呼んでいる声がする

音羽有紀

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呼んでいる声がする(その23)カリカリと海

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 ネコ達は、ご飯を食べて寛ぎ毛づくろいを始めた。

クロちゃんの頭を撫でた。この辺は、畑だから近所迷惑にならないなと思い良かったと胸を撫でおろした。

 ネコの声も人間の声も聞こえないからねと瑠子は思った。

暫く猫達を撫でていた。

「イエローハウスはペット禁止だからね、でもいいや、貴方達がいるから。」

 帰る時、猫達は、ちょこんと座ってこちらを見送ってくれた。

かじかんだ手をポケットに手を入れてイエローハウスに瑠子は向かった。

 夜中に窓から外を見ていたら遠くから猫男が歩いて来るのが見えた。

彼は窓辺に立っている瑠子に気がつくと彼女の方に手を振って来た。瑠子も手を振ってみた。

それから呟いた。

「人の部屋の窓の景色の中に表れないで欲しいのわね。」

 小さく呟くと蓮子は台所に置いた猫のごはんのカリカリの箱を見つめた。

それから、猫男が自分の部屋のドアを閉める音がしたので安心してまた窓を開けた。遠くに小さく海が見える。蓮花と海に行く事を思い出した。

遠くで海がきらきらと輝いていた。

 翌日に、又、蓮子と決めた待ち合わせ場所の坂を下りた所すぐの海岸に行った。

 蓮子は本当に来るのだろうかと心配したがそれは無用であった。5分前に蓮子は笑顔で現れたからだ。

毛糸のチャコグレーの帽子を被っていた。キノコの妖精みたいだと瑠子は思った。蓮子は思わず声をあげた

「かわいい。帽子。」

「えっ。あ、ありがとう。」

 照れた様に言った。

駅の近くのコンビニに寄って、瑠子は、鱈子のおにぎりと、チョコレートポッキーを買った。

 蓮子は、卵とハムのサンドイッチを手に取った。

 瑠子は、家から持ってきたビニールを波打ち際から少し離れた所に敷いた。

「どうぞ。」

「ありがとう。」

それから水筒を蓮子がトートバックから取り出した。

「紅茶入れて来たの。」

それは、小型の赤い水筒だった。

「わあ。」

にこっと蓮子は笑った。紙コップも持って来てくれていて出して瑠子の分も注いだ。

座って、じっと無言で、二人は海を見た。

どこまでも続く海、いつ見ても飽きないと瑠子は思った。

「こないだ夜中の海を見たんだ。ほら、あの大雪の日、夜中になっちゃった日に」

「あの雪の日。」

興味深げな表情で蓮花は言った。               つづく

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