『スキル』と『ステータス』と『ダンジョン』と

tui

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一章 始動編

《4話》初攻略・後

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「覚悟はできた?ユリス君?」

「ええ、何時でもいけますよ。」

「じゃ、いざボス討伐へ!」

そして、戦いの扉は開かれた。

こちらを睨むゴブリンロード。
その双眼に、昨日の痛みが蘇る。

ーーー防御力を上げていないから、一発でももらうとアウト。
なので今回の狙いは、1ターンキル。

初手はゴブリンロードへ一気に距離を詰める。
そして相手の真正面に到達したところで、急に止まる。

一見、隙しか無い行動に戸惑いながらも、ゴブリンロードは攻撃の予備動作に入る。

狙いどーり。

攻撃の予備動作中に、俺はゴブリンロードの背後に『回避』する。
回避は特性上、相手の攻撃予備動作中が一番成功しやすい。
だから俺は狙った。
ーーいや、作り出した。相手が攻撃予備動作を起こしやすい状況を。

ここから一気に仕留める。
反転しながら腰部分を回転斬り。さらに残った勢いを生かして跳んで首を斬る。
切り傷は浅くもなく深くもない傷だ。
ならば狙うところは絞られた。もう一度同じ所を斬る!

力を入れるために声を張り上げたいが、攻撃タイミングが図られるのでやめる。
剣術スキルの効果も上乗せされている。
基礎ステータスも上げた。

今ならーーー出来る!!

跳んで首を斬り込む。今の俺の『全力』で。

ーーーザシュッ!ーーー

首と胴体でぱっくり別れたゴブリンロードは膝から崩れ落ち、灰になって消えた。

勝った。
昨日殺されかけた魔物に、勝った。
自分の力で成し遂げたことに半信半疑になりつつも、
心地よい爽快感に包まれる。

「良かったね。おめでとう。」

ルーナさんがこちらに歩み寄りながら褒めてくれた。

「ところで急だけど、SPは増えたかい?かなりの魔物を倒したけど。」

「SPはーーちょっと待って下さい。」

(ステータス確認)

Lv 10
HP 70\70
MP  0\0
ATK 29(+5)
DEF 5
DEX 15
AGI 31

SP 114

レベルがあがって、SPが増えている。
が、SPの増える条件っていったい何だろう。
魔物の撃破か?レベルアップか?

一か八か、詳細を見てみるか。

(SPの詳細を表示)

〈SP:ステータスの割り振り・スキル取得に必要なポイント。獲得方法として、レベルアップでレベル✕10のSP・または、ダンジョン踏破で難易度にあったSPが付与される。〉

普通に見れた。
この説明によると、今もらったSPはレベルによるものか。
ーーー待てよ、ならばダンジョンを無限周回すれば、SPも無限に手に入るのでは?

「どうした?なにか思いついた顔だけど。」

「ええ、すごいことを思いついちゃいました。」

ルーナさんにSPの詳細を確認したことと、それによって思いついたことを伝えた。
ルーナさんは少し考えた後、

「じゃあ、今からユリス君はダンジョンを周回をするかい?僕は今日のドロップ品を売りさばきに行くからさ。
 一人になるけど、大丈夫?」

「ええ、大丈夫ですよ。ーーあ、でもそうすると、ドロップ品を持ち運べる人がいませんね。」

この一周だけで、自分だけでは持ちきれないほどのドロップ品が手に入った。
原因は俺の『豪運』スキルのせいだ。
すべての魔物からドロップするが、本来ドロップ率が低い『強化石』が大量100%ドロップの影響で、大量にドロップする現象が起こっている。
『強化石』とは武器を強化するのに必要なものなので置いていく事もできるが、なんとなくもったいない代物。
ルーナさんが〈異空間収納〉というスキルを持っているので持ち運べるのだが。

「確かに困ったね」とつぶやきながら、暫く考えていたルーナさんだが、
なにか思いついたように顔をあげる。

「ユリス君はレベル上がったんでしょ?習得できるスキル増えてないの?」

「ーー確かに増えてそうですね。ちょっと待っててください。」

(スキル取得を表示)

〈剣術 Lv3〉
〈回避 Lv2〉
〈気配察知 Lv2〉
〈気配遮断 Lv1〉
〈異空間収納 Lv1〉

異空間収納がふえてる?流石に都合が良すぎだと思うが、まぁいいか。
というか、異空間収納ってどんぐらい収納できるんだ?

(異空間収納の詳細を表示)

〈異空間収納 Lv1:異空間にアイテムを保管できる。容量は100個。〉

100個も入るんだ。しかもレベル1の時点で。
これは取るしか選択肢が無いな。

〈異空間収納 Lv1 条件:SP50 Lv10〉

(取得)

「ありましたし、とりましたよ。異空間収納。」

「よし、これで準備は整ったね。じゃ、集合場所はここで。解散!」


ーーー解散して一番最初にやること。
それは、ステータスの割り振りだ。

先の攻略で溜まったSPを全て基礎ステータスに割り振る。

(基礎ステータス表示)

Lv 9
HP 70\70
MP  0\0
ATK 29(+5)
DEF 5
DEX 15
AGI 31

SP 214

SPが214ということはレベルが10に上がったので10✕10で100SP。
それにダンジョン攻略分のSPは、先の異空間収納の習得で50SPを消費したから150SPだろう。

まだ魔法が使えるスキルはないのでMP以外に全振りする。

10分ほど考えた結果、かなりいい感じに割り振れた。

Lv 10
HP 70\70 +60
MP  0\0
ATK 29(+5)  +41
DEF 5  +30
DEX 15  +35
AGI 31 +44

SP 214  -210

           ↓

Lv 10
HP   130\130
MP   0\0
ATK  70(+5)
DEF  35
DEX  50
AGI   75

SP 14

やっと、それっぽくなってきた。

よし。じゃあ。始めるとするか。
普通ならば誰もやらない。クリアしたら次のランクに挑戦するのが常識のこの世界では、いたって異端な行動を。

ダンジョン周回という名の地獄を。










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