ミーナもなぜか盗賊団の中で普通に溶け込んで、その会議の中であそこがいいいよ。とか話しているし。怖くないのかしらね?
もはや、檻に入れなくても私達の安全は保障されたと見ていいのだろう。
焼いた肉を食べながらホットワインを飲む。
黒髪の偽ディーオが輪から離れて私の所へと来た。
「今回の事は感謝する」
「…………どうも。それでこれからどうするの? またあの山越えるわけ?」
「いや、あそこは元々危険だからと閉鎖されていた旧道だ。あの錬金術師の話では、町は普段と変わらないらしいな。追っ手大丈夫そうだし別の町へと行くつもりだ」
「まっあんまり悪い事して捕まらないようにね」
私に言えるのはこれぐらいである。
「捕まっていたのにも関わらず、仲間のために命を懸けた友人の言葉として素直に受け止めておこう」
「え。嫌なんだけど盗賊と友達とか」
「…………そうか」
あれ、偽ディーオが思ったよりも肩を落としている。
私の隣に居たニシエが、エルンちゃん酷いって小さい声で言っているのを聞こえた気がした。
いやだって、盗賊団で切羽詰ったら殺しもするけど、お前は今日から友達な! って言われたら嫌じゃない。うーん、私が悪いのだろうか?
「ともかく、私は明日にでも帰るわよ」
「わかった」
翌朝、賢者の石でブーストしたミーナが操る、飛んでるホウキでグラン王国まで帰ってきた。
直ぐにでも魔界にって事ではなく、一応ミーナの調子が良くなるまで自宅待機だ。
「はっ!」
「どうした、お嬢様」
ミーナを寝かしつけて、応接室でゆっくりしてると、思わず声が出た。
その声に反応して、ガルドが私に聞いてくる。
「いや、なんでもないのよ。ほほほほ」
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