12 / 14
一章 始動編
《12話》商談
しおりを挟む
――廊下に、ノックの音が木霊する。
一時の静けさ。流石に人影が少なすぎるのでは無いだろうか。
満を持して、静寂を打ち破るように、ノックした先の人に声をかける。
「ユリスです。居ますか?ギルマスさん?」
「よく来てくれたね。入りな。」
「失礼します。」
扉を開く。
向かう先は、クラン『羅針盤』のギルドマスター。
今日は、そう。
「―――要件は、あれだよね。」
「そうですね。あれです。」
「では、始めようか――商談を。」
そう。俺は何の用も無しに、ギルドマスターの会いに来たわけではない。
前々から契約していたもの。
ダンジョンからドロップしたアイテムを『羅針盤』が優先に買い取るというものだ。
当然、俺にもメリットがある。
一つは、『羅針盤』と繋がりができること。
もう一つは、何かあった時の後ろ盾になってもらえること。
流石に、『羅針盤』に入る、というのは無理だ。
圧倒的に実力が足りない。別に諦めているという訳ではないが。
取り敢えず、今現在の『羅針盤』との取引。
――商談だ。初めての行為だが。
「さて、今回はどんなものを?」
再度言おう。商談は初めてだ。
つまり今ギルマスは―――完全に役に乗り切っている。
ならば――こっちも役に乗り切ろうじゃないか。
「今回は、『ウルフの巣窟』のドロップアイテム『俊敏の指輪』です。」
「『俊敏の指輪』?あぁ、聞いたことがある。数回世に出回ったそうだからね。でも実物は初めて見るなぁ~。見せてもらえる?」
「ええ、こちらです。」
そういって、『異空間収納』から、俊敏の指輪を取り出す。
そして、机の上に静かに置く。
「因みに、これ、初めての商談なんだけどね。」
.......あんたが言ったらだめじゃん。ギルマス...。
ギルマスは、少し手に取らずに眺めた後、手袋をつけてから手に取った。
手袋をつけるところを見て、「そんな事するんだ...」と驚いたのは、また別のお話。
数分経った後、ギルマスはおもむろに口を開く。
「これって、何個ぐらいある?」
「それを合わせて29個ですね。」
「つまり、その、ダンジョン攻略上限が30回までだった、てこと?」
さすが、ギルマス。大正解だ。
30個を手に入れたが、自分が装備している分がある。
つまり、29個。
「ええ、その通りです。なのでこれ以上は手に入れることが出来ませんね。」
「いや、それでも十分ありがたいよ。そうだね―――1つ5万Coとして....」
一つ5万Coか。
―――ん?一つ?って、単価5万ってこと?
「いやいやいや、待ってください!」
「ん?どしたの?」
「いや、5万Coって、高すぎません?!成人男性でも、一月1万Co稼げて御の字ですよ?!」
因みに、Coとは、この国の単位である。
お金の概念はあるのだ。
「でもね、元々の話、レアドロップ自体が相当珍しいんだよ。珍しいと価格も高くなる。しかも、これは珍しいだけではない。効果も付いているんだ。妥当じゃないかな?」
と、ギルマスに諭される。
その理論だと...確かに...そう考えられなくも...ない...かな?
騙されていたとしても、今の俺にデメリットはないしな。
―――家でも買おうかな?買っちゃおうかな?
「では―――じゃあ、それでお願いします。」
「分かったよ。.....にしても、不服そうだね。」
そういって、クスッと笑われる。
「じゃ、合計145万Coだね。どうする?こっちで預かっとく?」
「あ、じゃ、お願いします。」
探索者ギルド『羅針盤』には、独自の預金制度がある。
所属ギルド員ではなくても、番号を発行すれば、お金を預かってくれるのだ。
こっちには『異空間収納』があるが、それでも大金は怖い。
やっぱり、信用できる場所に預けるのが一番だ。
「分かったよ。じゃ、今日はお終い。また来てね。」
「あ、そういえば――これあげます。」
そういって、『異空間収納』から、「強化石」が200個入った袋を取り出す。
「嗚呼、ありがとう。―――って、えっ?」
中身を見たギルマスさんは、瞬時に固まる。
そりゃそうだ。俺でも、当事者だったら驚く。
ギルマスは、数秒固まった後、理解したふうに動き出した。
「そっか。確定ドロップだとそうなるのか。―――でも、買い取らなくて良いのかい?」
「ええ、別に今はお金に困ってないですし。無限に取れますし。」
「確かに。では、これは有り難く受け取って置こうかな。」
「そうしてください。」
人に何かをしてあげるって、すごい気分がいいことだな。
でも、何時も、何かをしてもらってきた身としては、この感情は居た堪れない。
「では、今度こそ。」
「あ、ユリス君。」
今度は、ギルマスさんから呼び止められた。
ジレンマかな?抜け出せるかな?
「もし、君が良かったら―――いや、すまない。やっぱり何もない。呼び止めて悪かった。」
「え、あ、はい。では。」
何もないんかい。吃驚したわ。
―――と、いうかギルマスさん。
さっきの、どうやっても誤魔化せないですからね。
絶対なにか有りましたよね。すっごく気になるんですが。
まぁ良いか。次、聞こう。次の機会に。
時間は、まだまだあるのだから。
◇
さて、今からなにをしようか?
家でダラダラするのもいいし、買い物に行ってもいいし。
何なら、新しいダンジョンでも探すかな―――って、へぶしっ?!
誰かにぶつかった、と理解して呆然と立ち尽くす。
いってー、って、こっちがぶつかったのか。
完全に俺の不注意だな。
「すいません。考え事しちゃってて。」
「いえいえ、―――って、ユリス君?」
「え?」
そういえば、この人の格好見たことある。
白を基調とした服装に、身長高め。etc....
―――知っている人に似ている。限りなく。
「えーっと、ダイヤさん?ですよね?」
「ええ、そうです。覚えていてくれたんですね。」
今思い出したんだけどね...。
余計なことは言わないけど。
「にしても――ユリス君は何をしにここへ?」
「ああ、ちょっと、このギルドのギルマスに用事がありまして。もう終わりましたけど。」
「そうでしたか。―――それで、なにを考えていたのですか?」
「え?」
「かなり、迷ってそうでしたから。」
え、そんなに顔に出てたの?
ていうか、俺、思いっきり「考え事してて」っていったな。忘れてた。
にしても、丁度良かった。誰かに聞くのも有りだな、と思っていたが。
ダイヤさんに聞けばいいや。
「あのー、『ウルフの巣窟』以外で、近くにEランクダンジョンってありますかね?オススメの場所とか。」
「おすすめの場所というか......この近くなら、Eランクダンジョンは『ウルフの巣窟』を含めて、2箇所しか有りませんよ。」
「え、そうなんですか?じゃ、後一箇所って何処ですか?」
「『ネズミの住処』ですね。まぁ、名前の通り、ラットのダンジョンなんですけど。私が攻略したダンジョンがそこなので、色々教えましょうか?」
「え、良いんですか?」
「ええ、もちろん。」
かなり有り難い。
と、言うのも、ダンジョンは予備知識があるのと無いの。この差が歴然なのだ。
それぐらい、情報というものは必要だ。
地形、魔物の特性、高難易度になれば罠など。
必要でない情報は一つもない。それも偏に、生き残るためだ。
いくら強くなったとしても、命は一つだけ。
みすみす逃すような真似はしない。
事実、ダンジョンの情報を売ってお小遣い稼ぎをする――なんて輩もいる。
別に悪いことではないけど。
こうやって、無償で提供してくれる、心優しい人もいる。
結局、優しさに漬け込む形で、1時間ぐらいの徴収をしてしまったのであった。
にしても、本当にダイヤさんはいい人だ。
こんなに質問攻めにしても、ニコニコと教えてくれたし。
「今日は本当に、ありがとうございました。」
「いえいえ、いつでも頼ってもらって結構ですよ。」
「ええ、では、そうさせてもらいます。」
「ではまた。」
そういって、ダイヤさんは立ち去る。
立ち去る方が堂々といている。が、やっぱり当人が出す優しさオーラは滲み出る。
神官故なのだろうか。
―――うん、いい人だ。
よし、決めた。
ルーナさんがいない間は、『ネズミの住処』を攻略しようか。
というか、時間が出来たら連絡すると言っていたが、ルーナさんは一体何をしているのだろうか。
しかし、タイミング的には丁度いい。試してみたいスキルもあるし。
―――楽しみだなぁ。
一時の静けさ。流石に人影が少なすぎるのでは無いだろうか。
満を持して、静寂を打ち破るように、ノックした先の人に声をかける。
「ユリスです。居ますか?ギルマスさん?」
「よく来てくれたね。入りな。」
「失礼します。」
扉を開く。
向かう先は、クラン『羅針盤』のギルドマスター。
今日は、そう。
「―――要件は、あれだよね。」
「そうですね。あれです。」
「では、始めようか――商談を。」
そう。俺は何の用も無しに、ギルドマスターの会いに来たわけではない。
前々から契約していたもの。
ダンジョンからドロップしたアイテムを『羅針盤』が優先に買い取るというものだ。
当然、俺にもメリットがある。
一つは、『羅針盤』と繋がりができること。
もう一つは、何かあった時の後ろ盾になってもらえること。
流石に、『羅針盤』に入る、というのは無理だ。
圧倒的に実力が足りない。別に諦めているという訳ではないが。
取り敢えず、今現在の『羅針盤』との取引。
――商談だ。初めての行為だが。
「さて、今回はどんなものを?」
再度言おう。商談は初めてだ。
つまり今ギルマスは―――完全に役に乗り切っている。
ならば――こっちも役に乗り切ろうじゃないか。
「今回は、『ウルフの巣窟』のドロップアイテム『俊敏の指輪』です。」
「『俊敏の指輪』?あぁ、聞いたことがある。数回世に出回ったそうだからね。でも実物は初めて見るなぁ~。見せてもらえる?」
「ええ、こちらです。」
そういって、『異空間収納』から、俊敏の指輪を取り出す。
そして、机の上に静かに置く。
「因みに、これ、初めての商談なんだけどね。」
.......あんたが言ったらだめじゃん。ギルマス...。
ギルマスは、少し手に取らずに眺めた後、手袋をつけてから手に取った。
手袋をつけるところを見て、「そんな事するんだ...」と驚いたのは、また別のお話。
数分経った後、ギルマスはおもむろに口を開く。
「これって、何個ぐらいある?」
「それを合わせて29個ですね。」
「つまり、その、ダンジョン攻略上限が30回までだった、てこと?」
さすが、ギルマス。大正解だ。
30個を手に入れたが、自分が装備している分がある。
つまり、29個。
「ええ、その通りです。なのでこれ以上は手に入れることが出来ませんね。」
「いや、それでも十分ありがたいよ。そうだね―――1つ5万Coとして....」
一つ5万Coか。
―――ん?一つ?って、単価5万ってこと?
「いやいやいや、待ってください!」
「ん?どしたの?」
「いや、5万Coって、高すぎません?!成人男性でも、一月1万Co稼げて御の字ですよ?!」
因みに、Coとは、この国の単位である。
お金の概念はあるのだ。
「でもね、元々の話、レアドロップ自体が相当珍しいんだよ。珍しいと価格も高くなる。しかも、これは珍しいだけではない。効果も付いているんだ。妥当じゃないかな?」
と、ギルマスに諭される。
その理論だと...確かに...そう考えられなくも...ない...かな?
騙されていたとしても、今の俺にデメリットはないしな。
―――家でも買おうかな?買っちゃおうかな?
「では―――じゃあ、それでお願いします。」
「分かったよ。.....にしても、不服そうだね。」
そういって、クスッと笑われる。
「じゃ、合計145万Coだね。どうする?こっちで預かっとく?」
「あ、じゃ、お願いします。」
探索者ギルド『羅針盤』には、独自の預金制度がある。
所属ギルド員ではなくても、番号を発行すれば、お金を預かってくれるのだ。
こっちには『異空間収納』があるが、それでも大金は怖い。
やっぱり、信用できる場所に預けるのが一番だ。
「分かったよ。じゃ、今日はお終い。また来てね。」
「あ、そういえば――これあげます。」
そういって、『異空間収納』から、「強化石」が200個入った袋を取り出す。
「嗚呼、ありがとう。―――って、えっ?」
中身を見たギルマスさんは、瞬時に固まる。
そりゃそうだ。俺でも、当事者だったら驚く。
ギルマスは、数秒固まった後、理解したふうに動き出した。
「そっか。確定ドロップだとそうなるのか。―――でも、買い取らなくて良いのかい?」
「ええ、別に今はお金に困ってないですし。無限に取れますし。」
「確かに。では、これは有り難く受け取って置こうかな。」
「そうしてください。」
人に何かをしてあげるって、すごい気分がいいことだな。
でも、何時も、何かをしてもらってきた身としては、この感情は居た堪れない。
「では、今度こそ。」
「あ、ユリス君。」
今度は、ギルマスさんから呼び止められた。
ジレンマかな?抜け出せるかな?
「もし、君が良かったら―――いや、すまない。やっぱり何もない。呼び止めて悪かった。」
「え、あ、はい。では。」
何もないんかい。吃驚したわ。
―――と、いうかギルマスさん。
さっきの、どうやっても誤魔化せないですからね。
絶対なにか有りましたよね。すっごく気になるんですが。
まぁ良いか。次、聞こう。次の機会に。
時間は、まだまだあるのだから。
◇
さて、今からなにをしようか?
家でダラダラするのもいいし、買い物に行ってもいいし。
何なら、新しいダンジョンでも探すかな―――って、へぶしっ?!
誰かにぶつかった、と理解して呆然と立ち尽くす。
いってー、って、こっちがぶつかったのか。
完全に俺の不注意だな。
「すいません。考え事しちゃってて。」
「いえいえ、―――って、ユリス君?」
「え?」
そういえば、この人の格好見たことある。
白を基調とした服装に、身長高め。etc....
―――知っている人に似ている。限りなく。
「えーっと、ダイヤさん?ですよね?」
「ええ、そうです。覚えていてくれたんですね。」
今思い出したんだけどね...。
余計なことは言わないけど。
「にしても――ユリス君は何をしにここへ?」
「ああ、ちょっと、このギルドのギルマスに用事がありまして。もう終わりましたけど。」
「そうでしたか。―――それで、なにを考えていたのですか?」
「え?」
「かなり、迷ってそうでしたから。」
え、そんなに顔に出てたの?
ていうか、俺、思いっきり「考え事してて」っていったな。忘れてた。
にしても、丁度良かった。誰かに聞くのも有りだな、と思っていたが。
ダイヤさんに聞けばいいや。
「あのー、『ウルフの巣窟』以外で、近くにEランクダンジョンってありますかね?オススメの場所とか。」
「おすすめの場所というか......この近くなら、Eランクダンジョンは『ウルフの巣窟』を含めて、2箇所しか有りませんよ。」
「え、そうなんですか?じゃ、後一箇所って何処ですか?」
「『ネズミの住処』ですね。まぁ、名前の通り、ラットのダンジョンなんですけど。私が攻略したダンジョンがそこなので、色々教えましょうか?」
「え、良いんですか?」
「ええ、もちろん。」
かなり有り難い。
と、言うのも、ダンジョンは予備知識があるのと無いの。この差が歴然なのだ。
それぐらい、情報というものは必要だ。
地形、魔物の特性、高難易度になれば罠など。
必要でない情報は一つもない。それも偏に、生き残るためだ。
いくら強くなったとしても、命は一つだけ。
みすみす逃すような真似はしない。
事実、ダンジョンの情報を売ってお小遣い稼ぎをする――なんて輩もいる。
別に悪いことではないけど。
こうやって、無償で提供してくれる、心優しい人もいる。
結局、優しさに漬け込む形で、1時間ぐらいの徴収をしてしまったのであった。
にしても、本当にダイヤさんはいい人だ。
こんなに質問攻めにしても、ニコニコと教えてくれたし。
「今日は本当に、ありがとうございました。」
「いえいえ、いつでも頼ってもらって結構ですよ。」
「ええ、では、そうさせてもらいます。」
「ではまた。」
そういって、ダイヤさんは立ち去る。
立ち去る方が堂々といている。が、やっぱり当人が出す優しさオーラは滲み出る。
神官故なのだろうか。
―――うん、いい人だ。
よし、決めた。
ルーナさんがいない間は、『ネズミの住処』を攻略しようか。
というか、時間が出来たら連絡すると言っていたが、ルーナさんは一体何をしているのだろうか。
しかし、タイミング的には丁度いい。試してみたいスキルもあるし。
―――楽しみだなぁ。
0
あなたにおすすめの小説
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜
タナん
ファンタジー
オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。
その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。
モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。
温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。
それでも戦わなければならない。
それがこの世界における男だからだ。
湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。
そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。
挿絵:夢路ぽに様
https://www.pixiv.net/users/14840570
※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる