私はお兄ちゃんをそんな子に育てた覚えはないよ!?

さいとう みさき

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第三章お兄ちゃんの面倒は私が見てます、私を通さないといけないよ!

3-12お盆

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 「そう言えばじいちゃんが怖い話してたっけ?」


 裕君はいきなりそんな話を始めた。

 「何それ?」

 唯ちゃんが首をかしげ聞く。

 「うん、これは戦時中の話だって言ってたけど、じいちゃんのお父さん、俺らのひいじいちゃんか。それが近くの診療所でさ‥‥‥」


 「お兄ちゃん!!」

 
 私は思わずお兄ちゃんに抱き着く。

 「あっ! 由紀恵ちゃんずるい!」

 「由紀恵ちゃん抜け駆け!!」

 恵姉も唯ちゃんも早速抗議するけどこれは私のお兄ちゃんだもん!
 それに私はこう言った怖い話が大の苦手なのだ。


 「おいおい由紀恵、苦しいって」

 私はお兄ちゃんの首に手を回しセミの様に引っ付く。
 本当はここで胸を押し当てお兄ちゃんに可愛い妹アピールしたいけど残念ながら私には押し付けるものが無い。

 「だって怖いんだもん! きょ、今日は一緒に寝ようよぉ!!」

 「由紀恵ちゃん!」

 「それだめっ! ずる過ぎぃ!!」

 思いっきり甘える私にお兄ちゃんはあきれ顔だけど恵姉も唯ちゃんも真剣だ。


 「由紀恵ちゃんは私たちがちゃんと面倒見てあげるからこっちの部屋よ! いくら兄妹だからって駄目だからね!」

 「そ、そうだよ、子供できちゃうよ?」


 唯ちゃんそれ飛躍しすぎぃっ!!
 言われて私は思いっきり真っ赤になる。
 だって子供って言えばあんな事やこんな事しちゃうんでしょ!?


 ち、知識だけはあるわよ、もう中三なんだから!


 で、でもお兄ちゃんに‥‥‥
 思わずにへらぁ~としてしまう私。


 「こらこら、唯の冗談真に受けない。さ、そろそろ部屋行くわよ。勿論由紀恵ちゃんもこっちだからね!」
 
 恵姉はそう言ってひょいっと私をお兄ちゃんから引きはがす。


 「ああっ! お兄ちゃぁ~ん!!」


 「んじゃお休み、由紀恵。恵も唯もお休み」

 しゅたっと片手をあげてお休みの挨拶をするお兄ちゃんは裕君とスマホのゲームを始めていた。

 私は恵姉と唯ちゃんに連行されて別の部屋へと行くのだった。


 * * *


 「さて、それじゃ寝ますか? 電気消すよ」

 「いいよ、お姉ちゃん」

 「はーい、恵姉こっちもいいよ」

 私たち三人は川の字になって畳の部屋に布団を敷いて横になる。
 恵姉が真ん中でその左右に私と唯ちゃんが寝ている。

 そして‥‥‥

 「ねえ、由紀恵ちゃん。由紀恵ちゃんって本当に友ちゃんが好きなの?」

 「恵姉?」

 「そうそうそれ! 兄妹なんだよ? だめだよ近親相姦は!!」

 「なっ! き、近親んてっ!! す、する訳無いじゃない!! 唯ちゃん飛躍しすぎ!!」

 私は思いっきり真っ赤になって抗議する。


 「でもさ、友ちゃんだっていずれは彼女出来ちゃうかもしれないんだよ? その時由紀恵ちゃんはどうするつもり?」


 「そ、それは‥‥‥」


 大好きなお兄ちゃんに彼女が出来る。
 今までわざと考えないようにしていた。
  
 でもいずれその時が来る。
 そうしたら私は‥‥‥


 「そこで相談なんだけど、私が友ちゃんの彼女になれば由紀恵ちゃんが今まで通りに私の前で友ちゃんに甘えるのを許可するよ? どう、彼女の前でも思いっきりお兄ちゃんに甘えても怒らないんだよ?」

 「お姉ちゃん! わ、私だって由紀恵ちゃんなら友ちゃんに一緒にされてもいいよ? さ、三人で『さんぴー』ってのも良いんだからね!!」

 「恵姉はちょっと待ってって、まずはこの耳年増を処分するから!」

 私はそう言って唯ちゃんの布団に入り唯ちゃんの脇をくすぐる。

 「ちょっ! 由紀恵ちゃんタンマそれ無し!! あはっ、あハハハハハっ!!」

 「この口か? 変な事言うのはこの口かぁっ!?」

 私はひとしきり唯ちゃんの脇をくすぐっていたが不意に唯ちゃんの胸に手が当たる。


 ぽよん


 ぐっ!?
 同じ年のはずで唯ちゃんの方が生まれも半年遅いのに!!
 なんて胸してるのよ!!
 その半分でもいいから欲しいわよ!!


 思わず唯ちゃんの胸を揉んでしまう。


 「あんっ! 由紀恵ちゃんもしかしてそっちの気もあるの? 私、由紀恵ちゃんならいいよ‥‥‥」

 「あんたは見境なしかぁっ!!」

 「なんか楽しそうね? 私も混ぜて!」

 恵姉はそう言っていきなり私の胸を触る。
 
 「うーん、やっぱりこれはねぇ~。そうだ、お姉さんが大きくなるマッサージしてあげようか?」

 「ひぇっ! ちょ、ちょっと恵姉!!」

 「あー、お姉ちゃん友ちゃんだけでなく由紀恵ちゃんにも手を出すの? ずるい! 私も~」

 そんなこんなで女子三人でしばらくキャッキャウフフしてしまった。

 ひとしきり遊んで疲れ果てた私たちはそのままはだけた服装で眠ってしまったのだった。


 * * *


 「う~ん、お兄ちゃぁ~ん♡」


 私は楽しい夢を見ていた。
 しかしいきなり夢の中のお兄ちゃんがオオカミさんになってくる!?

 「だ、駄目だよぉお兄ちゃん、私たち兄妹なんだよぉ~♡」

 さわさわさわ‥‥‥

 あん、お兄ちゃんそんなとこ触っちゃだめだよぉ~♡
 じゃなきゃ、私いけない女の子になっちゃうぅ♡

 私は夢だと気付いて思い切り夢の中でお兄ちゃんに甘える。

 しかし、何だろう、この体をまさぐられるような感覚は?
 やけにリアルな‥‥‥
 そう言えば寝る前に恵姉や唯ちゃんに胸を触られまくったっけ?

 でも今はなんか冷たい手で触られているような‥‥‥


 「うぅ~ん、恵姉、唯ちゃんいい加減に‥‥‥」


 半分目が覚めてきて私はうわごとのようにそう言うとその手つきが私の太ももの内側に‥‥‥

 流石にそれはダメだと思い一気に目が覚める。


 「もうっ! ダメだって!! 恵姉、唯ちゃん!!」


 ばっと起き上がりいたずらしてくる二人を見ると近くにいない?

 まだ少しボケた眼をこすり周りを見ると恵姉も唯ちゃんもだいぶ離れた所で寝ている?

 
 あれ?
 じゃあ今までのは夢?


 私がそう思った瞬間にふと視線の端を何かがよぎった。
 それはぼんやりとした看護婦さんっぽいシルエットだった。


 ―― んで、その診療所にいた看護婦さんが負傷した兵隊さんたちを甲斐甲斐しくも看護していたんだけど気の狂った兵隊さんに惨殺されたんだよね。ちょうどお盆のころだって話。以降この時期になるとその看護婦さんの霊がさ迷い出るんだって ――

 
 ふと裕君の怖い話が思い出される。


 「へっ? も、もしかして‥‥‥」

 その看護婦さんのシルエットは私の前ですぅ~っと消える。
 それを見た私は勿論‥‥‥
 
 「にょ、にょへぇぇぇええええええぇぇぇぇぇぇぇっっっ!!!?」

     
 私の悲鳴が深夜のおじいちゃんの家にこだまするのだった。


 
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