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第3話:家族の食卓と、机の下のスリル
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昨夜の残り香が、まだ肺の奥にこびりついている気がした。
寝不足のまま迎えた朝、洗面所の鏡に映る自分の顔は、酷く疲れ果てていた。対照的に、リビングから聞こえてくる凛の声は、抜けるような青空のように澄み渡っている。
「お母さん、このお味噌汁、すごく美味しい! 私も今度、作り方教えてもらってもいいですか?」
ダイニングルームに入ると、そこにはエプロン姿で冴子さんの手伝いをする凛がいた。
朝の光を浴びた彼女は、昨夜の毒気を含んだ小悪魔とは完全に別人だった。ポニーテールに結い上げた髪が、彼女の清潔感をいっそう際立たせている。
「あ、悠真さん。おはようございます」
凛は俺に気づくと、眩しいほどの笑顔を向けた。
『悠真さん』。
昨夜、俺の耳元で『お兄ちゃん』と甘く、そして残酷に囁いたその唇が、今は他人行儀な丁寧さで俺の名を呼ぶ。
「……ああ、おはよう」
俺は視線を合わせないように、自分の席に座った。
食卓には、父さんと冴子さん、そして俺と凛。
一見すれば、誰もが羨むような幸せな再婚家庭の風景だ。けれど、テーブルの下では、俺たちの「秘密」が静かに牙を剥いていた。
「悠真、どうした? 箸が進んでないぞ。昨夜は遅くまで勉強してたのか?」
父さんに指摘され、俺は慌てて焼き魚に箸を伸ばす。
「……まあ、ちょっとな」
「感心ねぇ。でも無理しちゃダメよ。ねえ、凛さん?」
「はい。お兄さん、昨夜はお部屋で凄く集中してらしたみたいですから……。あ、お醤油取りますね」
凛が身を乗り出した、その時だった。
――コツン。
テーブルの下で、何かが俺の膝に触れた。
最初は、偶然足が当たっただけだと思った。だが、その感触はすぐに、確かな意志を持って俺の太ももをなぞり始めた。
(……っ!?)
隣に座る凛に目を向ける。
彼女は優雅にお醤油を俺の小皿に注ぎながら、冴子さんと「今度の週末の買い物」について楽しげに談笑している。その表情には、一点の曇りもない。
けれど、机の下では、彼女の柔らかな足先が、俺のスラックスをじわじわと押し上げている。
靴を脱いでいるのか、ストッキング越しに伝わる彼女の体温と、指先の起伏。それが、執拗に、かつ愛撫するように俺の肌を刺激する。
「悠真くん? 顔が赤いけれど、どこか具合が悪いの?」
冴子さんの心配そうな声。
俺は背中に冷や汗が流れるのを感じながら、必死に平静を装った。
「いえ……ちょっと、味噌汁が熱かっただけです。大丈夫です」
「そう? 凛さんも、お兄さんにあまり迷惑かけちゃダメよ?」
「もう、お母さん。私、お兄さんのこと尊敬してるんですから、迷惑なんてかけませんよ。ね? お兄さん」
凛はそう言って、小首を傾げて俺を見た。
その瞬間、机の下の足が、俺の膝の内側の、一番過敏な部分を強く圧迫した。
――あ、……っ。
声が出そうになるのを、奥歯を噛み締めて堪える。
彼女は、楽しんでいるのだ。
親の目の前で、俺がいつ理性を失うか、いつ「秘密」を漏らしてしまうか。その瀬戸際を歩かせるスリルを、レンタル彼女(プロ)としての演技の一部として味わっている。
「……ごちそうさま。先に、学校行くから」
俺は逃げるように席を立った。
背後で、「あら、早いじゃない」という冴子さんの声と、「いってらっしゃい、お兄さん」という凛の鈴のような声が追いかけてくる。
学校への道のりも、俺の心は休まらなかった。
校門をくぐると、今度は別の「現実」が俺を待ち受けていた。
校舎の入り口付近で、凛が数人の男子生徒に囲まれているのが見えた。
「水瀬さん、今度の土曜日、空いてないかな?」
「みんなで映画に行こうって話してるんだけど……」
凛は困ったように眉を下げ、控えめに、けれど完璧な拒絶の笑顔で対応している。
昨日までの俺なら、「大変だな」で済ませていただろう。
けれど、今の俺の胸に宿ったのは、名伏しがたい黒い感情だった。
(……あいつらは、何も知らない)
家での彼女がどんなに冷たく、どんなに淫らに俺を翻弄しているか。
深夜の部屋で、彼女がどんな「香り」を放ちながら、俺を実験台にしているか。
それを知っているのは、世界中で俺だけだ。
その「特別感」が、歪な独占欲となって俺の胸を締め付ける。
彼女が他の男に笑顔を向けるたびに、昨夜の「レッスン」の記憶がフラッシュバックする。
一時間一万円の嘘。
一日の大半を占める、家族という嘘。
その嘘の積み重ねの中で、俺だけが彼女の「真実」の一端を握っている。
その事実が、心地よくも恐ろしい……。
放課後の教室。西日が差し込む中、俺は自分の席でぼんやりと校庭を眺めていた。
頭の中にあるのは、昼休みに階段の踊り場で凛に言われた「道具」という言葉だ。
分かっている。彼女にとって俺は、偶然にも秘密を共有することになった、都合のいい「練習台」に過ぎない。一ヶ月前に一万円を払ったあの時と同じ、彼女と俺の間にあるのは、感情ではなく契約だ。
だが、放課後の校門付近で、彼女がまた別の男子生徒からラブレターらしきものを受け取っているのを見かけた時、俺の理性は音を立てて軋んだ。
凛は、困ったように頬に手を当て、少しだけ顔を赤らめて相手を見上げている。
――それは、あの日俺が恋に落ちた「完璧な彼女」の顔だった。
(……あんな顔、誰にでも見せてるのか)
胸の奥が、どろりとした黒い感情で満たされていく。
あの日、俺だけのものだと思ったあの微笑みも、あの震えるような声も、すべては対価さえ払えば手に入る「商品」なのだと思い知らされる。
ましてや、今の俺は対価すら払っていない、ただの「無料で使える実験道具」だ。
家に帰る足取りは重かった。
玄関を開けると、冴子さんの明るい声と、それに合わせる凛の「いい子」な声が聞こえてくる。
その偽りの平穏が、今の俺にはたまらなく苦痛だった。
夕食を早々に済ませ、俺は自室に籠もった。
机に向かっても参考書の文字は頭に入ってこない。ただ、壁一枚隔てた隣の部屋にいる「彼女」の気配だけに、神経が研ぎ澄まされていく。
――そして、夜が深まった頃。
予感通り、ドアが音もなく開いた。
「……何、暗い顔して。まだ朝のことで怒ってるの?」
凛は、今日は昨日よりもさらに薄手の、透けるような素材のルームウェアを着ていた。
肩紐が今にも滑り落ちそうなほど細く、彼女が動くたびにその白い肌が月明かりに照らされて、青白く発光しているように見える。
「……怒ってない」
「嘘ね。学校で私が告白されてるの、見てたでしょ? 怖い顔してたわよ、お兄ちゃん」
凛はクスクスと笑いながら、俺の椅子の背もたれに手を置いた。
そのまま、俺の背後から身を乗り出すようにして顔を近づけてくる。
――まただ。
また、あの香りが、逃げ場のない部屋を満たしていく。
昼間の学校での「無機質な凛」とは違う。
今の彼女からは、風呂上がり特有の湿り気を帯びた、石鹸よりももっと濃密な、彼女自身の「女」としての香りが立ち上っていた。
「……どうしたの? 嗅いでもいいって言ったのに、今日はしないのね」
「……黙れ」
俺は椅子を回し、彼女と正対した。
至近距離にある、美しすぎる彼女の顔。
俺の独占欲を嘲笑うかのような、冷ややかな瞳。
「凛。……お前、あんな顔、誰にでもしてるのか」
「あんな顔って? ああ、営業用のスマイルのこと? 当たり前でしょ。私はプロだもの。誰にだって、その人が望む『理想』を見せてあげるわ。……あんたにも、そうしたようにね」
凛の言葉が、鋭いナイフのように俺の胸を抉る。
彼女は俺の動揺を楽しむように、細い指先で俺の顎をくい、と持ち上げた。
「悔しい? 私のすべてを知っている気になってたのに、実は自分も有象無象の『客』の一人と変わらないって気づいて、惨めになった?」
「……っ」
俺は思わず、彼女の細い手首を掴んだ。
驚くほど華奢で、けれど脈動は俺と同じように速い。
「……離して。痛いわよ」
「……お前が、俺を練習台にするって言ったんだ。なら、俺にだけは『本当の顔』を見せろよ。他の誰にも見せない、汚いところも、冷たいところも……全部だ」
凛の瞳が、一瞬だけ大きく見開かれた。
完璧な仮面の下にある、彼女の「素」がわずかに覗いた気がした。
だが、彼女はすぐに、昨日よりも深く、残酷な微笑みを浮かべた。
「……いいわ。そこまで言うなら、見せてあげる。他の客には絶対にさせない、もっと深い『練習』。……お兄ちゃんにだけ、特別に教えてあげるわ」
凛は俺の手を振り払うと、自ら俺の膝の上に腰を下ろした。
細い腕が俺の首に巻き付く。
全身を貫く、彼女の圧倒的な香りとぬくもり。
「……さあ、始めていい? 私の、本当のレッスン」
深夜の密室。
兄妹という嘘と、独占欲という真実が、濃密な空気の中で混ざり合っていく。
俺の指先は、彼女の柔らかな肌の感触に、もう逆らうことができなかった。
寝不足のまま迎えた朝、洗面所の鏡に映る自分の顔は、酷く疲れ果てていた。対照的に、リビングから聞こえてくる凛の声は、抜けるような青空のように澄み渡っている。
「お母さん、このお味噌汁、すごく美味しい! 私も今度、作り方教えてもらってもいいですか?」
ダイニングルームに入ると、そこにはエプロン姿で冴子さんの手伝いをする凛がいた。
朝の光を浴びた彼女は、昨夜の毒気を含んだ小悪魔とは完全に別人だった。ポニーテールに結い上げた髪が、彼女の清潔感をいっそう際立たせている。
「あ、悠真さん。おはようございます」
凛は俺に気づくと、眩しいほどの笑顔を向けた。
『悠真さん』。
昨夜、俺の耳元で『お兄ちゃん』と甘く、そして残酷に囁いたその唇が、今は他人行儀な丁寧さで俺の名を呼ぶ。
「……ああ、おはよう」
俺は視線を合わせないように、自分の席に座った。
食卓には、父さんと冴子さん、そして俺と凛。
一見すれば、誰もが羨むような幸せな再婚家庭の風景だ。けれど、テーブルの下では、俺たちの「秘密」が静かに牙を剥いていた。
「悠真、どうした? 箸が進んでないぞ。昨夜は遅くまで勉強してたのか?」
父さんに指摘され、俺は慌てて焼き魚に箸を伸ばす。
「……まあ、ちょっとな」
「感心ねぇ。でも無理しちゃダメよ。ねえ、凛さん?」
「はい。お兄さん、昨夜はお部屋で凄く集中してらしたみたいですから……。あ、お醤油取りますね」
凛が身を乗り出した、その時だった。
――コツン。
テーブルの下で、何かが俺の膝に触れた。
最初は、偶然足が当たっただけだと思った。だが、その感触はすぐに、確かな意志を持って俺の太ももをなぞり始めた。
(……っ!?)
隣に座る凛に目を向ける。
彼女は優雅にお醤油を俺の小皿に注ぎながら、冴子さんと「今度の週末の買い物」について楽しげに談笑している。その表情には、一点の曇りもない。
けれど、机の下では、彼女の柔らかな足先が、俺のスラックスをじわじわと押し上げている。
靴を脱いでいるのか、ストッキング越しに伝わる彼女の体温と、指先の起伏。それが、執拗に、かつ愛撫するように俺の肌を刺激する。
「悠真くん? 顔が赤いけれど、どこか具合が悪いの?」
冴子さんの心配そうな声。
俺は背中に冷や汗が流れるのを感じながら、必死に平静を装った。
「いえ……ちょっと、味噌汁が熱かっただけです。大丈夫です」
「そう? 凛さんも、お兄さんにあまり迷惑かけちゃダメよ?」
「もう、お母さん。私、お兄さんのこと尊敬してるんですから、迷惑なんてかけませんよ。ね? お兄さん」
凛はそう言って、小首を傾げて俺を見た。
その瞬間、机の下の足が、俺の膝の内側の、一番過敏な部分を強く圧迫した。
――あ、……っ。
声が出そうになるのを、奥歯を噛み締めて堪える。
彼女は、楽しんでいるのだ。
親の目の前で、俺がいつ理性を失うか、いつ「秘密」を漏らしてしまうか。その瀬戸際を歩かせるスリルを、レンタル彼女(プロ)としての演技の一部として味わっている。
「……ごちそうさま。先に、学校行くから」
俺は逃げるように席を立った。
背後で、「あら、早いじゃない」という冴子さんの声と、「いってらっしゃい、お兄さん」という凛の鈴のような声が追いかけてくる。
学校への道のりも、俺の心は休まらなかった。
校門をくぐると、今度は別の「現実」が俺を待ち受けていた。
校舎の入り口付近で、凛が数人の男子生徒に囲まれているのが見えた。
「水瀬さん、今度の土曜日、空いてないかな?」
「みんなで映画に行こうって話してるんだけど……」
凛は困ったように眉を下げ、控えめに、けれど完璧な拒絶の笑顔で対応している。
昨日までの俺なら、「大変だな」で済ませていただろう。
けれど、今の俺の胸に宿ったのは、名伏しがたい黒い感情だった。
(……あいつらは、何も知らない)
家での彼女がどんなに冷たく、どんなに淫らに俺を翻弄しているか。
深夜の部屋で、彼女がどんな「香り」を放ちながら、俺を実験台にしているか。
それを知っているのは、世界中で俺だけだ。
その「特別感」が、歪な独占欲となって俺の胸を締め付ける。
彼女が他の男に笑顔を向けるたびに、昨夜の「レッスン」の記憶がフラッシュバックする。
一時間一万円の嘘。
一日の大半を占める、家族という嘘。
その嘘の積み重ねの中で、俺だけが彼女の「真実」の一端を握っている。
その事実が、心地よくも恐ろしい……。
放課後の教室。西日が差し込む中、俺は自分の席でぼんやりと校庭を眺めていた。
頭の中にあるのは、昼休みに階段の踊り場で凛に言われた「道具」という言葉だ。
分かっている。彼女にとって俺は、偶然にも秘密を共有することになった、都合のいい「練習台」に過ぎない。一ヶ月前に一万円を払ったあの時と同じ、彼女と俺の間にあるのは、感情ではなく契約だ。
だが、放課後の校門付近で、彼女がまた別の男子生徒からラブレターらしきものを受け取っているのを見かけた時、俺の理性は音を立てて軋んだ。
凛は、困ったように頬に手を当て、少しだけ顔を赤らめて相手を見上げている。
――それは、あの日俺が恋に落ちた「完璧な彼女」の顔だった。
(……あんな顔、誰にでも見せてるのか)
胸の奥が、どろりとした黒い感情で満たされていく。
あの日、俺だけのものだと思ったあの微笑みも、あの震えるような声も、すべては対価さえ払えば手に入る「商品」なのだと思い知らされる。
ましてや、今の俺は対価すら払っていない、ただの「無料で使える実験道具」だ。
家に帰る足取りは重かった。
玄関を開けると、冴子さんの明るい声と、それに合わせる凛の「いい子」な声が聞こえてくる。
その偽りの平穏が、今の俺にはたまらなく苦痛だった。
夕食を早々に済ませ、俺は自室に籠もった。
机に向かっても参考書の文字は頭に入ってこない。ただ、壁一枚隔てた隣の部屋にいる「彼女」の気配だけに、神経が研ぎ澄まされていく。
――そして、夜が深まった頃。
予感通り、ドアが音もなく開いた。
「……何、暗い顔して。まだ朝のことで怒ってるの?」
凛は、今日は昨日よりもさらに薄手の、透けるような素材のルームウェアを着ていた。
肩紐が今にも滑り落ちそうなほど細く、彼女が動くたびにその白い肌が月明かりに照らされて、青白く発光しているように見える。
「……怒ってない」
「嘘ね。学校で私が告白されてるの、見てたでしょ? 怖い顔してたわよ、お兄ちゃん」
凛はクスクスと笑いながら、俺の椅子の背もたれに手を置いた。
そのまま、俺の背後から身を乗り出すようにして顔を近づけてくる。
――まただ。
また、あの香りが、逃げ場のない部屋を満たしていく。
昼間の学校での「無機質な凛」とは違う。
今の彼女からは、風呂上がり特有の湿り気を帯びた、石鹸よりももっと濃密な、彼女自身の「女」としての香りが立ち上っていた。
「……どうしたの? 嗅いでもいいって言ったのに、今日はしないのね」
「……黙れ」
俺は椅子を回し、彼女と正対した。
至近距離にある、美しすぎる彼女の顔。
俺の独占欲を嘲笑うかのような、冷ややかな瞳。
「凛。……お前、あんな顔、誰にでもしてるのか」
「あんな顔って? ああ、営業用のスマイルのこと? 当たり前でしょ。私はプロだもの。誰にだって、その人が望む『理想』を見せてあげるわ。……あんたにも、そうしたようにね」
凛の言葉が、鋭いナイフのように俺の胸を抉る。
彼女は俺の動揺を楽しむように、細い指先で俺の顎をくい、と持ち上げた。
「悔しい? 私のすべてを知っている気になってたのに、実は自分も有象無象の『客』の一人と変わらないって気づいて、惨めになった?」
「……っ」
俺は思わず、彼女の細い手首を掴んだ。
驚くほど華奢で、けれど脈動は俺と同じように速い。
「……離して。痛いわよ」
「……お前が、俺を練習台にするって言ったんだ。なら、俺にだけは『本当の顔』を見せろよ。他の誰にも見せない、汚いところも、冷たいところも……全部だ」
凛の瞳が、一瞬だけ大きく見開かれた。
完璧な仮面の下にある、彼女の「素」がわずかに覗いた気がした。
だが、彼女はすぐに、昨日よりも深く、残酷な微笑みを浮かべた。
「……いいわ。そこまで言うなら、見せてあげる。他の客には絶対にさせない、もっと深い『練習』。……お兄ちゃんにだけ、特別に教えてあげるわ」
凛は俺の手を振り払うと、自ら俺の膝の上に腰を下ろした。
細い腕が俺の首に巻き付く。
全身を貫く、彼女の圧倒的な香りとぬくもり。
「……さあ、始めていい? 私の、本当のレッスン」
深夜の密室。
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俺の指先は、彼女の柔らかな肌の感触に、もう逆らうことができなかった。
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