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ツェントム王国編
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それは突然のことだった。
家にキラッキラシャラっシャラの見るからにお貴族様の格好をしたおデブさんがやってきたのは。
…一瞬豚かと思っちゃった。テヘッ☆
後ろには数え切れないほどの騎士?様。
見るからに金と宝石をふんだんに使っているであろう馬車。彼らを見た私の第一声は
「は?」だった。それも、開いた口が塞がらないくらいで。お貴族様は一瞬だけ眉をひそめたが、何かを思い出したのか、何も言っては来なかった。
でも、そこで倒れない私はすごいことを知っているだろうか?この国は、他のどの国よりも貴族と平民の差が激しいのだから。
まぁ、母みたいな例外もいるけれど。
でも大体の貴族は平民では想像できないほどの贅沢をしているはず。その証拠があれね。
あ、現実逃避はあとにして…
彼らの方を向いた矢先に…
「今日は才能に恵まれ、おまけにこの美しい容姿…天使も女神も叶わないような美貌を持ったあなたを迎えに来ました。」
うわっ何コイツ…ちょっと引く…いや、すごく引く…しかもその体型でネチネチした視線を送られると………
しかも、彼、私の容姿目当てで、ついでに私の才能も利用しようとするクズじゃん。どうしよう。お貴族様の事だから、逆らったらどうなる事だか。でも、そこで口にしないのが大切なんだよ!
う~ん。
「……。」
逆らったら何をされるか…それにこうなったのはある意味私が目立ちすぎたせい。それに母のおかげである程度の教養は身についているし…逆らって一族皆殺しとか、そう言うのになるより、私が行ったほうがいいよね。
とりあえず、ついてきますか。
何かあったら…うん。
「わかりました。貴方様の期待に答えられるように頑張りますね!」
「うむ。早く荷物をまとめろ。バイオリンは忘れるなよ。」
うぉ。急に態度が変わったね。やっぱりそういうことね。わかっていたけど悲しいわ~。
さて、荷造りする前に…
「お母さん、貴族の方がお見えになって、私を迎えに来たよ。」
赤い目に金の髪の美しい、母はとても悲しそうな顔をした。外での私の話を聞いていたのか、私の決心のついた顔を見て、すべてを悟ったようだ。今にも泣き出しそうな、くしゃくしゃの顔で口を開いた。
「ごめんね。守ってあげられなくて。私が不器用で…でもね、やっぱり黙って見送ることはできないわ。相手の貴族の特徴を教えて頂戴。何か力になれるかも。」
貴族に迎えに来られるといえことは、貴族と平民での大きな差があるこの国ではとても嬉しいこと。それなのになぜ母がここまで悲しむのか。その美しすぎる貴族の強い血を思わせる顔をクシャクシャにするまで。
それは母が平民落ちした事と、元貴族だったことが関係しているらしい。わたしは、他に何か、まだ理由があるように見えたけど。詳しいことは教えてくれない。
「え~とね、金髪青目のめっちゃキラッキラシャラっシャラの太った人。馬車もおんなじ様なキラッキラのシャラっシャラ。凄いたくさんの騎士様?と見られる方々がいたよ。」
「金髪青目…?!っいえっでも…きっと気のせいよね…でも…」
かつて見たこともないほどに真っ青になる母。何かただならぬ事なのかな…
「ライラ、いい?もし、もしも身の危険が迫ったら、逃げなさい。エルフの国に行って、私の名前を言えば、きっと助けてくれるわ。それから、決して気は抜かないで。バイオリンを肌見放さず持っているのよ。きっとあれがあなたの身を守ってくれるわ。あれは、あなたの為にここにあるような物なのだから。あなたがあれを使いこなすことができた時点であなたの物なのだから。私が近くにいないから、あれがないとあなたはもっと危険になるわ。」
「エルフの国?わかったけど…」
「早くしろ!」
「ほら、さっきあなたが呼び出されている間に荷物はまとめておいたわ。きっと行くって言うと思ったから…早くなさい。貴方はしたたかだから、かつての私のようにはならないと思うけど…くれぐれも気をつけてね?きっと乱暴にはされないと思うわ。生きてまた、私のところに帰ってきてね。」
「まって!お母さん!まだ…」
言い終わらないうちに、家の外に出てしまって…貴族の前じゃ、聞けないっ!
まだ、聞きたいこと聞けてないのにっ!
「おい、何してる。早く行くぞ!乗れ!バイオリンは…持ってるな。」
貴族に促されて馬車に乗る。一応、一緒の場所に乗せてくれるんだ。
それより…エルフの国って確か…
母はどうしてわざわざエルフの国に…?人間の国は他にもあるのに…
私は、手を降って見送る母を、窓から見ている事しかできなかった…
家にキラッキラシャラっシャラの見るからにお貴族様の格好をしたおデブさんがやってきたのは。
…一瞬豚かと思っちゃった。テヘッ☆
後ろには数え切れないほどの騎士?様。
見るからに金と宝石をふんだんに使っているであろう馬車。彼らを見た私の第一声は
「は?」だった。それも、開いた口が塞がらないくらいで。お貴族様は一瞬だけ眉をひそめたが、何かを思い出したのか、何も言っては来なかった。
でも、そこで倒れない私はすごいことを知っているだろうか?この国は、他のどの国よりも貴族と平民の差が激しいのだから。
まぁ、母みたいな例外もいるけれど。
でも大体の貴族は平民では想像できないほどの贅沢をしているはず。その証拠があれね。
あ、現実逃避はあとにして…
彼らの方を向いた矢先に…
「今日は才能に恵まれ、おまけにこの美しい容姿…天使も女神も叶わないような美貌を持ったあなたを迎えに来ました。」
うわっ何コイツ…ちょっと引く…いや、すごく引く…しかもその体型でネチネチした視線を送られると………
しかも、彼、私の容姿目当てで、ついでに私の才能も利用しようとするクズじゃん。どうしよう。お貴族様の事だから、逆らったらどうなる事だか。でも、そこで口にしないのが大切なんだよ!
う~ん。
「……。」
逆らったら何をされるか…それにこうなったのはある意味私が目立ちすぎたせい。それに母のおかげである程度の教養は身についているし…逆らって一族皆殺しとか、そう言うのになるより、私が行ったほうがいいよね。
とりあえず、ついてきますか。
何かあったら…うん。
「わかりました。貴方様の期待に答えられるように頑張りますね!」
「うむ。早く荷物をまとめろ。バイオリンは忘れるなよ。」
うぉ。急に態度が変わったね。やっぱりそういうことね。わかっていたけど悲しいわ~。
さて、荷造りする前に…
「お母さん、貴族の方がお見えになって、私を迎えに来たよ。」
赤い目に金の髪の美しい、母はとても悲しそうな顔をした。外での私の話を聞いていたのか、私の決心のついた顔を見て、すべてを悟ったようだ。今にも泣き出しそうな、くしゃくしゃの顔で口を開いた。
「ごめんね。守ってあげられなくて。私が不器用で…でもね、やっぱり黙って見送ることはできないわ。相手の貴族の特徴を教えて頂戴。何か力になれるかも。」
貴族に迎えに来られるといえことは、貴族と平民での大きな差があるこの国ではとても嬉しいこと。それなのになぜ母がここまで悲しむのか。その美しすぎる貴族の強い血を思わせる顔をクシャクシャにするまで。
それは母が平民落ちした事と、元貴族だったことが関係しているらしい。わたしは、他に何か、まだ理由があるように見えたけど。詳しいことは教えてくれない。
「え~とね、金髪青目のめっちゃキラッキラシャラっシャラの太った人。馬車もおんなじ様なキラッキラのシャラっシャラ。凄いたくさんの騎士様?と見られる方々がいたよ。」
「金髪青目…?!っいえっでも…きっと気のせいよね…でも…」
かつて見たこともないほどに真っ青になる母。何かただならぬ事なのかな…
「ライラ、いい?もし、もしも身の危険が迫ったら、逃げなさい。エルフの国に行って、私の名前を言えば、きっと助けてくれるわ。それから、決して気は抜かないで。バイオリンを肌見放さず持っているのよ。きっとあれがあなたの身を守ってくれるわ。あれは、あなたの為にここにあるような物なのだから。あなたがあれを使いこなすことができた時点であなたの物なのだから。私が近くにいないから、あれがないとあなたはもっと危険になるわ。」
「エルフの国?わかったけど…」
「早くしろ!」
「ほら、さっきあなたが呼び出されている間に荷物はまとめておいたわ。きっと行くって言うと思ったから…早くなさい。貴方はしたたかだから、かつての私のようにはならないと思うけど…くれぐれも気をつけてね?きっと乱暴にはされないと思うわ。生きてまた、私のところに帰ってきてね。」
「まって!お母さん!まだ…」
言い終わらないうちに、家の外に出てしまって…貴族の前じゃ、聞けないっ!
まだ、聞きたいこと聞けてないのにっ!
「おい、何してる。早く行くぞ!乗れ!バイオリンは…持ってるな。」
貴族に促されて馬車に乗る。一応、一緒の場所に乗せてくれるんだ。
それより…エルフの国って確か…
母はどうしてわざわざエルフの国に…?人間の国は他にもあるのに…
私は、手を降って見送る母を、窓から見ている事しかできなかった…
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