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あたしの彼は、
、
しおりを挟む「…もうそろそろ親帰ってくるから」
「……っえ?!」
次に聞こえてきた言葉に、思わず大きな声を出す。
よく見れば榛名くんの肩の向こうに見える窓の外に広がる景色は、もうすっかり暗くなっていた。
日が沈んでいるところを見る限り、恐らく軽く2時間以上は経っているだろう。
「なんで起こしてくれなかったの!」
「…何回も起こしたけど、起きなかったんだよ」
「う、嘘!」
「…ほんと」
ピシャリとそう言い返されて、言葉に詰まる。
ちらりと榛名くんを見上げると、榛名くんもあたしを静かに見下ろす。
見慣れない眼鏡姿にドキドキと胸が高鳴ってしまう。
「…ご両親、すぐに帰ってくるの?」
「…ううん。まだちょっとかかると思う」
小さく問いかけたあたしの言葉に、同じくらいの小さな声で返ってくる返事。
榛名くんはそう言いながら、ベッドの淵に腰かけた。
ギシ…、スプリングが軋む音が微かに響く。
そっ、と頬に添えられた大きな手。
レンズ越しに見える伏せた瞳が綺麗で、目を奪われる。
角度を付けてゆっくりと近づいてくる顔。鼻先が触れ合いそうな距離でそれは止まり、榛名くんは思い出したかのように眼鏡を外そうとした。
「っ待って、」
咄嗟にシャツの裾を掴んでそう言えば、動きを止めた榛名くんと目が合う。
「…そのままが、いい」
あたしの言葉に、榛名くんはきょとんと目を丸くした。
「…これ掛けたまま、ってこと?」
「…うん。……ダメ?」
少し首を傾げてそう聞いた次の瞬間、まるで応えるように後頭部と腰に回る手。
「…ダメじゃないよ」
囁くような音量でそう言った榛名くんの唇が、音もなく重なる。
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