『スキル』と『ステータス』と『ダンジョン』と

tui

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一章 始動編

《6話》装備強化

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ダンジョン攻略上限なんて、生まれてこの方一度も聞いたことがない。
いきなり初めて聞いた言葉をぶっこまれたらどうなるか。

答えは簡単。混乱して慌てる。

しかもだ。なんか知らぬ間に武器が手に入ってるし。
もう、よく分かんねぇや。

おろおろしていると、こちら側に歩いてくる影が見える。

「どうしたの、ユリス君?そんなに慌てて。って、その武器どうしたの?」

「あ、ルーナさん。実は......色々大変なことになりまして。」

そこからは一方的な説明タイム。
周回中に起こったことを包み隠さず話した。

ルーナさんは終始真剣に、時には質問をして話を聞いてくれた。

「へぇ、そんなことが.....。まぁとりあえず、Fランクダンジョンの安全攻略?おめでとう!」

「あ、ありがとうございます。」

「と、言うわけでだよ。せっかくだから武器、強化しちゃう?」

「え、強化?」

ていうか、何が「と、言うわけ」なんだ?

「そうそう。この剣ユリス君が使うでしょ?なら、せかっくだしユリス君が乱獲した『強化石』を使った方がいいと思ってさ。」

「確かに......。やってみたい気持ちもありますし。やりましょう。」

「じゃ、早速。『子鬼の王の剣』―――名前が長いっ!もう『子鬼剣』って呼ぶね。『子鬼剣』と『強化石』近づけてみてくれる?」

「わ、分かりました。」

異空間収納から『強化石』を取り出す。
そして、『子鬼剣』と近づける。

すると―――眩しく光る。
とっさにつぶってしまった目を開くと、『強化石』がなくなっている。
これ、成功なのか?

「成功したね、ユリス君。じゃ、残りもパパッとやっちゃって!」

「はい!.....って、これ最大何回出来るんですか?」

「確かに最高値は+30だった気がするんだけど....何回かかるかは分かんないかな。」

「わかんない、というと?」

「強化ってさ、装備の強化値が高いほど、失敗する確率が多くなるわけだよ。まぁ、失敗すると言っても無駄に一個消費するだけなんだけどね。本来、ドロップ率の低いアイテムだけど、君の場合は好きなだけ取れると言っても過言では無いからね。ぱぁ~~っとやっちゃっていいよ!」

「それなら、分かりました。やりますよ?」

まずは異空間収納から『強化石』を出し、床にばらまく。
そして、ばらまいた『強化石』の上で『子鬼剣』を滑らせる。

強化する方法は、近づけること。
それなら、沢山の『強化石』がある場所に武器を近づけるとどうなる?
答えは―――連続的に強化が始まる。

しかしこれ、かなり眩しい。
目を瞑って必死に堪えるが、かなりきつい。

かなり時間がかかったような気がする。
光が収まり数分後、やっと目を開けれるようになる。
さて、肝心の剣は―――。

薄っすらと光る剣になっていた。
前までは何も光っていなかったため、最終強化のエフェクトだと考えられる。

その後、やっと回復したのか、ルーナさんが目を開ける。

「お、最終強化まで成功したらしいね。にしても、あんなに沢山あった『強化石』がここまで減るとはね...。」

「そうですね...。かなり予想外でした。」

そう。かなりというか、大部というか、ものすごく『強化石』が減ったのだ。
具体的には、100とちょっとあった『強化石』が20個ぐらいまで減っている。

「というかこの方法、人前ではできないね。眩しすぎるよ..。」

「激しく同感です。」

「ま、これで一段落ついたんだし、今日は帰って寝よう。そして明日は―――。」

「明日は?」

「Eランクダンジョンの攻略だ。クリアできたらご飯でも食べに行こっか。」

「いいですね。頑張りましょう。」

「じゃ、解散~。」

「また明日、ですね。」


―――帰宅完了~っと。
軽く水浴びして寝るか。

家についたら、いつものルーティンをこなす。
その後は、ベッドに横になる。

それにしても―――疲れた。
なんか色々あったな。ベッドに入ると今日の出来事を振り返る。
皆そうなのか俺だけなのか知らんけど。

そういえば、『子鬼剣』って上昇値どのくらいなんだ?

(『子鬼の王の剣』詳細表示)

〈『子鬼の王の剣 +30』ATK +1000 AGI +500[覚醒スキル]王の真価〉

なるほどなるほど。頭おかしくなちゃったか?
え、+1000?異常だろ。ていうか覚醒スキルって何だよ。

〈覚醒スキル:武器レベル30が解放条件。スキルによって効果が異なる。〉

解放条件がレベル30か。そりゃ、あまり知られないわけだ。
ちなみに、〈王の真価〉ってなんだろう?

〈王の真価:全ステータスが10分間15%上昇。CT3時間〉

ん~?強いのか弱いのか良く分からん。
これは実践で使って試すしか無いか。

そろそろ寝るか―――。

って、今思い出したけどSP溜まりっぱなしじゃねぇか!
危ねぇー。早めに割り振っとこう。

そうそう、やってみたいことがあったんだった。
剣術にできるだけSPを振り分ける。
できれば、MAX値が何Lvなのかも知りたい。

〈剣術 Lv6 条件:100SP 取得しますか?〉
〈剣術 Lv7 条件:110SP 取得しますか?〉
〈剣術 Lv8 条件:120SP 取得しますか?〉
〈剣術 Lv9 条件:130SP 取得しますか?〉
〈剣術 LvMAX 条件:140SP 取得しますか?〉

(取得)

(剣術表示)

〈剣術 LvMAX:剣系統の装備をしている時、すべてのステータスが50%上昇〉

分かったことは2つ。
1つ目は、スキルの最大レベルは10だということ。
2つ目は現時点でのスキルは1つレベルを上げるごとに、10SPずつ必要SPが上がる。
計算すると、レベル1からレベル10まで上げるには950SP必要と。
多いような少ないような微妙な量だ。

残りは、ステータスに―――っと、待った。

(取得可能スキル表示)
〈気配遮断 Lv1〉
〈罠察知 Lv1〉
    ・
    ・
    ・

この2つ、使い道があるのだろうか?
取ったほうがいいのか?

......いや、まだいいか。
とりあえずステータスに割り振ろう。

Lv 14
HP   130\130 +300
MP   214\214 +100
ATK  70(+1000) +50
DEF  35 +50
DEX  50 +50
AGI   75( +500) +150

SP790 -700

   ↓

Lv 14
HP   430\430 
MP   314\314 
ATK  120(+1000) 
DEF  85 
DEX  100 
AGI   225( +500) 

SP 90 

よしオッケ(OK)。こんなもんだろ。

あ、やばい。眠気が来た。今日はやり残したことないし、寝よ。
夢の国への誘いにのり、瞼を閉じる。

そして、目を開ければ――。


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