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断罪の公爵令嬢
リューネ、本当の気持ちを伝えたい。〜前々回と前回の話の文を引用しています〜
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ユリアがこう考えている頃…
彼女、リューネは、自分の言ったことに後悔をしていた。
さぞやお美しいドレスなのでしょうね。"なんて、完全な嫌味ですよ。(つい口から出てしまったのよ!ホントはそんなこと言いたくなかったわ。)
その点、ノワール様は無言でした。(あの腹黒女っ!私から友人もどきを奪った…)
「皆様、お菓子やお茶はお気に召したかしら?」
「ふんっ。まあ、いいんじゃないかしら。(本当に申し訳ないわ。こんなに口が悪くて…とてもとても美味しかったわ。さすがいま力のある公爵家よ。)」
「私も同意見ですわ。(私の友人のふりをしたノワール様のご友人め!よく言うわ。)」
「美味しかった、です。(本当に、上手な演技だわ。)」
「そうですか。それは良かったですわ。では、次のプラン、予定でもお伝えしたとおり、家の庭をご案内いたしますわ。」
(最高だわ!一度見てみたかったのよ。楽しみだわ!それを素直に口に出せないのが悲しい所だけど。)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「まず、ここがメインストリートですわ。家の玄関に繋がっておりますの。アーチ型のバラの壁が特徴ですわ。」
「まぁ。綺麗っちゃ綺麗ね。でもこれくらいならうちにもあるわ。ここよりは小さいけれど。(そんなことないわ!こんなに色鮮やかで大粒なバラなんて咲いてないわ。それをこんなに広範囲に…さずがとしか言いようがないわ。)」
「綺麗ですぅ。」「…綺麗、だとは思う。」
メインストリートの辺りを少し見て回り、次に移ります。
「次からは迷いやすいんですの。しっかりわたくしについてきてくださいね。」
「ふんっ。迷子にはなりたくないから、仕方なくついていってあげるわ。(これはホントの本音よ。でもトゲトゲしてて最悪ね。)」
「そうですわね。」
「迷いたくは、ないです。だからついてく…ついて来ます。」
「では…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「皆様、庭は楽しめましたか?今日回った以外にも、沢山ありますから、また、案内できる日を心待ちにしておりますわ。(わたくしの家にはこの庭を維持できるくらいの財力があります。だからわたくしのほ誘いは断らないでくださいね。)」
ちょっと意味を含んで見ました。理解していただけたでしょうか。
「ふんっ。まあ考えておくわ。(そんなの言われなくてもわかるわ。でも、それを正面から言わないで含めて言うなんて、なんて頭のいい…!凄いわ。)」
「そうですね。」「楽しみにして、ます。(主にお菓子とお茶…)」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
屋敷に戻って。
帰ってすぐ私専属の執事、セバスに頼み事をしたわ。
「セバス!ペンとインクと紙を持ってきて頂戴!」
「かしこまりました。」
ぜひユリア様と二人で話したいわ。私の本音を聞いてもらいたいわ。お茶会のお誘いを書くわよ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ユリア様へ
今回のお茶会とても楽しかったですわ。
ぜひ私のお茶会にもお越しください。
日時は後ほど決めましょう?
でも、できれば早くやりたいんですの。
いいお返事を期待しておりますわ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お茶会での高圧的な態度の書き方を残しつつ、ユリア様に対して無礼がないように書くのはなかなか骨が折れましたわ。
でも、これなら大丈夫。早速送るわよ!
「セバス!セバス!」
「はい、なんでしょう。」
「この手紙をアーベントロート公爵家のユリア様宛に届けて頂戴。」
「いいのですか?」
「ユリア様なら、大丈夫な気がするのよ。」
私の手紙での黒歴史。忘れてなんかいないわ。
「それもありますが…」
「何?」「いえ、大丈夫です。お任せくださいませ。」
ねえ、私の手紙の黒歴史、聞いてくれるかしら?
聞く気がなくても、私が勝手にしゃべるわ。
ノワール様と私は昔御友人という間柄だったの。
私のつんつん口調は治ってなかったけど、ノワール様はそれでも私と親密に関わろうとしているように見えたわ。少なくとも、あのときの私は、仲良くしようとしている人がいて有頂天になっていたわ。だから彼女の策略に気づかなかったのよ。とてもうまい演技だったわ。
その時、私はいつものようにノワール様とお茶会をしていたの。ノワール様は、私の落としたハンカチを拾ってくれたわ。私、今度こそは素直に謝るわ、と思って頑張ったのよ。
ちゃんとありがとう、と言えたわ。
でもね、彼女は私のその言葉に大笑いしたのよ。
悪役令嬢がなんか言ってるって言葉も添えて。
ひどくショックだったわ。ノワール様の本性を見てしまったのよ。
本性が私にバレたノワール様は、私に近づいてきた目的を言って、去っていったわ。もともと友人なんかじゃなかったのよ。御友人という、上辺だけの仲だったのよ。
え?どこに手紙が関係しているかって?それはね、私は手紙でノワール様の要求に答えていたからなのよ。ある時は髪飾りをなくしてしまったの、じゃあ私のとっておきを一緒に送るわ。みたいな感じで。手紙という連絡方法を使ってわたしは、ノワール様に貢いでいたのよ。
手紙で私は彼女に利用されていたの。
だから手紙は私の黒歴史なのよ。もちろん私の交友関係も黒歴史ね。私はこのつんつん口調のせいで嫌われていたから。ノワール様が初めての御友人だったのよ。
まぁ、友人の仮面をかぶった御友人だったけど。
でも、ユリア様なら大丈夫な気がするわ。
私はユリア様に賭けてみたいのよ。
わたしは、心から分かち合える、友人がほしいの。
誰だっていいわけじゃないわ。
なんでかわからないけど、ユリア様だからいいのよ。
どうかどうか、手紙の返事が来ますように。
彼女、リューネは、自分の言ったことに後悔をしていた。
さぞやお美しいドレスなのでしょうね。"なんて、完全な嫌味ですよ。(つい口から出てしまったのよ!ホントはそんなこと言いたくなかったわ。)
その点、ノワール様は無言でした。(あの腹黒女っ!私から友人もどきを奪った…)
「皆様、お菓子やお茶はお気に召したかしら?」
「ふんっ。まあ、いいんじゃないかしら。(本当に申し訳ないわ。こんなに口が悪くて…とてもとても美味しかったわ。さすがいま力のある公爵家よ。)」
「私も同意見ですわ。(私の友人のふりをしたノワール様のご友人め!よく言うわ。)」
「美味しかった、です。(本当に、上手な演技だわ。)」
「そうですか。それは良かったですわ。では、次のプラン、予定でもお伝えしたとおり、家の庭をご案内いたしますわ。」
(最高だわ!一度見てみたかったのよ。楽しみだわ!それを素直に口に出せないのが悲しい所だけど。)
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「まず、ここがメインストリートですわ。家の玄関に繋がっておりますの。アーチ型のバラの壁が特徴ですわ。」
「まぁ。綺麗っちゃ綺麗ね。でもこれくらいならうちにもあるわ。ここよりは小さいけれど。(そんなことないわ!こんなに色鮮やかで大粒なバラなんて咲いてないわ。それをこんなに広範囲に…さずがとしか言いようがないわ。)」
「綺麗ですぅ。」「…綺麗、だとは思う。」
メインストリートの辺りを少し見て回り、次に移ります。
「次からは迷いやすいんですの。しっかりわたくしについてきてくださいね。」
「ふんっ。迷子にはなりたくないから、仕方なくついていってあげるわ。(これはホントの本音よ。でもトゲトゲしてて最悪ね。)」
「そうですわね。」
「迷いたくは、ないです。だからついてく…ついて来ます。」
「では…」
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「皆様、庭は楽しめましたか?今日回った以外にも、沢山ありますから、また、案内できる日を心待ちにしておりますわ。(わたくしの家にはこの庭を維持できるくらいの財力があります。だからわたくしのほ誘いは断らないでくださいね。)」
ちょっと意味を含んで見ました。理解していただけたでしょうか。
「ふんっ。まあ考えておくわ。(そんなの言われなくてもわかるわ。でも、それを正面から言わないで含めて言うなんて、なんて頭のいい…!凄いわ。)」
「そうですね。」「楽しみにして、ます。(主にお菓子とお茶…)」
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屋敷に戻って。
帰ってすぐ私専属の執事、セバスに頼み事をしたわ。
「セバス!ペンとインクと紙を持ってきて頂戴!」
「かしこまりました。」
ぜひユリア様と二人で話したいわ。私の本音を聞いてもらいたいわ。お茶会のお誘いを書くわよ!
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ユリア様へ
今回のお茶会とても楽しかったですわ。
ぜひ私のお茶会にもお越しください。
日時は後ほど決めましょう?
でも、できれば早くやりたいんですの。
いいお返事を期待しておりますわ!
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お茶会での高圧的な態度の書き方を残しつつ、ユリア様に対して無礼がないように書くのはなかなか骨が折れましたわ。
でも、これなら大丈夫。早速送るわよ!
「セバス!セバス!」
「はい、なんでしょう。」
「この手紙をアーベントロート公爵家のユリア様宛に届けて頂戴。」
「いいのですか?」
「ユリア様なら、大丈夫な気がするのよ。」
私の手紙での黒歴史。忘れてなんかいないわ。
「それもありますが…」
「何?」「いえ、大丈夫です。お任せくださいませ。」
ねえ、私の手紙の黒歴史、聞いてくれるかしら?
聞く気がなくても、私が勝手にしゃべるわ。
ノワール様と私は昔御友人という間柄だったの。
私のつんつん口調は治ってなかったけど、ノワール様はそれでも私と親密に関わろうとしているように見えたわ。少なくとも、あのときの私は、仲良くしようとしている人がいて有頂天になっていたわ。だから彼女の策略に気づかなかったのよ。とてもうまい演技だったわ。
その時、私はいつものようにノワール様とお茶会をしていたの。ノワール様は、私の落としたハンカチを拾ってくれたわ。私、今度こそは素直に謝るわ、と思って頑張ったのよ。
ちゃんとありがとう、と言えたわ。
でもね、彼女は私のその言葉に大笑いしたのよ。
悪役令嬢がなんか言ってるって言葉も添えて。
ひどくショックだったわ。ノワール様の本性を見てしまったのよ。
本性が私にバレたノワール様は、私に近づいてきた目的を言って、去っていったわ。もともと友人なんかじゃなかったのよ。御友人という、上辺だけの仲だったのよ。
え?どこに手紙が関係しているかって?それはね、私は手紙でノワール様の要求に答えていたからなのよ。ある時は髪飾りをなくしてしまったの、じゃあ私のとっておきを一緒に送るわ。みたいな感じで。手紙という連絡方法を使ってわたしは、ノワール様に貢いでいたのよ。
手紙で私は彼女に利用されていたの。
だから手紙は私の黒歴史なのよ。もちろん私の交友関係も黒歴史ね。私はこのつんつん口調のせいで嫌われていたから。ノワール様が初めての御友人だったのよ。
まぁ、友人の仮面をかぶった御友人だったけど。
でも、ユリア様なら大丈夫な気がするわ。
私はユリア様に賭けてみたいのよ。
わたしは、心から分かち合える、友人がほしいの。
誰だっていいわけじゃないわ。
なんでかわからないけど、ユリア様だからいいのよ。
どうかどうか、手紙の返事が来ますように。
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