56 / 61
第2章
呼んでいる声がする第2章(その16)イエロー星
しおりを挟む「偉い?」
その驚いた蓮花の表情に我に返った瑠子は慌てて返した。
「あ、都会で生きていくのって思って。それよりさ、
ごめんね。夜遅くに。」
「え、大丈夫。瑠子ちゃんと話したかったから。」
「良かった。」
ほっとした瑠子は、蓮花に言った。
「でもさ、スリルがあるよね。」
そう、こんな時間に喫茶ドールズにいる怪しい人々と
共に場に相応しくない二人がいるのがスリルだと瑠子は感じた。
瑠子は続けて言った。
「今日はイエローハウスに泊まったら?
遅いから。」
「そうする。ありがとう。」
「良かった。じゃあ、さあ出ようか。」
瑠子は言った。
二人は出ると、瑠子は1センチ程のロケット型のチョコレートを取り出した。
「蓮花ちゃん、チョコレート好きでしょ。手を出して。」
蓮花は右手を出した。
「あ、これ知ってるよ。ありがとう。」
歩きながら二人はそれを口に入れた。
「久しぶりだな。これ食べるの。」
「ロケットに乗ってあの星に行こう。」
と、宙を見上げた。
「星見えないけれど。」
二人は顔を見合わせて笑った。
「でもイエローハウスは、惑星。」
瑠子がそう言うと蓮花は言った。
「いいな。瑠子ちゃんの星。」
「けれど、星から旅立つ者もいるけれど。」
「えっ?旅立つ者?」
「そう、猫よ。」
「猫?」
「イエロー星には、猫がいるの。他の惑星に行くのよ。」
「あ、もしかしてあの坂の途中の猫?」
瑠子は首を振った。
「猫人間。」
「え、なあにそれ?」
夜もふけて来ると人は疲れが出て笑いのたかが
はずれるのだろうか
蓮花はけらけら笑って笑いキノコを食べたみたいに
なった。
こんな風に蓮花も笑うんだ。瑠子はこんなはしゃいだ様な蓮花の笑い声を初めて聞く様な気がした。
今日の事は、蓮花の心を輝かせたのだと瑠子は思った。
車内の窓の外にはいつもの様にコンビナートの明かりが
お祝いをするかの様にきらきら輝いていた。
「あの人は、思いやりも無い人だった。自己中心的で
あたしは、ロボットの様に思っていたと思う。」
「ロボット?」
「ポンコツロボット。」
「え、ポンコツなんかじゃないよ。」
少し笑って蓮花は言った。
「ありがとう。」
「もしロボットだとしたらAIロボット最新版だよ。」
それを聞いて瑠子は笑った。
アナウンスが聞こえて来た。
車両には、人が疎らだった。
居眠りをしているサラリーマンもいた。
「次は、浜岡駅。」
「下りなきゃ。」
もう、22時45分を回っていた。
さすがに夜中過ぎると瑠子は思った。
「これは、魑魅魍魎の世界に違いない。」
そう呟く様にいうと、まだ、笑いきのこの効果が
切れて無かったのか蓮花が笑いだした。
幸い駅の前にはタクシーが停車していた。
「あの、宇宙船に乗ってイエローハウス星まで帰るわよ。」」
そう言いながら黄色いタクシーの側を指した
「そうだね。」
笑いながら、蓮花は言った
近づくと瑠子は窓をコンコンと小さく叩いた
「あ、どうも。」
と言って運転手は目を覚ましてドアを開けてくれた。
海沿いの道も宇宙船だとあっという間に
通り過ぎた。
その時、まりもの前も通り過ぎた。
「まりも閉まってるな。」
呟く様に瑠子は言った。
その呟きに蓮花が言った。
「本当だ。」
イエローハウスに着くと
蓮花が
「おじゃまします。」
と軽く頭を下げた
「蓮花ちゃんてお嬢様みたいだよね。」
「そんな。」
笑いきのこの効力は、とっくに切れた様な、蓮花は
はにかみながら言った。そして
「嬉しい、また蓮花ちゃん部屋に来れて。
「いつでも、来てね。」
蓮花は、嬉しそうな表情をした。
それから、輝く様な笑顔で頷いた。
「夕飯食べた?」
瑠子は首を振った。
「あたし別れたの
とうとう別れられたわ。」
蓮花は目覚めた様に言った。
つづく
いつも読んでいただいてありがとうございます
肌寒くなりましたね^^
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
背徳のミラールージュ(母と子 それぞれが年の差恋愛にのめり込んでいく鏡写し)
MisakiNonagase
恋愛
24歳の市役所職員・中村洋平には、自慢の恋人がいた。2歳年上の小学校教師、夏海。誰もが羨む「正解」の幸せの中にいたはずだった。
しかし、50歳になる母・美鈴が21歳の青年・翔吾と恋に落ちたとき、歯車は狂い出す。
母の恋路を「不潔だ」と蔑んでいた洋平だったが、気づけば自分もまた、抗えない引力に引き寄せられていた。
その相手は、母の恋人の母親であり、二回りも年上の柳田悦子。
純愛か、背徳か。4年付き合った恋人を捨ててまで、なぜ僕は「彼女」を求めてしまうのか。
交差する二組の親子。歪な四角関係の果てに、彼らが見つける愛の形とは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる