138 / 141
漸進的愛情表現
、
しおりを挟む思い返してみれば今まで連絡を取り合う時はLINEばかりで電話をするのは今この瞬間が初めてだと気づく。
途端になんだか気恥ずかしさを感じながらも「お疲れ様」と労いの言葉を掛けてから、言葉を続けた。
「…今日、陸が辻本に渡し忘れたプリント預かったんだけど」
『え、そうなの?なんのプリントだろう?』
「なんか、選択授業に使うやつらしい」
『選択授業って確か休み明けにあるよね?』
「…うん。だから今日届けた方がいいかなと思って、今辻本ん家向かってる」
『えっ、今?』
驚いたように声を上げた辻本は『遠いからいいよ!』と、すぐに言葉を続けた。
「…や、大丈夫。辻本の家の近くの駅で時間潰してたから、後少しで着く」
『えぇっ?終わるまで待っててくれたの?』
素っ頓狂な声が機械越しに響く。あわあわと慌てている辻本の姿が容易に想像できて、思わずふっと笑みが零れる。
『遅くまで待たせた上に届けに来させちゃって…、あぁ、もうほんとごめんね』
辻本はすぐに声のトーンを下げて本当に申し訳なさそうにそう言う。
こういう意外と律儀なところとかが、多分俺のツボを突いてるんだろうな、と思う。
「…元はと言えば忘れてた陸が悪いんだし、辻本は謝んなくていいよ」
『うーん…まあ、そう言われればそうだけど…』
そこでちょうど辻本の家が遠くに見えてきて、再び口を開く。
「俺もう着くんだけど、辻本今どこ?」
『えっとね、今コンビニ辺りだから後5分もすればあたしも着くと思う』
「じゃあ家の前で待ってるから」
『うん、分かった。急ぐね!』
元気よくそう言った辻本にまた口元が緩みながら「ゆっくりでいいよ」と返事をしてから、通話を切った。
0
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。
すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。
そこで私は一人の男の人と出会う。
「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」
そんな言葉をかけてきた彼。
でも私には秘密があった。
「キミ・・・目が・・?」
「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」
ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。
「お願いだから俺を好きになって・・・。」
その言葉を聞いてお付き合いが始まる。
「やぁぁっ・・!」
「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」
激しくなっていく夜の生活。
私の身はもつの!?
※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
では、お楽しみください。
今日でお別れします
なかな悠桃
恋愛
高校二年の碧は黒髪のショートボブ、眼鏡の地味な女の子。特別目立つこともなく学校生活を送っていたが、阿部貴斗との出会いによって環境がガラリと変わっていく。そして碧はある事を貴斗に隠していて...
※誤字、脱字等など見落とし部分、読み難い点申し訳ございません。気づき次第修正させていただきます。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
なお、スピンオフもございます。
白椿の咲く日~ひそかな恋、遠い日の思いは
紫さゆり
恋愛
結婚を控えた真由子は、久しぶりに異母姉の稚子(わかこ)と会う。
真由子の母の雪江は、大学教授であり著名な歌人の水上実之(みなかみさねゆき)の後添いとして水上家に嫁いだ。
婚約者の諒人(りょうと)のことなど、真由子は稚子と色々語り合ううち、庭の白椿の木は真由子がなついていた異母兄、靖之が植えたものだと知る。
白椿の木をめぐっての、ひそかな大人の恋物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる