俺の相棒は元ワニ、今ドラゴン!?元飼育員の異世界スローライフ

ライカタイガ

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第45話 いざ王都へ

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午後の日差しが差し込む中、オレたちは再び馬車に乗り込み、
王都への最後の旅路を進み始めた。オレは「隠蔽」のスキルを2人に打ち明けたことで、
少し肩の荷が下りたような気がしていた。

ゴロウがオレの肩で再び姿を現し、明るい声で言った。

「ダイ、僕、大丈夫だよー。隠れてるのなんて簡単だよ!」

オレはそんなゴロウに微笑み、頭を軽く撫でた。
「ありがとう、ゴロウ。これからも力を貸してくれると助かるよ。」

馬車の窓から見る景色はとても穏やかで

両脇に広がる草原や林を越えていく。
草原には色とりどりの花が咲き、
時折、涼しい風が吹き抜けて馬車の中に心地よい空気を運んでくる。

「王都に近づくにつれて、景色も変わってくるな。」
バルシュが遠くの景色を見つめながらつぶやく。

「ええ、辺境とはまた違った風景ですね。」
レオンナンドも同じ方向を見ながら同意した。

馬車が進むごとに、道沿いの風景は次第に農地や小さな村が点在するようになってきた。
馬車を引く馬の蹄が、乾いた土の道を踏みしめる音が響く。
道行く農民たちが、重い荷物を背負いながら歩いている姿が見えると、
オレはふと王都での生活がどんなものになるのかを考え始めた。

ゴロウはオレの肩に乗り、目を輝かせながら外の風景を見ていた。
「ダイ、すごいね!同じ草がたくさん生えてるところがいっぱいあるね!」

「そうだね、あれは畑っていうんだ。王都は食べ物がたくさん必要だから、畑がたくさんあるんだ。」
オレはゴロウに教えながらも、自分自身も初めて見る景色に心を奪われていた。

村を通り過ぎると、次第に道は石畳へと変わり、
街の近くであることが実感できた。行き交う馬車や人々の数も増え、
農地の風景は次第に活気あふれる市場や商店へと姿を変えていく。
通りには露店が立ち並び、人々の声が響き渡っていた。

「王都も近い。そろそろ準備をしておこう」
バルシュが落ち着いた声で言った。


オレはゴロウに向かって
「そろそろ隠れておこうか。人も多くなってきたし。」と囁くと、
ゴロウも小さく頷き、オレの肩で姿を消した。



程なくして、王都の巨大な城壁が見えてきた。
壮大な門がそびえ立ち、その前には多くの馬車や人々が行き交っていた。
門を守る兵士たちが忙しそうに入城の手続きを行っている。
オレはその様子に圧倒されながらも、いよいよ王都に着くという実感に胸を高鳴らせた。

「すごい…あれが王都か…。」オレは思わず声に出してしまった。

ゴロウもオレの肩の上で少し移動したのがわかった。
「わぁ、すごい!大きいね、ダイ!」


バルシュが穏やかな表情でオレに目を向ける。
「ダイ、これから王都で多くのことが待っている。だが、まずは落ち着いて行動することだ。」


「はい、父様。」オレは緊張を感じつつも、決意を新たにした。


門番がオレたちの馬車に近づき、レオンナンドが書類を門番に手渡す。

門番は受け取った書類に一通り目を通すと
バルシュに敬礼し
「トランザイル辺境伯様、王都へのご到着を心より歓迎いたします。
手続きは済んでおりますので、そのままお進みください。」

門がゆっくりと開かれ、オレたちはついに王都の中へと足を踏み入れた。
馬車が石畳の道を進むと、目の前には広がる壮大な街並みが広がっていた。


王都の中は、想像以上に活気があふれていた。
賑やかな市場、行き交う人々、露店で売られている様々な商品に目を奪われる。
オレはその景色に圧倒されつつも、これからの生活に対する期待が膨らんでいく。

ゴロウは姿は隠しているがオレの肩で左右に移動しているようだ
「ダイ、ここに住むの?楽しそう!」
テレパシーでの会話だがとても興奮していることがわかる。

オレはゴロウを落ち着かせるように
「ゴロウ、しばらく泊まるだけだよ。ゴロウの事をいっぱい調べたら家に帰るんだ」
そうゴロウに言ったもののオレも内心とても興奮していた。

「分かったよ、ダイ!僕、頑張るよ!」
ゴロウは、そう返事をしたものの
本当にわかっているのかと少し不安になった・・・・


馬車はゆっくりと進み、オレたちはまず宿へ向かうことにした。
バルシュはこれからの商談や、エンシェントドラゴンに関する調査に向けての準備を進めるめ
オレもそれを手伝い明日からの行動に備えることにした。

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