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変わっていく生き方
行方不明事件勃発です。
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「さて、ユリアが無事だったところで聞きたいんだが、いいか?」
しんけんなお仕事モードの顔になったパパがいいます。勿論ですよ。私の為にここまでしようとしてくれたんですから。
「はい、いいですよ。」
わたくしはあえて簡潔な言葉を言います。
今は他の騎士の方々のいる、いわば公式の場。それにパパから普段通りでいいと言われていません。ですから親子と言えどパパは目上の人に当たります。なので余計なことは一切話さないほうがいいです。特に今回はことが重大でお家のことに関わりますから、女のわたくしはあまり関わらないほうがいいのです。周りの騎士の方々には貴族の方もいらっしゃるでしょうし、周囲の評価を高める為にもこっちのほうがいいです。能ある鷹は爪を隠す、と言いますからね。わたくしが文官になってもそれは変わりません。わたくしはあまり出しゃばらず、己の実力にあった物をやります。そして本当に信頼できる方や王家の方に命令された場合だけ、自分の頭をフル回転させるんです。わたくしの考えは新しくもない貴族の女性へ対する一般常識です。
【女は跡継ぎを生むのが義務だ。男の政治に口を出すのは論外。】
わたくしも別にこの考えは嫌いではありません。むしろこれが当たり前です。わたくしはこれでいいと思っています。しかし今の自分の夢には大きな壁となるでしょう。家は騎士の家系ですから、実力さえあれば家を次ぐことも騎士になることもできます。特例なんですけれどね。女も働いていい、その考えも家にはありますから、わたくしが文官になりたいといった時もパパは止めなかったのでしょう。働きたい女性としての条件は恵まれています。あとはいかにその貴族の女性に対する常識の範囲を超えずに立ち回るか。そこなんです。
わたくしの受け答えを聞いてパパは一瞬感心したような顔をしました。そして口を開きました。
「先生の行方を知らないか?」
先生ですか……。そういえば帰ってきてから一度もお姿を見かけていませんね。あの花園から帰ってきてすぐに部屋を出ていかれましたし、リヤン達に教えてもらうまでわたくしも気づきませんでしたし。!もしかして行方不明…
「いいえ、知りません。」
すると、「してやられた」とパパが呟きました。そして空気がさらに重く冷たくなりました。パパから無言の圧も感じます。ですがわたくしはビビりません。これくらい前の生では当たり前のように周りから、殿下から向けられていましたから。パパのは私に向かってではないですし、一人です。まぁ、前の生での15人分くらいに感じますが。それに嫌悪感からではなくて心配からだというのも伝わりますし。
そんなことを考えていたらパパがはっとしたようにこちらを向きました。
「怖くないのか?」
「はい、怖くありません。」
そんなことを心配してくださるなんて…嬉しいです。やっぱり仲のいい打ち解けた家族はいいですね。幸せです。さて、
「でしゃばっていないのであれば、先生を探すの私も手伝いましょうか?」
「手伝ってくれるのか?!頼む。」
「はい!」
パパのお役に立てます。嬉しいです♪
「ユリアは安全な屋敷の中を探してくれ。」
「わかりました。」
捜索開始です!先生を見つけ出せ!ですよ~!
リヤン、ミュア、ルージュ、ガレナ、協力してくれますか?
『もっちろんなのじゃ!』『任せてね!僕の強さを見せつけてあげる!』『主様の仰せのままに。』『僕でいいの?僕でいいなら喜んで…』
ふふ、ありがとうございます。なるべく頼らない、とか言っといてたくさん頼っていますね。すみません。
『そんなことは全然いいのじゃ。それよりもお主、お父上殿を放りっぱなしじゃぞ。』
!!そうでした。すっかりこっちに気を取られて…
「では、探すために屋敷に戻りますね。」
「……………何か隠しているな?」
「なんのことでしょうか?」
あわわ、どうしましょう。リヤンたちのことがバレてしまいます。『別に言っても良いぞ?』えっ?でも、リヤン達の力は絶大です。知られたら対処が…
『お父上殿は言っても大丈夫じゃ。それにお父上殿に知ってもらえば、後でバレそうになった時に助けになると思うぞ?』
そうですか?そうですか…………………。考えておきます。さて、
「………言いたくないなら言わなくていい。私の思い違いかもしれないしな。屋敷に戻っていいぞ。」
「ありがとうございます。」
パパのその大人っぽさやよくできた性格には目を見張りますね。殿下と比べると…いけません。殿下は一応高貴な方なのですから。比べたくなってしまうのは許してくださいね。では戻りましょう。
そしてわたくしは屋敷に戻りました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、屋敷に戻ってきました。ここからどうしましょう。突然のことでなんの計画もしていません。
『僕に任せてー!水はね、記憶をたどることができるんだ。その力で先生の通った道を辿ろう!』
そうなんですね!いい考えです。まずは最後に先生を目撃したあの部屋に戻りましょう。
部屋に戻ったらミュアが魔法を使って道を示しくれるはずですから、しっかりついていきましょう。
しんけんなお仕事モードの顔になったパパがいいます。勿論ですよ。私の為にここまでしようとしてくれたんですから。
「はい、いいですよ。」
わたくしはあえて簡潔な言葉を言います。
今は他の騎士の方々のいる、いわば公式の場。それにパパから普段通りでいいと言われていません。ですから親子と言えどパパは目上の人に当たります。なので余計なことは一切話さないほうがいいです。特に今回はことが重大でお家のことに関わりますから、女のわたくしはあまり関わらないほうがいいのです。周りの騎士の方々には貴族の方もいらっしゃるでしょうし、周囲の評価を高める為にもこっちのほうがいいです。能ある鷹は爪を隠す、と言いますからね。わたくしが文官になってもそれは変わりません。わたくしはあまり出しゃばらず、己の実力にあった物をやります。そして本当に信頼できる方や王家の方に命令された場合だけ、自分の頭をフル回転させるんです。わたくしの考えは新しくもない貴族の女性へ対する一般常識です。
【女は跡継ぎを生むのが義務だ。男の政治に口を出すのは論外。】
わたくしも別にこの考えは嫌いではありません。むしろこれが当たり前です。わたくしはこれでいいと思っています。しかし今の自分の夢には大きな壁となるでしょう。家は騎士の家系ですから、実力さえあれば家を次ぐことも騎士になることもできます。特例なんですけれどね。女も働いていい、その考えも家にはありますから、わたくしが文官になりたいといった時もパパは止めなかったのでしょう。働きたい女性としての条件は恵まれています。あとはいかにその貴族の女性に対する常識の範囲を超えずに立ち回るか。そこなんです。
わたくしの受け答えを聞いてパパは一瞬感心したような顔をしました。そして口を開きました。
「先生の行方を知らないか?」
先生ですか……。そういえば帰ってきてから一度もお姿を見かけていませんね。あの花園から帰ってきてすぐに部屋を出ていかれましたし、リヤン達に教えてもらうまでわたくしも気づきませんでしたし。!もしかして行方不明…
「いいえ、知りません。」
すると、「してやられた」とパパが呟きました。そして空気がさらに重く冷たくなりました。パパから無言の圧も感じます。ですがわたくしはビビりません。これくらい前の生では当たり前のように周りから、殿下から向けられていましたから。パパのは私に向かってではないですし、一人です。まぁ、前の生での15人分くらいに感じますが。それに嫌悪感からではなくて心配からだというのも伝わりますし。
そんなことを考えていたらパパがはっとしたようにこちらを向きました。
「怖くないのか?」
「はい、怖くありません。」
そんなことを心配してくださるなんて…嬉しいです。やっぱり仲のいい打ち解けた家族はいいですね。幸せです。さて、
「でしゃばっていないのであれば、先生を探すの私も手伝いましょうか?」
「手伝ってくれるのか?!頼む。」
「はい!」
パパのお役に立てます。嬉しいです♪
「ユリアは安全な屋敷の中を探してくれ。」
「わかりました。」
捜索開始です!先生を見つけ出せ!ですよ~!
リヤン、ミュア、ルージュ、ガレナ、協力してくれますか?
『もっちろんなのじゃ!』『任せてね!僕の強さを見せつけてあげる!』『主様の仰せのままに。』『僕でいいの?僕でいいなら喜んで…』
ふふ、ありがとうございます。なるべく頼らない、とか言っといてたくさん頼っていますね。すみません。
『そんなことは全然いいのじゃ。それよりもお主、お父上殿を放りっぱなしじゃぞ。』
!!そうでした。すっかりこっちに気を取られて…
「では、探すために屋敷に戻りますね。」
「……………何か隠しているな?」
「なんのことでしょうか?」
あわわ、どうしましょう。リヤンたちのことがバレてしまいます。『別に言っても良いぞ?』えっ?でも、リヤン達の力は絶大です。知られたら対処が…
『お父上殿は言っても大丈夫じゃ。それにお父上殿に知ってもらえば、後でバレそうになった時に助けになると思うぞ?』
そうですか?そうですか…………………。考えておきます。さて、
「………言いたくないなら言わなくていい。私の思い違いかもしれないしな。屋敷に戻っていいぞ。」
「ありがとうございます。」
パパのその大人っぽさやよくできた性格には目を見張りますね。殿下と比べると…いけません。殿下は一応高貴な方なのですから。比べたくなってしまうのは許してくださいね。では戻りましょう。
そしてわたくしは屋敷に戻りました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
さて、屋敷に戻ってきました。ここからどうしましょう。突然のことでなんの計画もしていません。
『僕に任せてー!水はね、記憶をたどることができるんだ。その力で先生の通った道を辿ろう!』
そうなんですね!いい考えです。まずは最後に先生を目撃したあの部屋に戻りましょう。
部屋に戻ったらミュアが魔法を使って道を示しくれるはずですから、しっかりついていきましょう。
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